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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:Oliver!
日時:2009年2月5日19:30-22:05(途中休憩あり)
劇場:THEATRE ROYAL DRURY LANE
料金:Stall 60GBP
座席:1階K列24番(センターブロック左より横通路すぐ後ろ)
出演:
   Fagin: Rowan Atkinson
Nancy: Tamsin Carroll
Sikes: Burn Gorman
Oliver: Laurence Jeffcoate
Dodger: Ross McCormack
   Mr Bumble: Julius D'Silva
Widow Corney: Wendy Ferguson
Matron: Myra Sands
Mr Sowerberry:Julian Bleach
Mrs Sowerberry: Louise Gold
Charlotte: Mary Cormack
Noah Claypole: Daivd Roberts
Eccentric Dance/Clown: Philip Catchpole
Bet: Charlotte Spencer
Mr Brownlow:Julian Glover
Punch & Judy Man:Tim Laurenti
The Landlord:Ian Jervis
Boxers: Chris Bennett, Jay Bryce
Percy Snodgrass:Tom Edden
Little Sally:Lynne Wilmot
Mrs Bedwin: Louise Gold
Dr Grimwig:Julian Bleach
Rose Seller:Jenny Fitzpatrick
Milkmaid:Lyndsey Gardiner
Srawberry Seller:Sarah Lark
Knife Grinder:Hadrian Delacey
Posh Lady:Clare Rickard
House Maid:Cara Elston
Old Sally:Susan Fay
Eccentric Dancer/Hussar:Oliver Roll
Hussar's Girl:Hollie Taylor
Nihtwatchman: Robert Kershaw
子供たちチームは3つあり、各32人



オリバーとDodger はトリプルキャストです。Nancy はたまに出演するキャストです。
キャスト表にどの子供たちが出ているのか書いておいてほしい。。。
到着日にホテル近くの劇場に走っていきました。
チケットはSOLDOUTだよといって劇場前にたむろしているダフ屋らしきおじさんたち
が叫んでいます。この公演はTKTSにでていないのでこんでいるだろうとは思ってい
ましたが。。。当日窓口へ行くと、return ticket がある!良い席がでてきました。
なかなか良い幸先です。この劇場2階席は1階のL列にオーバーハングしています。
両サイドの階上はボックス席、完全に真横になるようです。
想像していたより客層の年齢が高いのにびっくり。子供は少しはいますが、年輩の
方が目立ちます。ブロードウェイの客より明らかに年上ですね。
幕があがると孤児院、40人以上の子供たちのFood Glorious Food の合唱。ほんとに
ちいさなこどもから年長さんまでいい感じです。
オーケストラの前方にも小さな銀橋みたいなものがあって、オケピットからキャストが
続々登場してきます。子供たちは皆金属の椀をもって豪華な食事を妄想するのです。
つかみはおっけー。もっと食い物を!とササヤかな願いを行ったオリバーは棺桶やに
売られます。そこでトラブルを起こして逃げ出し、スリの親分Faginのところにやっ
かいになります。オリバーは端正な顔立ちでボーイソプラノ。かなりいい感じ。
スリの子供Dodgerとあって歌うConsider Yourself が圧巻、いったい舞台に何人出たん
だろう。明るく脳天気にうたいあげるのです。子供たちのダンスもばっちり。ここは
ショーストップ。スリの親分Faginはミスタービーンでお馴染みのローワンアトキンソン。
他人とからんでいるところはオーソドックスな演技で一人芝居はミスタービーンが
はいっているようで面白い。またここの子役がよくて、すごくちっちゃい子が舞台を
食ってました。いやいやかわいいです。
2幕のWhere is Love の歌い上げがすごくよくて思わず涙ぐんでしまいました。
この直後のThe Squareのシーンでは物売りが3クラブカスケードをがんばってやって
ました。ジャグリングが終わってダンスになったとたんに切れの良い動き(^^;)
そして後半のFagin のソロ Reviewing the situation でショーストップ。Nancy
もきれいな歌声で拍手が多かったのです。しかしなんというかあっけない幕切れなん
ですねえ。これは原作を読まねばと思いましたよ。
たくさんのかなりできる子供たちにローワンアトキンソン、大人チームも粒そろい、
ヒットする要素満載ですね。

