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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:錦秋十月大歌舞伎夜の部
劇場:新橋演舞場
日時:2010年10月11日17:00-21:00(途中休憩あり)
料金:1等15000円
座席:1階1列30番
番組:
一. 近江源氏先陣館(おうみげんじせんじんやかた)
  盛綱陣屋

           佐々木盛綱  仁左衛門
           高綱妻篝火  魁 春
            信楽太郎  三津五郎
            伊吹藤太  錦之助
           盛綱妻早瀬  孝太郎
             四天王  男女蔵
             四天王  宗之助
             四天王  薪 車
             四天王  亀 鶴
            竹下孫八  進之介
          古郡新左衛門  友右衛門
           盛綱母微妙  秀太郎
            北條時政  我 當
          和田兵衛秀盛  團十郎

  七世坂東三津五郎 五 十 回忌
  八世坂東三津五郎 三十七回忌追善狂言
  九世坂東三津五郎 十 三 回忌
二、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)
  どんつく

           親方鶴太夫  團十郎
          荷持どんつく  三津五郎
             門礼者  梅 玉
             白酒売  魁 春
              芸者  福 助
             太鼓打  巳之助
              子守  小 吉
             太鼓持  錦之助
             太鼓持  秀 調
             田舎侍  左團次
              大工  仁左衛門


三、艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)
  酒屋

           お園/半七  福 助
              三勝  孝太郎
           半兵衛女房  吉 弥
             半兵衛  竹三郎
              宗岸  我 當




ひとつめの近江源氏先陣館、これは重い話ですねー。初めて見ました。
子役が観客の視線の大部分をさらっている感じです。
これは大阪冬の陣を鎌倉時代の設定に読み変えた物語。
子供がつかまるが、息子が捕まえたのは甥、従兄同士小さな子で戦い。
弟が子供を取り返しそうとして主君を裏切らないように、こどもを切腹
させるように祖母に頼む。その語りが泣かせます。でも孫がいやいやす
るのでふんぎりがつかず。。そうこうしているうちに弟が無理な進撃を
して討ち取られたという報告があり、主君がきて首実験をしろと言います。
甥が飛び出してきて、父上が死んだからには生きている甲斐なし!と叫び、
皆びっくり!ここがかわいい、首実験をすると偽物!ここで偽とわかっ
て苦笑いをし、それからはてと甥をみて悩み、はっと気がつく、この仁
左衛門の表情が素晴らしい。
劇場内の客の意識すべてが仁左衛門の顔一点に集中している感じですね。
実は首は影武者のもので、それに真実味をますために弟親子で仕組んだ
わなだったのです。甥は切腹し、それにより首の信憑性を高め、首実検
を無事通過させてしまいます。。。
子役の存在感、団十郎の迫力、仁左衛門の美しさが際立った番組でした。

幕間では舞踊用に舞台を底上げをしていました。




三津五郎の解説がイヤホンガイドで流れていました。
--
養女で御殿奉公すると、御殿で芝居の噂話をする。姫がその話を聞
いて見たくなるが、もちろん芝居小屋にはいけません。
そこで腰元が練習して広間で見せるようになった。この練習の先生が
そこで板東家、狂言師が指導だけでなく出演もした
芝居がお大名の奥向きにはいったことで武士と町民との境が低くなった
板東家がその仕事で垣根を低くしたと言えます
どんつくというのはなんだ?
うんつく、どんつく、田舎ののんびりしたひとたちをさした悪口。
それから転じてどんつくはこっけいなものをさすようになりました。
大道芸では、親方がいて、それにたいして道化がどんつく。
この「どんつく」は大道芸のこっけいな動きを中心とした風俗舞踊。
--

筋書きの41ページには次のようにありました。

--
「神楽諷雲井曲毬」は弘化三(1848)年、江戸市村座で初演された
常盤津舞踊です。作詞は三世桜田治助、作曲は五世岸沢式佐です。
通称「どんつく」と言われる所以は「鈍な男」という意味と団扇太
鼓を叩く音を形容しています。
また太神楽で太夫の後見をする荷物持ちが「どんつく、どんつく」
と囃しながら踊ることにも由来します
--


