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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:劇団俳優座No.342「心の嘘」
劇場:劇団俳優座5階稽古場
日時:2020年9月12日11:00-13:40(途中休憩あり)
料金:5500円
座席:5列5番
劇団:劇団俳優座
出演:松本潤子、加藤佳男、斉藤深雪、安藤みどり
志村史人、千賀功嗣、野々山貴之、飯見沙織
脚本:サム・シェパード
訳:田中壮太郎
演出:眞鍋卓嗣
美術:杉山至
照明:桜井真澄(株式会社 東京舞台照明)
効果:木内拓(株式会社 音映)
衣装:樋口藍(アトリエ藍)
ドラマトゥルク:森本道孝
舞台監督:関裕麻
制作:狩野早紀
あらすじ:
アメリカ西部。
ある夜、フランキーは兄のジェイクから妻のベスを殺したと電話を受ける。
妄想にとらわれた嫉妬により、ベスが浮気していると思い込み、激しい怒りで強く殴りつけたという。フランキーはベスの生死を確かめるべきだと主張するが、ジェイクは彼女の死を疑わず、聞く耳を持たない。実際、ベスは家族のもとで脳損傷の治療を受けていた。しかしベスは、自分の怪我はジェイクではなく家族によるものだと信じ込んでいた。家庭内暴力が引き起こした事件をきっかけに、歪んだ認識の中で揺れ動く二つの家族の物語。
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舞台の両端に長椅子。
交互に二つの実家での物語が繰り広げられます。
ベスは脳挫傷によって、言葉が不自由に。
ベスの兄貴はジェイクとその家族を恨み、ジェイクは
ベスの母親ば認知症気味、父親と兄は家父長制度から抜け出してきたような振る舞い。
ジェイクの母はジェイクを溺愛、ジェイクも唯我独尊、でも頭にどうやら病気。
ベスの実家へ様子を見に行ったジェイクの弟がベスの父に誤って撃たれて実家へ
転がり込み、ベスはジェイクと間違って迫ってくる、、とDV夫婦に家父長制度の
家庭ふたつでめんどくさい話。でも20世紀だといかにもありそう。
いずれも警察呼ぶよね?ということを内々で済まそうとしている段階で、なかなか
感情移入が難しい。
後半はぐぐっと(というよりガタガタと)物語が動きました。
ベスがジェイク弟に一層の色目を使い、結婚したいと言い出し混迷の度合いが深く。。
ジェイク実家では妹の回顧で父が死亡した状況を、妹は兄が殺したようなもの
だといい、母はそんなことするわけがない。。この語りがすごくてまるで本当に
脇でみているみたい。
ベス実家では誰も自分以外のことなど聞く耳もたない。父親も認知症初期?
ベスは心がどこかへ行ってしまい、兄は俺がやらねばといってやりたい放題。
結局似たもの家族、見事にすれちがっている。このすれ違いがみもの!
ジェイクはうちのそとでベス兄に捕まってヤキをいれられてしまいます。
ジェイク実家は母娘で旅行に出かける際に、家を燃やしてしまおう。。
もう何もかもが崩壊していって物語は終わりに。
前世紀の家庭が色々なたまったもので壊れていく姿を力強い演技で描いたという舞台。
クトルゥーみたいに気が狂っていく過程を楽しむという感じなんですかねえ。

舞台は凄いのだけど何をみせたくて書かれた戯曲なのかいまひとつぴんとこなかった。

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題名:かがみの孤城
劇場:サンシャイン劇場
日時:2020年9月6日13:00-15:00
料金:S席9000円
座席:1階9列19番
出演:
  生駒里奈 溝口琢矢 野田裕貴(梅棒)木津つばさ 前田航基 原田樹里
  河内美里 渡邊安理 多田直人 木村玲衣 石森美咲 稲田ひかる 澤田美紀
原作 : 辻村深月「かがみの孤城」(ポプラ社刊) 
脚本・演出 : 成井豊
美術 : 田中敏恵 
照明 : 加藤直子 
音響 : 早川毅 
振付 : 川崎悦子
衣裳 : 黒羽あや子 
ヘアメイク : 山本成栄
演出助手 : 藤嶋恵 
舞台監督 : 村岡晋 
衣裳協力 : 学生服コード服装
STORY:
入学早々、同級生から嫌がらせを受け、家に閉じこもる生活を送っていた中学1年生の安西こころは、ある日自分の部屋の鏡がまばゆい光を発していることに気づく。
恐る恐る鏡に手を触れた瞬間、こころは見知れぬ城がそびえ立つ異世界に引き込まれてしまう。
「オオカミさま」と呼ばれる城の管理人と、彼女に召還された7人の中学生が過ごす世界。
そこでは「願いの鍵」を見つけた者が、何でも望みを叶えられるという。
果たして「願いの鍵」は見つかるのか。7人が城に集められた驚くべき理由とは。

