今までに見た舞台の感想をつづってあります。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 題名:プライベート・ジョーク 劇場:東京芸術劇場シアターイースト 日時:2020年12月13日15:00-17:00 料金:前売3700円 座席:自由席 J17(後方通路側) 劇団:パラドックス定数 作・演出:野木萌葱 出演:植村宏司 西原誠吾 井内勇希 加藤敦 小野ゆたか 解説: 天才がいる。 狂人がいる。 だからこの世は、面白い。 二十世紀初頭の古き佳き時代。 自由を掲げる学生寮で 未来の芸術家たちが暮らしていた。 豊かに無意味に馬鹿騒ぎ。 若さ故に才能を持て余しながらも 破天荒な共同生活は続いてゆく。 ある日、学生寮主催の講演会が開かれる。 彼らの前に二人の男が現れた。 この出会いが奇跡でも悪夢でも 魂の饗宴は止まらない。 プライベート・ジョーク。 身内の戯れに過ぎないのだけれど。 --------------------- 千秋楽です、ほぼ満員。 H列までは市松模様。I列以降は通常の運用。 舞台上にはソファとテーブル・椅子セット、背景にはなにもありません 学生寮に住む3人の若者の会話、ひとりは劇作家、ひとりは画家(シュール)、 一人は映画監督、を志しています。そこにふたりの先人、ひとりは画家、 一人は物理学者、しかも天才。固有名詞は一切出てこないのですが、 言葉の端々から先人たちはアインシュタインとピカソだと想像できました。 若者たちが最初は同じ方向で連帯していたのに、時と場所を隔てるにつれて ヒビがはいり、そしてジャリジャリするような軋轢が発生してくるところが いかにも!という雰囲気でよかった。 モデルとなった人物全員の氏素性を知っていれば、まっさらなときとは 違った見方ができる作品でしょうね。もっと勉強しなくちゃ。 PR 題名:23階の笑い 劇場:世田谷パブリックシアター 日時:2020年12月9日13:30-15:15 料金:S席12000円 座席:1階K列15番 作:ニール・サイモン 翻訳:徐賀世子 演出・上演台本:三谷幸喜 美術 :堀尾幸男 照明 :服部基 音響 :井上正弘 衣装 :前田文子 ヘアメイク :佐藤裕子 舞台監督 :瀧原寿子 プロデューサー :北村明子 企画・製作 :シス・カンパニー 出演:瀬戸康史、松岡茉優、吉原光夫、小手伸也、鈴木浩介、梶原善、青木さやか、山崎一、浅野和之 ストーリー: 時は、マッカーシズムに揺れる1953年。社会は政治、人種など様々な問題があふれていたが、テレビ業界は、熾烈な視聴率戦争の真っ只中。その闘いの中心は、生放送のバラエティショーだった。 物語の舞台は、ニューヨーク五番街と六番街の間、57丁目通りにある高層ビルの23階の一室。ここは、冠番組「ザ・マックス・プリンス・ショー」を持つ人気コメディアン・マックス・プリンス(小手伸也)のオフィスである。新入りライター・ルーカス(瀬戸康史)にとっては、まさに夢の現場! ここには、マックスの才能を愛し、彼のためにコントを書き、認められようと集まった個性的な放送作家たちが行き交っている。 主なメンバーは、目立ちたがりのミルト(吉原光夫)、ロシア出身のヴァル(山崎一)、ハリウッドを夢見るブライアン(鈴木浩介)、マックスが信頼を寄せるベテランのケニー(浅野和之)、病気不安症気味のアイラ(梶原善)、紅一点のキャロル(松岡茉優)とルーカスを含めた7名の作家たち。そこに、秘書のヘレン(青木さやか)も加わって、出自も性格もバラバラなメンバーが、毒舌を交わしながら切磋琢磨しつつ、コント作りに没頭していた。 マックスもそんな彼らを大切にしてきたが、そこに大きな問題が・・・大衆受けを望むテレビ局上層部が、政治的な話題も番組に織り込むマックスたちのやり方を気に入らず、厳しい要求を突き付けてきたのだ。マックスと23階の仲間たちは、このピンチをどうやって切り抜けるのか?! 彼らに未来はあるのだろうか? ------------------------------------- 市松模様ではない満員。各席の手すりの上には透明な仕切り。 なんだか蜂の巣にはいったみたい。 登場人物は秘書を除いてみな放送作家、中の人達がうまいだけに 各人の個性がくっきり。細かなギャグもいっぱい、時々くすりと なります。でもどっかーんと受けるような場面はなし。 全体として起伏があまりないのですね。 なんだかするっと終わってしまった感がありました。 皆上手なので見てもいいけど、時間がなければパスしても、、という くらいでしょうか。