今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:いのうえ歌舞伎「吉原御免状」
日時:2005年9月11日12:30-15:35(途中休憩あり) 場所:青山劇場 料金:S席10500円 座席:1階G-4(10列目左端近く) 劇団:SHINKANSEN☆PRODUCE 原作:隆 慶一郎(新潮文庫版「吉原御免状」より) 脚色:中島かずき 演出:いのうえひでのり 出演: 松永誠一郎(堤 真一) 勝山太夫(松雪泰子) 柳生義仙(古田新太) 水野十郎左衛門(梶原 善) 高尾太夫(京野ことみ) 柳生宗冬(橋本じゅん) 八百比丘尼(高田聖子) 幻斎(藤村俊二) 狭川新左衛門(粟根まこと) 三浦屋四郎左衛門(村木 仁) 野村玄意(逆木圭一郎) 庄司甚之丞(右近健一) 満員立ち見でした。新感線では初めての小説の舞台化。 宮本武蔵に育てられた捨て子が武蔵の遺言に従って吉原にやってくると、その時が ちょうど新吉原のオープニングデー。裏柳生と吉原の闘争に巻き込まれるばかりか、 実は自分の生い立ちに重大な秘密が。。。 いつもの新感線とは異なり、ストレートプレイの王道とでもいうべきウェルメイドな舞台。 痛快娯楽時代劇という範疇でしょうか、筋書きはしっかり、悪はとことんにくたらしく、 最後に斬って解決!客演の藤村さん、梶原さんが飄々とした隠し味を追加している 感じです。 基本的には回り舞台の上で格子を組み合わせて吉原の色々な店や通りを表現。 多少葦の原が出てくるのは吉原のすぐ外をしめしているのでしょう。 おいらんは豪華絢爛、そして美しい。殺陣はいつもにもまして迫力満点。得に最初 の見切りの殺陣はかっこいい。 普段の新感線とは違ってお笑いや歌がない分、いつもなら緊張と緩和が交互にくるのに 今回はずっと緊張しっぱなし。いったん死んだら蘇らないし(笑) それにしても主人公はもてますねえ。あんなふうに持ててみたい。 途中で時間を遡って傀儡の民の宴会シーンがあるのですが、ダンスとお人形だけで 曲芸はなし。なんか物足りないぞ(^^;;) 時代劇ファンなら見てよし(チケットが取れれば)、新幹線ファンだと、まあ見て いいんじゃないですか。でもいつものと違うので肩透かしを食うかもしれません。 これって新感線でなくてもいいのでは?というのが正直なところ。 ![]() ![]() 題名:LA STRADA 日時:2005年7月15日18:30-19:45 劇場:GALARPARKEN(2番目のAはウムラウト付き、ストックホルム) 料金:無料 座席:4列目センター右より 劇団:PARK TEATERN 原作:フェリーニ「道」 URL:http://www.stadsteatern.stockholm.se/pjaser/strada.asp 出演: Gelsomina: Siri Hamari Zampano:Bert Gradin Matto:Krister Lindgren ストックホルムには旅行者用の「WHAT'S ON」という無料情報誌がありました。これは英語と スウェーデン語による各種イベント情報が載っています。また演劇情報だけ載っている 「Stockholms Teater Guide」というパンフも入手して検討、こちらはスウェーデン語のみ。 すみからすみまで読みましたが、オペラもミュージカルもやってません;_;。筋書きをしらない ストレートプレイを見に行くと言葉の壁に敗退しそうです。いくつか候補をみつくろってホテル ロビーの公共PCでその作品の紹介ページを検索、もちろんスウェーデン語でかかれているので 英語への翻訳サイトを経由しての解読を行いました。「大道芸人が女の子を拾って、その子を クラウンとして立派に育てる」という粗筋が書いてあるものがあり、写真もいかにもかわいい おねえさんがマイムを行っている風。それがこの写真の La Strada. これから筋を追うのは難 しくないだろうし、そうでなくても芸を楽しめるかもと思って見に行くことに決めました。 ですが会場が野外で公園、まずそこがどこか探すことから行わねばなりません(^^;) 幸いなこ とにホテル近くの埠頭からフェリーで行けばすぐ、沈没船を丸々展示してあるこことで有名な ヴァーサ博物館の近くでした。