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東京千秋楽お疲れさまでした。キャストのコロナ陽性で綱渡りだったのね。
http://napposunited.com/kagaminokojo/pdf/attention.pdf
キャストがひとり交代しただけで上演できて本当によかった。

舞台上には西洋のお城、両側に尖塔、真ん中にはね上げ門、城壁そして時計台。
上演前は舞台後ろを開けて換気。
客席は市松模様ですが、それに加えて1列目を使わず、そこにかなり高い透明シールドを
設置しています。最前列はフェイスシールドをつかわないですむわけですね。
今日は東京千秋楽、配信もあるためカメラがはいっていました。
主題は中学でのいじめい。じめられて学校に居場所がない女の子が、鏡を通り抜けた城で
同世代の子たち(やっぱり不登校)と一緒に過ごすという物語。
学校以外にいてもいいんだ、そして学校から逃げてもいい、辛ければ逃げろ、が繰り返し
語られます。
ひょんなことから彼らは同じ学校に通っていることに気がつきます。でも現実では会えません。
始業式の曜日が違う!パラレルワールド?それとも時間線が異なる?
クライマックスで、実は7年おきの生まれだということがわかりました。そしてある人の
未来はほかの人の現在とつながっており、、そこではぼろぼろ泣けましたね。
登場人物の中のひとは皆大人なのですが、中学生を演じていて全然違和感がありません。
とくにこころ役の生駒さんは中学生そのまま!座長として見事に場をまとめていました。
芝居全体は、音楽、客席への語りかけ、オープニングダンス、2時間、成井さんということ
できっちりキャラメルテイストでした。古いキャラメルファンとしては別の意味でも泣けました。
千秋楽一言カーテンコールも良かった。
そしてカーテンコールで珍しい光景をみました。最後のカーテンコールにキャストが舞台に出る前に、
客席総立ちになって拍手!舞台に出てきた方々はびっくりされて、そして目が真っ赤に。。
大千秋楽まで頑張ってください。

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題名:ゲルニカ
劇場:PARCO劇場
日時:2020年9月5日13:30-16:20(途中休憩あり)
料金:9800円
座席:N27(中央通路1列後ろ通路側)
作:長田育恵
演出:栗山民也
出演:上白石萌歌 中山優馬 勝地 涼 早霧せいな 玉置玲央 松島庄汰 林田一高 後藤剛範 谷川昭一朗 
美術:二村周作 照明:服部基 音楽:国広和毅 音響:井上正弘 衣裳:前田文子 ヘアメイク: 鎌田直樹 映像デザイン:上田大樹 ステージング:田井中智子 演出助手:長町多寿子/神野真理亜 舞台監督: 藤崎遊 
制作:石井宏美 プロデューサー:佐藤玄 柳原一太 製作:井上肇
<あらすじ>
戦争は 遠くにあると思っていた。
あの日までは。
ゲルニカの元領主の娘として、なに不自由なく生きてきたサラ。しかし、世間では旧体制派と新体制派が激突。
ドイツやソビエトなどの軍隊も加わり、スペイン内戦が本格化していた。サラの婚礼直前、幼なじみの婚約者が突然、戦いに参加したいと出て行ってしまう。この国で今、なにが起きているのか。街の食堂に出入りするようになったサラは、街の人々や兵士たち、海外特派員と触れ合い、各地で激戦が行われているのを知る。イグナシオという兵士と出会い、いつしか恋に落ちるサラ。しかし、彼はドイツ軍のスパイで、密かにゲルニカを爆撃するための工作を進めていた。そんな折、サラの妊娠が発覚。人々の思いが交錯する中、戦いは激しさを増し、空爆がゲルニカの街を襲う……。