古い作品のはずなので同じ脚本でほかの舞台も みて見たい。 題名:あんまと泥棒 劇場:本多劇場 日時:2020年11月28日17:00-18:15 料金:5500円 座席:I列14番 脚本:村上元三 脚色・演出:倉持裕 出演:南原清隆、近藤芳正 <あらすじ> 夜更け、泥棒・権太郎(近藤)は、あんま・秀の市(南原)の家へ泥棒に押し入る。 権太郎は、秀の市が高利貸しの烏金を貯めていると噂を聞きつけ、秀の市に金を出すように迫る。 しかし、秀の市はしらばくれて、利息はもらっているもののほとんど貸し倒ればかりだと言い逃れる。権太郎は金のありかを白状させようとするが、秀の市はとぼけるばかり。 やがて、二人は台所にある焼酎を飲み始め、お互いの身の上話を始める。 そのうち、日が昇り始めるので、権太郎が家の中を物色し始めると、位牌が出てくる。 すると、秀の市は死んだ女房に仏壇を買ってやりたいが、金が貯まらないと言って涙を流す。これを気の毒に思った権太郎は、盗みを諦め、秀の市に金まで与え出ていく。 これに感謝する秀の市だが…。 ---------- 客がそれなりにはいっているのは私の一つ後ろの列まで、そこから後ろ はまばらにしかはいっていません。有名なキャストでもこうなのか。。 開演前に黒子の姿で出てくるふたり、単純に演じてしまうととても短い 芝居なのでトークなどで時間を伸ばすのだそうで。。 物語はずる賢いあんまとバカな泥棒の噺。あんまに丸め込まれた泥棒は 金をとるどころか金を置いて帰ってしまいます。 最後は一応あんまの正体がバレて幕。「手ぬぐい奉行」とか世相も 少し追加されていました。 もともとが放送劇だそうで、かなりわかりやすい筋書き。たしかに最初 からきっちりやったらあっというまに終わってしまいますわ。 かならずしもつまらないというわけではないですが、より安価・より 小さい劇場で目の前で見るというのがあっている作品だと思いましたね。 飲みながらがやがやしながら見てみたい。 カーテンコールでは、ふれあいができないから写真撮っていいです! ちゃんとスマホの電源切っていたので立ち上げるまでに撮影タイムが 終わってしまいましたOrz 題名:PARCO劇場オープニング・シリーズ『迷子の時間 -語る室2020- 』 劇場:PARCO劇場 日時:2020年11月28日14:00-16:15 料金:12000円 座席:R列21番 作・演出:前川知大 出演:亀梨和也 貫地谷しほり 浅利陽介 松岡広大 古屋隆太 生越千晴 忍成修吾 解説: 主演の失踪した子供の叔父で奇妙な幻覚に悩む警察官を、ストレートプレイ初となる亀梨和也。そして、警察官の姉で、失踪した息子の母親役を、映画、ドラマ、舞台と多くの作品に出演し、18年の現代能楽集Ⅸ『竹取』以来2年ぶりの舞台出演となる実力派女優 貫地谷しほりが務めます。 さらに、父の死を知り実家を目指すヒッチハイカーを、時代劇からコメディーまで幅広いジャンルで活躍する浅利陽介、帰ることのできない未来人を、『恐るべき子供たち』や『ねじまき鳥クロニクル』で好演し、目覚ましい活躍を見せる松岡広大、奇跡を信じて嘘をつき続ける霊媒師を、平田オリザや松井周演出作品に多く出演する古屋隆太、浅利演じるヒッチハイカーの妹で遺品から亡き父の秘密に迫ろうとする娘を、舞台を中心に活躍の幅を広げている劇団モダンスイマーズ所属の生越千晴、そして、幼稚園送迎バスの運転手で失踪した弟の帰りを待ち続ける兄を、様々な作品で印象を残し続ける忍成修吾が演じます。 【あらすじ】 田舎町、ある秋の日の夕方。 人気のない山道で、一人の園児と幼稚園送迎バスの運転手が姿を消した。 バスはエンジンがかかったままで、争った跡はなかった。 手掛かりはほとんどなく、五年経った今も二人の行方は分からないままだ。 消えた子供の母、その弟で最初に現場に駆けつけた警察官、消えたバス運転手の兄。 それぞれが思いを抱えながら向かえた五年目のある日、三人が出会った人たち…… 奇跡を信じて嘘をつき続ける霊媒師、 帰ることのできない未来人、 父の死を知り実家を目指すヒッチハイカー、 遺品から亡き父の秘密に迫ろうとする娘。 彼らを通じて、奇妙な事件の全貌が見えてくる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 舞台後方にはうっそうとした雑草が生えています。 そしてかなり高い金網の柵、左には電柱、丸テーブルに木の机。 右には柵の内側?客席寄りに古ぼけた部屋、待ち合わせ場所? と思っていたら交番でした。中に木の机。 柵も交番も場面によって移動するのです。 物語は田舎での神隠し。 