つぎはお待ちかねの花籠鞠。追善興行ということでオールスターキャスト
のかなり豪華な番組となっていました。
丸一の太鼓に大麻、親方は紋付帯刀で尻っぱしょり、青いパッチをはい
て、背中の帯に撥を2本はさんでいます。黒紋付の背中に赤い撥、諸肌
脱ぐと真っ赤な襦袢。かっこいいなあ。
後ろに飾られた花籠鞠はかなり使われた風情、まんなかの台の下の輪が
みどりの斑模様籠は竹の色そのまま?一番高い皿は斜めに傾いて鞠を投げ
いれやすくなっているようです。
親方が2本撥をすると、どんつくが棒状のささらで同じような格好をしな
がら音を立てます。
錦絵にあるまんま、撥で髷をひっぱる光景も展開されておもしろい。
どんつくに太鼓を持たせて親方が叩こうとして、持ち位置が上すぎる、
下すぎる、といった太鼓の茶番のお約束もはいってます。
舞台中で二本撥の曲芸がはいるのですが、それは御愛嬌。片手で1本
投げて、糸操り、撥を交差したままほおり投げたり、交差した状態から
撥を回転させたり。どんつくは撥がくっついて見えるのを竹?に挟みこん
でしまってつっつけてしまいます。指車も若い者がちょっと。
どんつくは親方の劣化コピーをしてみせて対比を楽しむ、という構図
なのでもうちょっと親方に頑張ってほしい気もするのですが、練習時間
考えるとやむをえないところなのでしょうか。投げではなく所作にはいる
と突然美しくなるのがさすが歌舞伎役者と思いましたです。

花籠鞠はかなりまともな纏い振りからはいりました。花籠鞠持って踊る
のは良い。肩に載せて回って見せるのもきれい。1個の鞠を使って籠に順番
に入れていき、最後は手で針にぐっさり(^^;)それなりに形にまとまって
いて感心しちゃいました。

筋書き42ページには曲芸の囃し文句が載っていました。

----
再び鶴太夫とどんつく、太鼓打の3人が踊り始めると、鶴太夫は太神楽の
曲芸を始める。

抜けつ潜りつヒョイと止まった
柳に燕籠に 手毬のしゃんと来い
落ちたら恥よ 落としたら拾お袋持

続いて、どんつくが田舎踊りを始める。

其様好えなら己も好え それで世の中どんと好い
どんつくどんつく どどんがどん 

----

花籠鞠以外では(^^;) 、白酒屋の言い立てがおもしろい。
エンディングでは全員でどんつくの振付をどんどん真似ていきます。とて
もこっけいで華やかな幕切れ、ごちそうさまでした。

イヤホンガイドの解説につっこみたいところはありましたが、まあ。。
ところで、筋書きの花籠鞠のイラストは現在の形とは似て非なるものになっ
てしまっているんですが、元ネタあるのでしょうか?




最後はどーんと重い作品。
ろくでもない男を中心とした人情噺。書き置きを読むところが一番の見せ
場?さわやかで能天気だったどんつくと比べて落差がとても大きい番組でした。

筋書きの84ページにどんつくの英語解説が載ってました

----
`Dontsuku` is an insouciant genre dance
depicting a scene of the Edo period centered on dance by street
entertainers who are surronded by all manner of Edo citizenry as
they pass by. The full name of the number is `Kagurauta Kumoi no
Kyokumari` but it is known almost exclusively as just `Dontsuku`.