PARK TEATERN は子供向けに野外でいろいろな公演を行って いる劇団のようです。同じ日にもっと遠い公園でダンスの公演もありました。 現場に着いてみると、公園の中に可動式の舞台と観客席が設置してありました。でも舞台は なんとなくずっとおかれている感じ。(実際翌日近くを通ったのですが、他で上演される予定 にも関わらず舞台はそのまま置かれていました) 前の方はパイプ席、後ろは芝生席で全部で400人くらいの観客でしょうか。入場無料。子供向け の舞台のはずなのにたいはんは老人(--;)芝居開始前には天使の羽をつけたキャスト(マット)が 観客席後ろの方でカードマジックを行っていたようです。私は前方4列目に座ってしまったので キャストの背中をみているだけでした。芝生席の人たちは完全にピクニックの装いでした。 芝居冒頭の口上(もちろんスウェーデン語)で「じぇるそみーな」という単語を耳にしたとたん フェリーニ監督の映画作品「道」を原案にしていることが判明(^^;) たしかに大道芸人が女の子 を拾う話だわ。何十年か前に見てるので筋書きはなんとか追えました。 最初は白塗りしてピンクのコートを着たおばさんが客席の中ほどに座って観客らしき人と話を はじめました。この方がヒロイン?!でも写真よりはだいぶトウがたっているような。。。 はい、この人がジェルソミーナだったのです(^^;;) 最初に見た時はすごく老けて見えたのに 演技を見ると初々しい少女に見えるのはさすが役者です。 ラッパを吹いて前方で前説がはじまります。もちろん何もわかりません(^^;;) 跳ね上げてあった 舞台を下ろして物語のはじまり。BGMは時々舞台にもあがるドラマーひとりと録音によって 奏でられました。大道芸人のザンバノがジェルソミーナを袋に詰めて舞台に上がります。 芸を仕込むザンバノ、舞台の屋根の上でローラーに乗りながら演奏するマット。軽業師の マットは非常に身軽でバーやロープを使って舞台と天上を簡単に行き来してました。鴨と猟師の コントの練習とか、ほとんどマイムで笑わせるネタばかりなので言葉がわからなくても思わず にやり。食堂のシーンとか笑えました。背景説明もほとんどマイムなのでけっこうわかりや すい。さすが子供向け。劇中コントの鴨と猟師の本番では客席から大きな拍手があがって ました。帽子を回してましたが、あの時ほんとにお金をいれた客はいたのでしょうか? 町から町へザンバノたちが動くのについていくマット。背景を手前に抱えて、内緒でついて いってることを示してます。時々ジェルソミーナをからかうマット、マットがジェルソミーナ からハットを取り上げてハットジャグリングをしてからかっている時に、手を伸ばして取りに いかずに足元を踏んづけて取り上げたのはすごくタイミングがよくて笑ってしまいました。 タイヤ4つを持ってきてマイムで自動車に乗るマット、邪魔に思ったザンバノがとうとう マットを殴り殺してしまいます。そして自動車もばらして死体も隠して証拠隠滅、マットは ここで開演前の羽根をつけたかっこうになるのでした。最後はジェルソミーナとザンバノが 分かれてしまい、物悲しく終幕。 大道芸ネタとしてはほとんどがマット、舞台屋上でのローラーにのっての演奏、二人が前後に 並んでの二人羽織風3ボールカスケード、帽子を入れたランアラウンド、帽子ひとつの技いくつか、 短いモップを両手に持った状態で手を上から背中を通して下に抜ける、それに5ボールカスケード すこし。もちろん「道」お約束の鎖切りもありました。二人羽織風カスケードが秀逸で、前の人間 (ジェルソミーナ)は後ろの人間(マット)の両手を外側から握っているだけなのに、まるで自分 がカスケードしているように見えました。時々手をはずして額の汗を拭っているのもきわめてコミ カルに見えます。やってることは単純なのに動きが非常にスムースなので美しいのでしょう。 芝居を見に行って筋書きが分かって楽しめた上に大道芸まで楽しめたという一石二鳥の経験でした。 ねらってもこれほど私にぴったりの舞台に出会うのは難しかったでしょうね。雰囲気を満喫 しました。 |
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