今までに見た舞台の感想をつづってあります。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 題名: NODA・MAP 第15回公演「ザ・キャラクター」 日時:2010年7月10日19:00-21:15 劇場:東京芸術劇場中ホール 料金:S席9500円 座席:1階H32(7列目右端) 劇団: NODA・MAP 作・演出:野田秀樹 美術:堀尾 幸男 照明:小川 幾雄 選曲・効果:高都 幸男 衣装:ひびの こづえ 振付:黒田 育世 ヘアメイク :宮森 隆行 出演: マドロミ:宮沢りえ 家元:古田新太 会計・ヘルメス:藤井隆 ダブネー:美波 アルゴス:池内 博之 アポローン:チョウ ソンハ 新人:田中 哲司 オバちゃん:銀粉蝶 家元夫人・ヘーラー:野田 秀樹 大家・クロノス:橋爪 功 物語: それは、町の何でもない 小さな書道教室からはじまった・・・ 「町の小さな書道教室、そこに立ち現われるギリシア神話の世界、 それが、我々の知っている一つの物語として紡がれていく。 物語全てが、ギリシア神話さながらの、変容(=メタモルフォーゼ)を モチーフとしたお話になっています。信じていたものが、姿を変え、 変化を遂げていく物語。その最後に立ち現われる、 我々が知っている物語とは…。 物語尽くしの物語です。乞う、ご期待!」 ほぼ満員。 A列がつぶされて舞台が前に張り出しています。 客席に向かって斜めになった舞台、白い紙が3枚スポットライトを浴 びてたっており、悌、儚 が両端の紙に1文字ずつかかれています。 マドロミによる語りから始まりました。 どこか行ってしまったような顔で、かすれた声、声は大丈夫でしょうか。 今回はやたらわかりやすい話でした。 いままで私がみた野田作品の中で一番理解しやすい気がしました。 序盤はコミカルなタッチなのですが、物語が進むにつれてみるみる 深刻になっていきます。元々が書道教室、そこで紙に文字を書くこと による信仰が行われます。写経で財産の譲渡契約書や遺書も書か せてしまうのです。この書道教室・宗教団体に潜入取材し姿をけした 弟のために、マドロミは、自らも書道教室に入門してしまいます。 言葉遊びは、漢字の字面によるもので健在。なるほど「字」と「ギリシャ 神話の登場人物」をうまいこと使って納得させてます。 表題の「キャラクター」は、掛け言葉なのですね。初めは、ギリシャ神 話と書道教室が平行して語られ、途中から混ざっていってしまいます。 これは明らかにオーム真理教を意識した物語です。意識したと言うよ り、再現ドラマといったほうがいいでしょうか。人がどんどん狂気には まっていくところは真に迫っています。アポロンの向こう側にいってし まった感はすごい。うにゅうにゅしてる大家もいいきゃらです。家元は 本物以上にカリスマ性があるかも。オームの物語をなぞっていくにつ れてやりきれない雰囲気がどどーんと、、みなさんすごくナチュラル に演技して坂道を転げ落ちるようにダメに。。 最後は電車でビニール袋を傘でつついて。。 アンサンブルが多いので、大人数による動きのおもしろさもなかなか のものです。そしてクライマックスは救いがなく、どんよりして終わる のです。芝居として重厚でおもしろいけれど、カタルシスがないので、 誰かと飲んで吐き出して帰りたい気分になること間違いなし。 PR |
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