Conspicuous among them are Tsurudayu, the boss of a troupe of
Daikagura street entertainers, a "taiko" drummer, and a
porterservant known by the nickname of Dontsuku.
Brisk movements of the troupe boss, who is a born Edokko or Edo
native, and contrassting slow movements of Dontsuku,
a country fellow, invited laughter from the spectators.
Before long, the "shirozake" white sake peddler's sales stunt
starts and each spectator demonstrates his specialty performing
art. Soon, Tsurudayu's troup starts performing acrobatics.
While a stunning atunt with a caged ball is performed. Dontsuku
appears awkward.
Following this stunt, Dontsuku performs a country dance of his
native village. Though Tsurudayu and the taiko drummer try to
imitate him, they cannot dance as well as Dontsuku.
All the spectators are takenaback by Dontsuku's light, witty,
smart performance.
----

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題名:コクーン歌舞伎 第十一弾「佐倉義民傳」
日時:2010年6月26日17:00-20:10(途中休憩あり)
劇場:シアターコクーン
料金:13500円
座席:2階A-17(2階席最前列センター)
演出・美術:串田和美
脚本:鈴木哲也
出 演:
  木内宗吾:中村勘三郎  
  駿河弥五右門:中村橋之助
  甚兵衛の姪 おぶん・徳川家綱:中村七之助  
  渡し守 甚兵衛(座長):笹野高史
  幻の長吉:片岡亀蔵  
  家老 池浦主計:坂東彌十郎
  堀田上野介正信・宗吾女房 おさん:中村扇雀

ストーリー:(公式Webより)
すべて政治が悪いのか?それとも俺が悪いのか?
他人(ひと)の難儀が救いたさに、心に誓いをたてる宗吾。
この夏、ゆえあって命賭けの直訴をいたします。

毎日新聞6/16 東京夕刊版【小玉祥子】よりストーリー場面を引用
 佐倉の名主、宗吾(勘三郎)は年貢に苦しみ一揆を起こそうとする農民をなだめ、
領主、堀田上野介(扇雀)に自ら窮状を訴える。だが駿河弥五右衛門(橋之助)の
密告でお尋ね者となり、ついには将軍、徳川家綱(七之助)に直訴して捕縛される。
 発端に宗吾処刑後の上野介の狂乱を付け、宗吾一家の刑死も入れるなど全体の
筋を通した。信念を通そうとする宗吾の姿が、常に懐疑的な弥五右衛門と対比され
て描かれる。
 弥五右衛門は宗吾を試そうとし、彼を陥れ、最後まで見届ける。キリストにおける
ユダ的な存在で、農民たちを扇動するところなどおもしろく、橋之助がうまい。だが、
彼を慕うおぶん(七之助)の命を奪うくだりなど、心情の変化が分かりづらい部分が
ある。
 渡し守の甚兵衛(笹野高史)が、処罰を覚悟のうえで宗吾のために船の鎖を断ち
切る「甚兵衛渡し」では、笹野と勘三郎の間に情感が出た。将軍への直訴を決意し
た宗吾が女房のおさん(扇雀)と子供たちに別れを告げる「子別れ」に家庭人とし
ての宗吾の優しさが表現された。






1階席前方は平場、3時間座り続けるのはつらいだろうなあ。立ち見もたくさん、3時
間たち続けるのは。。。
最初は舞台真ん中に台がおかれその前に、佐倉義民伝という錦絵の幕がかかって
います。その裏にはきらきら屏風。舞台手前の左右には鳴りもの、大太鼓、
左手は和の鳴りもの、太鼓や笛、右はギターやドラム。劇場ロビーでは縁がある仏様
の御開帳がなされていました。もちろんお賽銭をあげて拝みましたよ。
幕が開くと、台は砂場になっておりました。長方形の二つの台に砂があり、道になった
り、田圃になったり。
オープニングは倒れた人形相手の立ち回り。狂ってます?それから百姓のラップ、
うまく脚韻はふんでいて小気味良い。もうちょっと聞き取りやすければなおよしなんで
すが。衣装や大道具に彩度がないので、2階席からみると、水墨画をみているよう。

登場人物はみんなイイ人、でもお人好しかバカかその両方か。。殿様は百姓を苦し
めるなといいつつ、老中になるので費用はよろしくねとかいうし、板挟みにあった手
下は、うそつき升を作って農民からむしりとろうとして失敗するし。。名主はお願いに
いくだけでほかに展望ないし。。百姓はどんどんつらくなっていくばかりです。
このやるせない状況なのに、舞台進行のテンポがよいせいか、気分が沈み込んで
動けないということはありません。

