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題名:舞台劇と古典芸能のコラボレーション 思い出すことなど ~漱石の愛した俳句と古典芸能~
日時:2010年2月9日19:00-20:45
劇場:四谷区民ホール
料金:入場無料(要事前申し込み)
座席:1階3列目左端
出演:
    夏目漱石:葛西和雄
    夏目鏡子:大嶋恵子
    高浜虚子:高山康宏
    正岡子規:矢野貴大
寄席番組:
    能楽・舞囃子:金井雄資(シテ方宝生流)、徳田宗久(太鼓方観世流)、
    和妻:北見マキ
    曲独楽:やなぎ南玉
    落語:三遊亭遊雀
    太神楽:鏡味正二郎
    寄席踊り:雷門助六
      地謡:金井賢朗、太鼓:桂宮治、三味線:斎須祥子
構成、演出:福山啓子
主催:新宿区
制作:(社)日本芸能実演家団体協議会
協力:秋田雨雀・土方与志記念青年劇場、(社)落語芸術協会
物語:
 明治44年3月
 早稲田南町の漱石山房の一室・・・
 正岡子規の思い出を高浜虚子と語り合う漱石、
 虚子が去った後、まどろむ漱石の夢の中には子規が出てきて・・
 漱石と虚子、子規とのエピソードを回想劇の形で上演しながら、
 漱石の愛した俳句と古典芸能の世界へ皆様をご案内いたします。
  
1階席はほぼ満員。観客の平均年齢60歳?Papermil へ来たみたい。。
まずは新宿区文化部の部長さんがでてきてご挨拶、区長のメッセージを読み上げました。
さすが、公営公演。
左右に黒幕を垂らし、舞台を狭くした上に真ん中に台を置き、その上にセットを組んでの
お芝居。セットとしては座り机に本棚、座卓がありました。漱石の書斎に高浜虚子が訪ね
てきて、漱石が危篤になったときの話や子規の思い出話、というか悪口が会話劇として
続きます。これが冒頭30分。そして虚子が帰った後、漱石がうたた寝すると若い子規が
夢にでてきちゃいます。子規が「寄席に行こう!」、ということで突然黒子が何人も登場し、
書斎を台ごと移動、空いた舞台中央に高座を創ってしまいました。黒子が出ると殿も出て
ほしいと思ったのは内緒です。

寄席の最初は謡曲、漱石から「なぜ寄席で謡曲?」という突っ込みがありました(^^;)
こういう舞が美しく感じられるようになったというのは、自分にも年輪を重ねたせいでしょう
か。腰の高さが全く変わらない、振り向く軸が全くぶれない舞はみていて気持ちがよいの
です。締太鼓の音も小気味良い。
次は和妻、三味線・太鼓がBGM。袋から無限たまご、空中から花、二段引き出し、壷から
布、布の後ろから傘7本+ボンボリ、最後に見得。
曲独楽、扇子の上の地紙止め、独楽の2階建てー開運招福回り灯籠、大きな独楽の下に
小さな独楽、その下に大きな飾り、それを扇の上に立てると下の飾りも回り始めました。
邪気を祓う刃渡り、最後は風車。全部座って演じていました。
落語は漱石が演芸を好きだったのにかけて、素人義太夫、いい感じで受けてました。
太神楽は、祇園鞠、大小の鞠を2個、あやとり、片手で2個、扇をいれてあやとり、閉じた
扇を手にもって手の甲・平へ続飯付け、扇を開いて続飯付け、カラムの間に扇をいれるわ
けどり、あい払い。私は正二郎さんのこの祇園鞠かなり好きです。傘回しは、まず鞠、縁、
片手、乱回し。茶碗はまっすぐ投げ上げて一旦傘の上で止めました。そしてぐらぐらゆら
してのの字のような小さな円を何度か描いた後で乱回しに。太神楽の最後は升、桁渡り。
最後は寄席踊り、かっぽれの伴奏で糸あやつり。美しいマイムです。ほんとに糸がみえる
かのよう。もう一曲踊って寄席はお開き、再度黒子がでてきて漱石の書斎へ逆戻り。
漱石の世界と寄席を堪能した1時間45分、これで無料なのですから新宿区は太っ腹!

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