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題名:懐かしい江戸にいらっしゃいの会第81回「2009年浅草の灯は消えていない」
日時:2009年2月1日18時ー21時(講演は1時間半程度)
劇場:文祥堂ホール
料金:5000円(弁当込み)
座席:3列目右端
主催:懐かしい江戸へいらっしゃいの会
出演:幇間(ほうかん、別名太鼓持ち)の悠玄亭玉八(ゆうげんてい・たまはち)
出演者略歴:悠玄亭玉八さんは1945年東京都八王子市生まれ、1967年に新劇の東京芸術座に所属し、
演劇公演などに出演し、1978年に東京芸術座を退団、柳家紫朝(やなぎや・しちょう)さんに
師事し、音曲を修業、1979年に「幇間」の悠玄亭玉介(ゆうげんてい・たますけ、1907-1994)
の一門となり、「悠玄亭玉八」を名乗り、浅草見番に登録した。1983年に東京演芸協会に所属、
現在はお座敷をはじめ、寄席、劇場、ホテルなどで活躍している。
・世相漫談 その時々の話題をからめたおしゃべり
・粋曲漫談 都々逸、新内、俗曲をはさんだ楽しいバラエティー
・三味線曲弾き 大薩摩をはじめ、勇壮な旋律と音色
・声色・声帯模写 政治家、役者、噺家などのものまね
・小噺 お酒の席では艶笑中心で
・屏風芸 屏風、襖を使った一人芝居
・仕方話と所作事 踊り等を取り入れた所作事
・手踊り おなじみ「深川」「奴さん」「かっぽれ」等
・寿獅子舞 おめでたい席には華やかに………

悠玄亭玉八さんの講演で、その中で芸を披露するという形態。

講演内容:
昔は幇間が税務署の職業分類にあった。幇間というと落語のイメージがあるが、ちょっと誤解が
ある。男の場合は花柳会だけでやってるわけではなく、寄席が多い。色物だから15分程度。
いまどきのお座敷は、お得意さまを接待して芸者をあげて遊んで契約を結ぼう、という感じ。
幇間は自分の家の紋付は着ずに、作ってくれたスポンサーの紋を着る。給金を寄席は割と言い、
お座敷は玉代という。玉代は安い。祝儀は額はすくないけれど確実につく。客のタイプによって
祝儀の渡し方が違う。でかい袋、さっと袂に入れてくれる客、握手しようといって札を小さく
折って手渡す客など。座敷は話題が難しい。政治、宗教の話題を出すと困る。健康の話題なら
大丈夫。酒をいかに楽しく飲んでもらうのかが仕事なので酒の悪口はいわない。幇間は、芸は
ほんの一部で、旦那の面倒をみるのが仕事。旦那の財布を預かってしまうこともある。
旦那がどの芸者を気にいっているかチェックなども。旦那がなにを考えているのか先読みして
色々仕切りを行う。昔は落語の中にでてくるような遊びを本当にした。暑いなー池に飛び込んで
こい、あがると新品の着替えがでてくる、眉を半分それ、そのかわり生え揃うまで毎晩よんで
くださるなど。お座敷芸はどんなものだと特に決まってない。昔流行っていまほとんど関心を
持たれない芸がいっぱいある。声色はリクエストがめったにない、でもないわけではない。
旦那がやれといったら逆らわずに何でもする。断ると座がしらける。だが、できないものは
実際はちょっと真似事するだけ。逆立ちをしろといわれることもあるが、逆立ちのまねをするだけ。
基本は歌舞音曲を芸とする。歌舞伎の場面、一力茶屋、手鏡でおかるがうえからみるシーンとか
総理大臣のまね、池田、田中、福田、大平、昔は癖が多い人がおおかった。
子供からじいさんまで知っているものとしては天皇陛下があった。
芸者に三味線をひかせて、旦那が都々逸を歌うところから始める。都々逸は短いからいい。
定型だと30秒、がまんする時間が短い。例えば、、
  婦人議員がおさんをすればこれがほんとのさんぎいん。
  酒もたばこも女もやらず100まで生きたバカがいる
  あたしゃおまえに火事場の纏振られながらもあつくなる
  私の商売そうぎやでござるかそうかどそうか迷ってる
  ひじりめんかたからすべってのぞいたちぶさにっこり笑って消す明かり
  外は雨酔いはまわったさあこれからはあなたの度胸待つばかり
あをつよく、つを無声化する。と暑く聞こえる。まともな都々逸ではだめ、ちょっとエロが多い。
でたらめフランス語でシャンソン歌うこともある。
屏風芸とは屏風を使った一人芝居で、相手があたかも屏風の後にいるかのように演じる。
この場で見せた屏風芸は、若旦那が屏風の後ろ。お座敷芸は文字通りの寝技が多い。
最近はお楽しみというとカラオケ。瞬間芸で楽しいのはないのかと問われてやったのが
双六の芸ー振り出しからあがりまで。ああ、降り出した、あがった?
扇子で仰いで、風とともに去り濡れ。酒の席だからか下品なものが多い。
侍の武者修行ー朝まで抜いてはならぬぞよとか、坊様が陰間を買いに行くとか。。