幕間、第二幕で椅子の前を通路として使うので、抱えているかいすの下にいれるよ
うにという指導がありました。私の前を役者が通っていくのね。
江戸から逃げ帰るところでは私の前10cmを勘三郎さんが駆けていきました。
2幕では照明の美しさが心に残りました。川をわたって村に戻るところ、
雪が降る北の竹藪?を抜けて江戸へ戻るところ、そして将軍へ直訴するところ。
川渡しのシーンが一番印象的だったかな。村で子供とわかれる場面はいかにも
お涙頂戴。登場人物が多くいので群集シーンはかなりの迫力。
宗吾が磔にあった後で、実は明治時代の劇だったという階層構造が明らかになり
ました。劇中劇だったのですね。こんなので終わるのおかしい、というところからカ
タルシスへ。登場人物全員でのラップ、かなり政治性が強く、それがかえって未来
への希望となっているような。蜘蛛女のキスのような終わりかたと何か似ている気が
しました。悲劇も最後はカタルシスで中和して劇場をでたいものです。
今までのコクーン歌舞伎の中でいちばんわかりやすく、地味なわりに面白かった。
ただ従来の歌舞伎のパターンからはずれているので、歌舞伎を主に見ている人と
そうでない人で評価がわかれる舞台でしょう。どちらかというと鬘をかぶった現代劇
という風情でした。

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題名:歌舞伎座さよなら公演御名残四月大歌舞伎第三部
日時:2010年4月4日18:20-21:50(途中休憩あり)
劇場:歌舞伎座
料金:一等席15000円
座席:1階8列15番
番組:
一、実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)
            乳人浅岡  芝 翫
           松前鉄之助  橋之助
             局錦木  萬次郎
             局松島  孝太郎
            腰元梅香  児太郎
             亀千代  千之助
             千代松  宜 生
             局呉竹  扇 雀
             局沢田  芝 雀
           片倉小十郎  幸四郎

  歌舞伎十八番の内
二、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
           花川戸助六  團十郎
           三浦屋揚巻  玉三郎
            通人里暁  勘三郎
         福山かつぎ寿吉  三津五郎
           三浦屋白玉  福 助
        男伊達 山谷弥吉  権十郎
        同   田甫富松  松 江
        同   竹門虎蔵  男女蔵
        同  砂利場石造  亀三郎
        同   石浜浪七  亀 寿
           傾城八重衣  松 也
           同  浮橋  梅 枝
           同  胡蝶  巳之助
           同  愛染  新 悟
             金棒引  種太郎
               同  萬太郎
               同  廣太郎
               同  廣 松
            禿たより  玉太郎
        白玉付番新梅ヶ香  歌 江
            奴奈良平  亀 蔵
           国侍利金太  市 蔵
            遣手お辰  右之助
          番頭新造白菊  家 橘
            朝顔仙平  歌 六
            曽我満江  東 蔵
         三浦屋女房お松  秀太郎
            髭の意休  左團次
        くわんぺら門兵衛  仁左衛門
          白酒売新兵衛  菊五郎

              口上  海老蔵
みどころ:
一、実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)
 奥州伊達家では、お家乗っ取りを企む江戸家老の原田甲斐一味が、幼い藩主の亀
千代の命を狙っているため、伊達の一門、伊達安芸が一味の反逆をくいとめようと闘っ
ています。安芸の娘である乳人浅岡も父と心を合わせ、忠臣松前鉄之助とともに亀千
代を日夜守護しています。
 ある日、御殿に籠りきりの亀千代を、局の沢田、錦木、呉竹、松島らが慰めるところ、
家老片倉小十郎が、甲斐一味の連判状を持参して出府します。一味の悪事の証拠が
手に入って喜ぶ浅岡に、小十郎は国元から連れてきた子をお目見得させたいと申し出
ます。この子こそ、離れ離れに暮らしてきた浅岡の実子の千代松。わが子に会いたさに
ちぢに乱れる浅岡でしたが、主君への奉公が第一と、会わずに帰そうとします。ところが
亀千代の命で召し出された千代松。浅岡はお家の危機を語り、お家安泰となった時に
は親子と名乗ろうと話すと、千代松もそれを受け入れるのでした。
 〝子別れ〟の代表的な一幕をお楽しみください。