---
当日券にて鑑賞、当日券販売開始10分後に購入でN列ならまずOK.
私が買ったときにはその隣との二択になっていました。

オープニング、1幕エンディングは横1列に並んで歌、とても力強い。
床を含む照明が美しい。客席が急なパルコ劇場ならではかも。
ヒロイン(上白石萌歌)が男前、そしてかわいい。
戦場記者(勝地涼)とてもねじくれていてかっこいい。役者全員が迫力。
皆他人事だと思っているのに悲劇が近づいてくる、ものすごく重厚なせりふ劇。
二幕はどうなる、と思わせてくれます。どう考えてもその後は鬱展開なのですが。
一言一言に重みがあるようなので、読解のために幕間にパンフ買いましたよ。
後半は当然ながら鬱展開。
バスク軍のぽんこつ、ドイツ軍のえげつなさ、そのなかで展開するボーイミーツガール、
でもそれすらやばい。教会での十字の照明、無差別爆撃の場面で赤い幕に押しつぶされ
ていく姿、そこに確かにいる雰囲気が醸し出されています。
最後はゲルニカの絵、ものすごい迫力でせまってきました。
エンディングも歌なのですね、そしておどろおどろしい。
全般的に濃くて圧が強い舞台でした。見てて疲れたけど面白い。

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題名:スケリグ
劇場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
日時:2020年8月15日13:00-14:55
料金:8000円
座席:8列4番
脚本:デイヴィッド・アーモンド
演出:ウォーリー木下
音楽:吉田 能
美術:青木拓也
照明:鶴田美鈴
音響:清水麻理子
衣裳:クリエイティブ・ギルド
ヘアメイク:鎌田直樹
映像:大鹿奈穂
振付:青木美保
演出助手:岸 京子
舞台監督:村田 明
舞台製作:クリエイティブ・アート・スィンク 加賀谷吉之輔
原作:『スケリグ』(「肩胛骨は翼のなごり」山田順子訳、創元推理文庫刊)
出演:
 スケリグ:浜中文一
 マイケル:大東立樹(ジャニーズJr.)
 ミナ:清水らら
 奥村佳恵、工藤広夢、金子昇、瀬戸カトリーヌ、
演奏:吉田能
ストーリー:
古い家に引っ越したマイケルは、荒れ庭のガレージの片隅で、ボロ雑巾のような「彼」を見つけた。ホコリと虫の死骸まみれの服、捻じ曲がった身体、その背中には奇妙なものが生えていた。彼の名前は「スケリグ」。
マイケルにはまだ赤ちゃんの妹がいる。でも重い病気で、パパとママは妹にかかりきり。マイケルは隣の家の女の子・ミナと一緒に、スケリグを助けようと秘密の活躍を始める。月明かりの中の冒険、廃墟に住むフクロウたち、小さな妹への想い、そして、とても不機嫌でとても不思議なスケリグのくれる奇跡――。無垢な心が見つめる生と死…、家族や友達との絆…、ファンタジックな世界から大切なものが伝わる、切なくてあたたかな救いのストーリー。

ーーーーーーーー
全員がマウスシールドつけての演技。
舞台はまるで廃屋。そこはぼろぼろになった家のガレージ。
上下二段になって上の段にはステンドグラスのような窓。
積み重なったがらくたを器用に使って上下移動してました。
窓の後ろから灯を照らして影絵の演出もあり。
オープニングは映像とキャストのきれいなコラボ。
物語に関与していないキャストは、周りをとりかこんで
ト書きを語ります。そして周りで踊る。歌はありませんが、
声は出しています。生演奏付きなので、ミュージカル成分高し。
時折舞台前に白い幕が垂れ下がって光と陰で魅せてもくれます。
上演時間の真ん中付近で劇場扉をあけて空気の入れ替え、その間は
幕をたらして影絵としてましたが、後ろで舞台上の空気も入れ替え?
スケリグは廃屋ガレージによろよろな状態で出現。なんだかわからない
この存在が、最後にはじんわりと泣かせてくれます。
マイケルは出ずっぱり、思春期の子供を見事で表現してくれていました。
ミナはどこかで見たことある、、と思ったらトッキュージャー
に出演していた方だったのね。どうりで身のこなしが軽い!
照明と影絵と映像を使った演出は見事なものでした。
BWでみたPeter and the Starcatcher にだいぶ雰囲気が似てましたね。
客席は 2空1空2空1 という形で空席をつくっていました。それでも
定員の半分以下。そして他人と横並びになるのが嫌だというと席を振替えて
くれます。劇場の前半分だけしか埋まっていなかったのはちょっと残念。

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題名:劇団文化座公演156「フライ,ダディ,フライ」
劇場:東京芸術劇場シアターウエスト
日時:2020年8月14日14:00-16:20(途中休憩あり、終演後アフタートーク)
料金:5500円
座席:M12(最後列中央)
劇団:劇団文化座
原作:金城一紀 
作:斉藤祐一 
演出:田村孝裕
出演:佐藤哲也 高橋美沙 藤原章寛 佐々木愛 ほか