感想;
幇間は究極のサービス業、先回りして気をきかせたり、旦那の財布を預かったりして差配する
のはすごい能力。そのうえなんでもやる総合エンターテインメント業。ただ芸の基本である
歌舞音曲がカスタマーのニーズを捉えられないとなると滅びていくのもやむをえないのかも
しれません。


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題名:パイパー
日時:2009年1月17日19:00-21:05
劇場:シアターコクーン
料金:S席9500円
座席:E列17番(前方右ブロック)
出演:
  フォボス/食堂のおばちゃん(過去)/フォボス4歳(30年前):宮沢りえ
  ダイモス/食堂のおばちゃん(過去)/ワタナベ妻(30年前):松たか子
  ワタナベ/葬儀屋(過去):橋爪巧
  マトリューシカ:佐藤江梨子
  キム:大倉孝二
  ビオラン(過去)/ビオラン子孫(中世):北村有起哉
  ゲネラール(過去)/ゲネラールの子孫(中世):野田秀樹
  ガウイ(過去):田中哲司
  フィシコ(過去):小松和重
パイパー:コンドルズ
大衆:多数

ストーリー:(公式Webより)
赤土と氷河、天空には地球が・・・
1000年後の火星で、何が起きていたのか?
火星は人類の憧れであり、希望の星だった。その初の火星移住者たちの
あふれんばかりの夢が、どのように変貌を遂げていくのか。
そして、人々と共に火星に移住した「パイパー」なる生物?機械?人間?
もまた、人類の夢と共に変貌を遂げる。そして1000年後の火星。その世界
を懸命に生きている姉妹たち。その妹ダイモスに松たか子、姉フォボスに
宮沢りえ、その父親ワタナベを橋爪功が演じます。野田秀樹が時空を超えた
壮大なスケールと、スリリングな展開で魅了する新たなる人類の叙事詩。