登場人物が全く関係のないばらばらな人たちにみえて 実はみなつながりがあったというウェルメイドな物語。 出てくる登場人物、いずれも一癖も二癖もあるような連中 ばかり、実際に隠されている背景があり、、、 タイムトラベラーが二組、それさえ納得してしまえば とても首尾一貫している物語でした。 最後にすべてがつながってカタルシス、という雰囲気。 貫地谷さんひとり芝居感もあり、ダークサイドな役割を 一身に集めていました。そこだけ見たら完全なホラー。 でも全体はウェルメイドでほんわか、うまい作りです。 このシナリオは最初イキウメで演じられたそうで、初演 みてみたいなーと思ってロビーでDVD(とパンフ)買って 帰りました。 題名:女の一生 劇場:新橋演舞場 日時:2020年11月26日12:00-14:55(途中休憩あり) 料金:一等席13000円 座席:1階2列31番(1列目はすべて空席、上手より) 作:森本 薫 補綴:戌井市郎 演出:段田安則 出演: 布引けい:大竹しのぶ 堤 栄二:高橋克実 堤 伸太郎:段田安則 堤 ふみ:宮澤エマ 職人井上:森本健介 堤 総子:服部容子 堤 知栄:多岐川華子 野村 精三: 林翔太 堤 しず:銀粉蝶 堤 章介:風間杜夫 <物語> 明治38年(1905年)日露戦争の後―日本がようやく近代的な資本主義国の姿を整え、同時にその動向が世界の国々と絶ちがたく結び合い、影響し始めた時代。戦災孤児の境涯にあった布引けい(大竹しのぶ)が、不思議な縁から拾われて堤家の人となったのは、そんな頃である。 清国との貿易で一家を成した堤家は、その当主はすでに亡く、後を継ぐべき息子たちは まだ若く、妻のしず(銀粉蝶)が義弟・章介(風間杜夫)に助けられながら、困難な時代の一日一日を処していた。甲斐甲斐しい働きぶりを見せるけいは、しずに大変重宝がられた。同時にけいと同様に闊達な気性の次男・栄二(高橋克実)とも気性が合い、お互いに ほのかな恋心を抱くようになった。 そのけいの思慕とは裏腹に、しずは跡取りであるべき長男・伸太郎(段田安則)の気弱な性格を気がかりに思い、気丈なけいを嫁に迎えて、堤家を支えてもらう事を望んだ。しずの恩義に抗しきれなかったけいは、伸太郎の妻となった。 けいは正真正銘堤家の人となり、しずに代わって家の柱となっていく。担い切れぬほどの重みに耐えながら、けいはその「女の一生」を生きるのである。 時は流れて昭和20年・・・。二つの大戦を経る激動の時代を生きて、今、焼け跡の廃墟に佇むけいの前に、栄二が再び戻ってきた。 過ぎ去った月日の、激しさと華やかさを秘めて、二人はしみじみと語り合うのであっ た・・・。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー たぶん45年ぶりの「女の一生」鑑賞。前回は学校からの団体鑑賞。感想文書かされた。 最初の場面ではばあさん、そしてその後の場面では小娘、このギャップが凄い。 ほんとに小娘に見える大竹しのぶさんは偉大なり。(前回見たときは、小娘というには 無理がある、、と感想に書いたのを覚えてる。きっとそれは小娘のような歳だった ためでしょう。今思い返すとかなり化けていたのではないかと。。) 段田さんは学生服が全く似合わない、若さがない?高橋さんはそれなりに見えるのに。 結婚後のけいの力強さは異様、無敵な女主人といった風情。前回見たときは 元気でチャキチャキなけいでしたが、今回のほうが貫禄あるよう。 力強いキャストばかりで、ぐいぐい突き進む物語。あっという間に一幕が終わりました。 ダレ場がないのですね。 2幕にはいるとまた一段とふけるけい、良かれと思うことをやっても家族がどんどん 離散。腕力だけでは求心力にかけるという悲しみを見事にしょっています。 夫が帰ってきたときに倒れて手を握りしめあう、という場面はほんとに老夫婦。 そして最初の場面に戻り、いろんな意味で振出しに戻る。 あっというまの3時間でした。力強い脚本に力強い役者たち。 カーテンコールはキャスト総出、いままでは大竹さん高橋さんの二人だけだったそうです。 「本当に千秋楽までできてよかった、舞台は客と共に作るのだということがよく分かった」 という大竹さんの言葉に泣きました。キャスト皆さんも目を赤く腫らしていましたね。 大竹さんの段田さんを前に突き出して喋らせました。 「本当は客席に降りて一人ずつ握手したいぐらいなんですけどね。この状況なんで、高いところから失礼します」 本当に千秋楽までできて、見られてよかった。 |
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