舞台背景が灰色の階段、中段に左右の通路がありました。
そして真ん中に出入り口、中段の下方に二か所スペース、片方はテーブル、片方はベッド。
主人公は中年男、娘が高校生男に殴られたのに(しかも後にPTSD)、主人公は学校教頭に
示談を言い含められて金を押し付けられてしまうところから物語が始まりました。
普通110番するところですよね、でも固まってしまって何もできない。。
それで娘を守ってやれなかったといって包丁を持ち出す。そこでゾンビーズと出会って、
別の手段で戦いを行うことに。。相手はインターハイのチャンピオン、相手を殴るより
傷害事件立件して優勝取消のほうが相手にずっとダメージがあるでしょうに、なぜか
それをせずに自らの肉体で相手を打ち負かすほうを選びます。より困難な道に進むのは
自分との闘いとして見上げたものですが、娘を守る方法としてはかなり残念。。
それから一か月半、ゾンビーズの支援で肉体強化。あとでわかりますが、父親の進歩の
様子を娘さんにつたえていてそれで娘さんは多少なりとも癒されていたとのこと。
ゾンビーズたちの柔らかい対応が楽しい。娘さんとカラオケに同行していた友達から、
二人でカラオケしていたら犯人が乱入してきて無理やり誘い、嫌がる娘を殴った、という
ことがわかりました。証人がいるのだったらここで弁護士に相談ですよね。それも
せずにあえて困難な道に挑戦する主人公。
相手校の始業式に乱入しタイマン、見事にパンチをかいくぐって倒した後はぼこぼこ!
中年男のファンタジー炸裂といったところでしょうか。
警察や弁護士のことが思い浮かばないことを除けばウェルメイドなシナリオで、最後は
きれいにカタルシスとなりました。毎日定時のバスにのる乗客との交流もほんわか。
そして心に染みた言葉がありました。
「こんなことが人生に起こるとは思わなかったろ?残念だったな。せいぜい自分の半径
一メートルぐらいのことだけ考えて、のうのうと生きて死んでいけたら幸せだったのにな。」


アフタートーク
藤原章寛(朴舜臣役)
佐々木愛(おばあちゃん役)
佐藤哲也(鈴木一役)

藤原
  ゴッホが残り2ステージでなくなってしまい、すぐにステージに立ちたいという思いが
  あったがそれからひどいことになってしまった。
  稽古が始まってみると、芝居って楽しいな。このままできるといいなと稽古続けていた。
  ニュース見てるとこのままできるのか?不安を持っていた。
  中日もすぎて、生で客と対峙するのは良いものだなと改めて実感。


  少年たちが活躍する、デッドエンド、パール街の少年たち が好きで、
  いつか舞台化できないか思っていた。
  その時にこの作品とあたった。映画はみていない、原作から舞台化した。
  アクションがあるので、コロナの時期にで反社会的ではないかと言われるのを恐れた。
  しかし、やってはいけないことというかそういうことばかりに人々が縛られていくのは、
  病以上にひどいこと。  それゆえここでこの作品を上演。
  上演するためには非常に気をつけてさまざまな対策をした


佐藤哲也
  (肉体的にも精神的にもずっと出ていたので大変だとおもうが、ここが大変というのはどこ?)
  アクションけいこ3日間、その3日間で腰を痛めた。本当に全身筋肉痛になった。
  台本も出ずっぱりになっていたが、まさか本当にでずっぱりになろうとは。
  1幕はほとんど出ずっぱり。大きなけがもなくここまでこれた。

佐藤
  (気をつけていたことは?)
  石原というボクシングチャンピオンと戦いが終わるまで、常にストレスをためている
  自分で解放しないでためてためて、そして戦いの中でほどけていく、とやってくれと言われた。
  そして舞台に出ている人たちを信頼する。

藤原
  (舜臣役を気をつけていたことは?)

  高校の10分間読書ではじめてレボリューションズを読み、そこで朴の名前がでた。
  最初は完璧な人間かなと思っていた、だが、自分の自制心をコントロールするように
  本を読んでいた。そういう下地が感じられるようにしたい。

佐々木
  今回の公演が果たしてどうだったのか、これから旅公演に出る。
  東京の人が嫌われているそうで、それで演劇を続けることがどうなのだ?
  自分たちで考えられる、自分たちなりの正義で突き進んでいきたい。
  本当に忌憚のない意見を聞かせていただけたら嬉しい。
  全国の鑑賞会の皆さんから、コロナが去った後に人間が壊れてしまったら
  どうしようもないのじゃないか、という意見を受けている。
  いい道が探れたらいいなあと思っている。

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