火星でのサバイバルSFというべきものでしょうか。物語は火星のストアから
始まります。発泡スチロールのアイテムがそこそこに散らばっています。
ストアは元々はスーパーのようなもので物がたくさん保管されているのですが、、
実は墓地もかねていることが後でわかります。
演技はもっぱら舞台の前方で行われます。前後の仕切りはビニールカーテンで
これがストアから外界への出入り口となっています。後方舞台は後に行くに
つれせりあがっており、群集シーンにおいて広がりを見せます。
宮沢りえと松たかこのダブル主役?が抜群の快演です。この2人を
見るためだけにもこの舞台を見たほうが良いと思えるくらいです。
1000年後の姉妹を中心に、1000年前の食堂のおばさん、小さな子、
おかあさん、を見事に演じ分けています。シーンがかわり時代が変わると
あっという間に立場が違うというのは見ていて小気味良い。
ただねえ、どうも物語全体の焦点が今ひとつぼけているというか、野田さん
何を書きたかったの?と聞きたい感じ。
大ネタとしては次の通り
・1000年前に夢を持って地球から火星に移民
・人間集団の幸福が計測でき、パイパー値という値で自動的に表示される
・鎖骨に埋め込まれた記憶チップが、その人間の全ての記憶を記録する
・自分に都合の良い歴史を作るため、記憶チップを隠して捏造した歴史の
 語り部をつくらんとする
・食料不足のため人肉を食料とする
・パイパーというパイプ持ったアンドロイド?が火星上で人間に奉仕、
 ある時点から火星をリセットしてやり直しせんと人間社会の破壊者となる
・アンサンブルがとても多数出演、群集シーンに迫力あり
・言葉遊びは健在
・実はワタナベはおとうさんではなかったのです

見終わった後、うーん。個々のシーンはなかなか良いのですが、なんとなく
つかみどころがないというか、色々詰め込みすぎて焦点がボケているというか、、
もちろんSF的には突っ込みどころ満載ですが、それをおいといてももう
ちょっとすっきりできなかったのかなあと。
パイパーをコンドルズが演じていましたが、コンドルズらしき動きはあまり
見えずちょっともったいない使い方。ワタナベはずるい小悪党、すっとぼけ
加減がなんともいえない。キムはでかいのにちゃんと子供に見えるから不思議。
しかもかなり頭がよく見えてます。ビオランはちゃんと悪党してますねえ。
マトリョーシカはスタイル抜群、こりゃあおとうさんがふらっといっちゃう
わけだわ。
最後は人肉喰い話になっちゃいましたが、あの状況なら食わせるでしょう。
ただやはり食えるように料理するのが筋ではないかと。
もしあのような状況で私が死んで死体となったら、私の死体はちゃんと活用
してほしいと思いますよ。

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題名:志の輔らくご in PARCO 2009
日時:2009年1月10日19:00-21:45(途中休憩あり)
劇場:PARCO 劇場
座席:E列中央
番組:
   ハナコ
   狂言長屋
   柳田格之進



久々の志の輔師匠の高座です。パルコで聞くのも初めて。
しかもすべて聞いたことのない噺ばかり。写真はロビーに掲げられていたのれん。
柳田格之進は聞いていてもよさそうなものなのですが、どういうわけか今まで出会いがありません
でした。
ひとつめは「ハナコ」。すべてのことをオープンに、情報公開に関する昨今の風潮に斜め横から挑戦。

黒毛和牛の焼き肉食べ放題がウリの旅館では、従業員が「あらかじめ」と言って、何から何まで説明
してくれる。そのおかげで内風呂で一風呂浴びるのも源泉まで連れて行かれる始末。情報公開に関す
る手間を考えないとどんな頭痛い状況が発生するのか、を見せつけてくれます。ところで食肉用の牛
が生きている状態で見せられたら食べられなくなるものなのでしょうか?生け簀の魚も同じだと思う
のだけどなあ。
2席目は、PARCO公演では恒例らしい「狂言長屋」。噺の途中で狂言の舞台が出てきて、噺中能
が展開されます。御前狂言のネタが浮かばず自殺しようとする狂言師に、長屋の住人たちが、「無情」
(を感じて死のうとする武士の話)のおもしろい話を作らせるため、「死にてぃよう」と思った時の
話をかわるがわる聞かせます。この話がまずおもしろい。彼らの馬鹿話からヒントを得た狂言師が作っ
た物語が劇中能として演じられるのです。ここで能舞台が出てきて、本職の狂言師と志の輔師匠との
競演となります。演じきった後はするすると座布団が出てきて再度噺へ、後日談へとつながります。
最後は柳田格之進。キャラがとてもたっていて、まるで一人芝居をみているかのよう。
格之進がめちゃくちゃかっこいい。また娘が気丈でちょっと恐ろしささえ感じます。
番頭と格之進の再会シーンなど緻密で素晴らしい描写で目の前に光景が浮かびましたよ。
最後、格之進の娘の言葉に皆が救われるとい後味のよい終わり方。このまま歌舞伎になりますね。
ひとりで前座からトリまで、いやあお疲れさまでした。