  歌舞伎十八番の内
二、助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)
 新吉原の三浦屋の格子先に、花魁の揚巻や白玉が居並ぶ中、髭の意休が揚巻を口
説きます。しかし助六という間夫がいる揚巻は、意休に悪態をついて見世の中へと去っ
てしまいます。ここへ助六がやって来て、意休に喧嘩をしかけます。やがて意休の子分
くわんぺら門兵衛が、福山かつぎ寿吉に言い掛かりをつけるので、助六は門兵衛やそ
の弟分の朝顔仙平を懲らしめて意休を挑発しますが、意休は我慢してその場を去ります。
 そこへ白酒売の新兵衛が通りかかり、助六を呼び止めます。実は助六は曽我五郎の
世を忍ぶ姿で、新兵衛は兄の十郎。弟の行状を心配する十郎に対して、五郎は紛失し
た源氏の重宝友切丸の行方を訊ねるために喧嘩を売っていることを明かすと、共に通
人里暁などに喧嘩を売ります。ここへ兄弟の母の曽我満江が現れ、二人を諭します。満
江と入れ替わるように再び現れた意休が、ついに抜いた刀はまさしく友切丸。五郎は揚
巻の助けで意休の帰りを待ち伏せすることとするのでした。
 歌舞伎十八番の、華やかな舞台をお楽しみください。




ああ、これで現歌舞伎座とも終わりなのですね。今回の二つの番組とも初見です。最後
に助六を見ることができたのはとてもうれしい。毎日松竹Webサイトをチェックしていた甲
斐があったというものです。
実録先代萩は子役がおいしい。おおげさで棒読みのような演技で思わず笑いが、視線
は子役に持って行かれます。浅岡が両側からせめられるのはかなり微笑ましくつらい感じ。
しかし、物語としてはかなり地味なつくりで、伽蘿先代萩の方がおもしろそう。

さてお待ちかねの助六です。幕が開くと、舞台が赤い!!新吉原の路上、天井から桜。
三浦屋根の看板に真っ赤な桟がまぶしい。まずは口上、助六の故事来歴が語られまし
た。助六は印籠に尺八、黒羽二重に、江戸紫の鉢巻で江戸の名物となったそうです。
魚河岸、蔵前、新吉原から鉢巻、下駄、蛇の目の傘をもらうのが習わしだったとか。
成田屋御贔屓の河東節ますみ会の皆さんが、御簾の内で伴奏をおこないます。河東
節は助六以外では聞けないのだそうです。



助六はとにかく良い男がやり、いい男がやればロングラン間違いなし!花魁三浦屋揚巻
の衣装がこれまた派手、前が鯉の滝登り、後ろが伊勢エビ付きのお正月飾り、飾りをみて
るだけでめでたい気分。白玉は蝶と楓、他の花魁にも松、鼓、獅子、楓、と全員が並ぶと
絢爛豪華という言葉がぴったり。助六は花道でいろいろな型をみせて、見得きりまくりなか
なか舞台まであがってきません(^^;)。うどんが舞台に登場するのですが、初演時リアルに
福山といううどん屋があって劇中広告を行ったのだとかw助六は兄に喧嘩の指南、「こりゃ
またなんのこったい」が流行語に。。勘三郎がごちそう役、投げキッスで登場。お肌もすべ
すべ、、と言いながら足をさわっちゃいます。助六の股をよろこんでくぐり、「からくれない
に股くぐるとは!新しい歌舞伎座でも夢をみせてもらいましょうよ。」ここで拍手「さよなら
公演といってよく引っ張った!お客の皆さんもお金かかったでしょう。」(^^;)このあたりは
公演ごとにちがうんでしょうね。助六兄弟が喧嘩を売ったらなんとおかあさん!しおしおの
兄弟w。とにかく派手でケレン味あふれる楽しい舞台でした。
ああ、これでこの劇場とはさよならなのねー。
最後の最後にはじめて歌舞伎座内のカレーショップでカレーを食べてみました。