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題名:歌舞伎座12月大歌舞伎夜の部
日時:2008年12月14日16:30-(2回休憩あり)
劇場:歌舞伎座
料金:招待券で見せていただきました
座席:2階2列4番(2階2列目左端ちかく花道の左側)
番組・配役:
一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり)
  鶴ヶ岡八幡社頭の場
          梶原平三景時  富十郎
              娘梢  魁 春
          俣野五郎景久  染五郎
          大名山口政信  松 江
          同 川島近重  男女蔵
          同 岡崎頼国  巳之助
             奴鷹平  鷹之資
            囚人呑助  家 橘
         青貝師六郎太夫  段四郎
          大庭三郎景親  梅 玉
二、高坏(たかつき)
            次郎冠者  染五郎
             高足売  彌十郎
            太郎冠者  高麗蔵
             大名某  友右衛門
三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
  序 幕 吉原仲之町見染の場
  二幕目 立花屋見世先の場
      大音寺前浪宅の場
  三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場
      同  廻し部屋の場
      同  八ツ橋部屋縁切りの場
  大 詰 立花屋二階の場
         佐野次郎左衛門  幸四郎
             八ツ橋  福 助
           繁山栄之丞  染五郎
              七越  高麗蔵
           兵庫屋初菊  児太郎
          絹商人丹兵衛  錦 吾
            遣手お辰  鐵之助
            釣鐘権八  市 蔵
            下男治六  段四郎
              九重  東 蔵
        立花屋女房おきつ  魁 春
          立花屋長兵衛  彦三郎

ストーリー:(公式Webより)
一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり)
 鶴ヶ岡八幡宮に参詣した梶原平三(富十郎)は、大庭三郎(梅玉)、俣野五郎(染五郎)兄弟から、
ある刀の目利きを求められ、これが大変な名刀であることをふたりに告げます。
 一方、娘の梢(魁春)のために、刀を金にしたい六郎太夫(段四郎)は、この刀でふたりの人間を
重ねて斬ることができると言上します。そこで囚人を使って試し斬りをしようとしますが、奴の鷹平
(鷹之資)が手紙を持って駆け付けてきます。その手紙には、源頼朝が挙兵した旨が記されていたの
で、あたりは騒然としますが、梶原方の大名(松江・男女蔵・巳之助)たちがこれを宥め、試し斬り
を続けさせます。
 しかし獄屋にいる囚人は呑助(家橘)ばかりで、人数が足りません。すると六郎太夫は、梢をわざ
と家に帰らせて、自らがその役をかって出ます。こうして梶原が試し斬りをしますが、斬れたのは呑
助だけで、六郎太夫まで斬ることは叶いませんでした。これを見た大庭兄弟は、刀が鈍だと馬鹿にし
て立ち去って行きますが、梶原は意外な事実を口にします。  名刀の奇瑞を描いた華やかな義太夫
狂言をご覧下さい。

二、高坏(たかつき)
 次郎冠者(染五郎)は、主人の大名某(友右衛門)と太郎冠者(高麗蔵)と共に花見に出かけ、高
坏を買ってくるように命じられます。ところが、高足売り(彌十郎)の口車に乗せられ、次郎冠者は
高足を高坏と思い込んで買ってしまい…。
 高足を履いて賑やかに踊る名作舞踊をお楽しみ頂きます。