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題名:歌舞伎座さよなら公演御名残四月大歌舞伎第一部
日時:2010年4月4日11:00-14:23(途中休憩あり)
劇場:歌舞伎座
料金:一等席15000円
座席:2階5列25番
番組:
一、御名残木挽闇爭(おなごりこびきのだんまり)
          悪七兵衛景清  三津五郎
            典侍の局  芝 雀
            工藤祐経  染五郎
            曽我十郎  菊之助
            曽我五郎  海老蔵
          鬼王新左衛門  獅 童
           小林朝比奈  勘太郎
             片貝姫  七之助
            半沢民部  團 蔵
          秩父庄司重忠  松 緑
            大磯の虎  孝太郎
            小林舞鶴  時 蔵

  一谷嫩軍記
二、熊谷陣屋(くまがいじんや)
            熊谷直実  吉右衛門
           白毫弥陀六  富十郎
             藤の方  魁 春
            亀井六郎  友右衛門
            片岡八郎  錦之助
            伊勢三郎  松 江
            駿河次郎  桂 三
          梶原平次景高  由次郎
             堤軍次  歌 昇
             源義経  梅 玉
              相模  藤十郎
三、連獅子(れんじし)
      狂言師後に親獅子の精  勘三郎
      狂言師後に仔獅子の精  勘太郎
      狂言師後に仔獅子の精  七之助
             僧蓮念  橋之助
             僧遍念  扇 雀


みどころ:
一、御名残木挽闇爭(おなごりこびきのだんまり)
 霊鳥鳳凰が晴海ヶ浜に舞い降りる霊夢を見たという頼朝公の命により、木挽町に八
幡社が勧請され、新たに舞台造営の柱立てが行われるという晩のこと。奉行を命じら
れた工藤祐経に、工藤を仇と狙う曽我十郎と五郎兄弟が、小林朝比奈、片貝姫、鬼
王新左衛門、秩父庄司重忠、大磯の虎、小林舞鶴らとともに対面を果たします。更に、
悪七兵衛景清、典侍の局が現れ、一同は源氏の白旗、重宝友切丸、絵面図を互い
に探り合います。
 〝木挽〟とあるように歌舞伎座の御名残公演にちなんだ一幕をご覧いただきます。




  一谷嫩軍記
二、熊谷陣屋(くまがいじんや)
 熊谷直実が自らの陣屋へ戻ってくると、堤軍次と国元にいる筈の妻の相模が出迎え
るので、熊谷は妻を叱り、一子小次郎の働きや平敦盛を討ちとったことを告げると、敦
盛の母、藤の方が熊谷に斬りかかります。これを止めた熊谷は、敦盛の最期の様子を
物語ります。
 そこへ源義経が亀井六郎、片岡八郎、伊勢三郎、駿河次郎を引き連れて敦盛の首
実検にやって来ます。熊谷が敦盛の首を差し出すと、驚く藤の方と相模。義経は敦盛
の首と言いますが、実は小次郎の首。義経は「一枝を伐らば一指を剪るべし」という制
札に託して後白河法皇の落胤である敦盛を救うよう熊谷に命じていたのでした。ここへ
梶原平次景高が現れ義経が敦盛を救った事を頼朝へ言上すると駆け出しますが、石
屋の弥陀六が石鑿を投げ、梶原は絶命します。弥陀六が平宗清であると見抜いた義
経は、救った敦盛を預けます。そして義経の前に進み出た熊谷が兜を脱ぐと...。
 義太夫狂言の名作をお楽しみ頂きます。

三、連獅子(れんじし)
 清涼山の麓にある石橋で、三人の狂言師が、石橋の謂れや、獅子が仔獅子を千尋
の谷へ突き落す様子を踊って見せます。やがて時宗の僧遍念と法華の僧蓮念が
て来て宗論を始めますが、獅子の出現の気配を感じ、ふたりは山を下りていきます。
なく親獅子と仔獅子の精が現れ獅子の狂いを見せて、めでたく舞い納めるのでした。
 お馴染みの人気舞踊を上演いたします。




最初に幕前での口上、次に三味線独奏で大薩摩、かっこいい。
巨大競り上がりがあがると若手オールスターキャストが見得を切った状態でせり上がり、
もうどこに目をやったら良いのかわからない状態。神社の建て直しということで大麻で
お清め。歌舞伎座も一緒にお清めってかんじですね。そして新しい舞台にも来てね!
それからだんまりにはいって力強い立ち回り。
最後にはっと朝日で夜が明けて、赤い衣装に早変わり。めでたい趣向でした。

熊谷陣屋はかなり荒唐無稽。「一枝を伐らば一指を剪るべし」というのはこの物語だけ
ですか?他でも聞いたことがあるような気がするのは、単に他で同じ舞台をみたのでしょ
うか??最初の会話はかなり地味でだんだんと意識が遠くなる。。でも義経がでてから
とんとんと楽しくなります。立て札を構えた「制札の見得」はかっこいい。この作品は
かなり濃厚な筋書きだと思うのですが、前振りで説明部分を付け加えているとはいえ、
ここだけ抜き取っても感情移入しにくいなあというのが正直なところ。これは主役にいれ
こめるかどうかがポイントでしょうか。

連獅子は本物の親子による艶やかな親子獅子の舞踊。冒頭は春駒からきたという獅子
頭を手にはめての舞、獅子頭の後ろに布がついてます。千尋の谷そこに落とすという
物語が踊りの中にはいっていておもしろい。勘三郎の親獅子なら本当に獅子の子を蹴
落とすのか?とかリアル親子ともかぶってみえて興味深いのです。かなりコミカルな雰
囲気もありましたね。
間狂言が宗論、法華宗と浄土宗との戦い、太鼓に鐘、脱力感あふれる舞台で気分転換
の色物としてはナイスなのでしょう。
後半はふさふさなタテガミ?をかぶっての獅子の精の舞。髪の毛をぐるぐる回す狂いを
みてると親子で回し方が違う!勘太郎は首を使ってまんまるに回しているのに対して、
勘三郎は半円描いた後で腰で前から後ろに振っています。どっちも正しい?
私としては半円よりも円の方が好きだけれど、首にかなり負担がかかっているような。。
この狂い見てると韓国の農楽みてる気分になりましたよ。ところでこの獅子の精って、どこ
らへんが獅子なんですか?どちらかというと猩々って感じがするのですが。なんかなん
でもごたまぜにする歌舞伎のいい感じがでてる気がします。
それにしても名残惜しい。とはいうもののこの日の3部も見るのでした。


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題名:櫻田落語会
日時:2009年9月19日18:30-20:20
劇場:炭やき櫻田
料金:4000円(お食事、炭やき、飲み放題と落語)
座席:URL:http://www.sakurada.tv/
出演:、
  柳家三之助  粗忽の使者
  三遊亭歌奴  御神酒徳利



1年ぶりの櫻田落語会です。開演前にまずはご飯をおなかに軽く入れます。



三之助さんはまた一段と貫禄がついたような。
武士の落ち着いた口調と町人の口調の対比や痛くなる使者の表情が良い
ですね。開演前にちょうど、人の名前が覚えられないのよねーという話題で
友人と盛り上がっていたので、私らは自分で枕をふっていたのか?!と思
いましたよ。



御神酒徳利を聞くのは初めて。歌奴さんは50分の熱演。冒頭からかたりに
引き込まれてしまいましたよ。情けない主人公、気丈夫なおかみさんとキャ
ラもたち、とんとんと進む物語を一緒に体験し、幸運が続くのに一緒に喜ん
でました。これはおもしろい。同行した落語初心者たちにもインパクトがあっ
たようで次回も聞きたいと口々に言ってましたよ。
次回は11月、その次の1月が現行演者の最終公演になるそうです。

公演が終わると、お待ちかねの宴会タイム! 炭焼きに飲み放題!!
これで4000円なのですからかなりお得!!



ほんとに、満喫して帰りました。

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