三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
 上州の絹商人である佐野次郎左衛門(幸四郎)は、吉原で安く遊ばせるからと騙されて、下男の治
六(段四郎)と共に仲之町へやって来ます。この危難を立花屋長兵衛(彦三郎)に救われ、次郎左衛
門は帰ろうとしますが、兵庫屋八ツ橋(福助)の花魁道中を見て魂を奪われます。
 こうして次郎左衛門は、八ツ橋のもとへ通い詰めますが、八ツ橋の親代わりである釣鐘の権八(市
蔵)は良い金蔓が出来たと、立花屋のおきつ(魁春)を通じて、たびたび金策を願い出ます。しかし
ついにおきつはこれを断るので、権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞(染五郎)を焚き付けます。そし
て栄之丞は八ツ橋に次郎左衛門との縁切りを迫るのでした。
 一方、何も知らない次郎左衛門は、八ツ橋を身請けするつもりで、同業の丹兵衛(錦吾)と共に吉
原へやって来て、遣手のお辰(鐵之助)の手配で、九重(東蔵)や七越(高麗蔵)、初菊(児太郎)
を座敷に呼んで騒ぎますが、突然、八ツ橋に縁切りをされて恥をかかされます。次郎左衛門はうちひ
しがれて宿へと帰って行きますが…。
 廓の風情を巧みに描いた世話物の名作を豪華配役で上演します。

------ここから感想-----
私が座ったのは花道の外側、七三は見えるけれど、もちろん出入りは見えません。染五郎でずっぱ
りでしたね。3幕目の間夫が一番かっこよかった。
名鷹誉石切における刀の目利きのシーンは錦絵にでてきそう。父親が試し切りにあってしまいそうと
いう重苦しいシーンで、一緒に試し切りにあう死刑囚が語る日本酒の名前尽くしの嘆き口上がかなり
おもしろい。雰囲気をうまく緩和させてくれます。駆け戻ってきた娘が六尺棒で押さえられて泣き崩
れる姿もうつくしい。試し切りは故意に失敗させて、父親を助け、刀が本物であることを後で手水罰
をたたき割ってみせるという。堪え忍ぶ源氏に救いの神が現れるという分かりやすい構図。
もうちょい悪の方がしっかり悪であればもっとスカッとしたのでしょう。

次の狂言は現代の作品で、作者は宝塚歌劇の脚本家だとのこと。当時はやっていたタップダンスを
狂言に取り入れた趣向がおもしろい。背景は桜、普通狂言には松を背景とするそうですが、この作
品は歌舞伎オリジナルなのであえて桜を背景にしたのだそう(イヤホンガイドから)。場面はもちろん
花見、高杯を買いに行かされた次郎冠者が、高足(下駄)売りにだまされて、下駄を買ってしまうとい
う話。前半はそのコント、後半は買ってしまった下駄をはいての酔っぱらい踊りがみもの。酔っぱら
いが下駄を履くので、これ見よがしではなく自然に下駄でタップを踏む感じがでています。下駄タッ
プってビートたけし氏発明じゃなかったのね。下駄タップまたみてみたい。
最後は世話物。吉原百人切りという講釈を元にした物語です。幕が開くと吉原の店が立ち並び、真ん
中に桜がさいていました。舞台の派手さに、幕が開いたとたん、客席からおーという声。その中を花
魁道中が行くのです。八橋は、八つの橋とカキツバタ模様の絢爛豪華な衣装。お大尽を誘いかける
営業スマイルはいまひとつ微妙。外八文字の歩き方はセクシー。間夫の染五郎はたしかによい男で
花魁が言いなりになるのもわかるような気がします。とはいうものの、身請けする寸前になっていまま
で尽くしてくれたお客様の面子をつぶす形で袖にするのはいまひとつ説得力が。。。
もっともそれほど理不尽な振られ方ゆえにその後の100人切りが説得力を持ってきたりもしています。籠釣瓶とは水もたまらぬ切れ味の妖刀村正を表現したものだそうですね。
鬼気迫る次郎左衛門の狂い方で、悲しみがぐぐんと伝わってきましたよ。
今回はどれもおもしろい番組でした。







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