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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:Knife
劇場:KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
日時:2020年12月6日13:00-14:10
料金:一般4800円
座席:D列13番(2列目センター近く)
演出:小野寺修二
出演:大庭裕介、梶原暁子、崎山莉奈、雫境、藤田桃子
   ミン・ヌヴァン、リウ・ジュイチュー、小野寺修二
美術:原田愛
照明:吉本有輝子 
音響:池田野歩
衣裳:武徳ドァンフン
舞台監督:岩谷ちなつ
解説:
セリフの介在しない舞台
このコロナ禍にあり、状況の近しさとして、モーパッサン著『脂肪のかたまり』に目が向きました。短編は、何を糾弾するでも倫理を正すでもなく終わります。数の力、人の意志の脆弱なこと、オセロの盤が一変するような。今回この小説から、着想を得ています。
ここのところ、実感が持てないことが通り過ぎ、せめてもの態度でわからないことをわからないと保留する日が続いています。昔、日本にきたフランスの騎馬オペラ「ジンガロ」で観たガチョウの群。僕の脳裏に鮮烈なイメージとして残るその群は、各々がその目の前の一羽に、疑いなく付いて進んでいるのでした。

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コロナ陽性発生のため、一週間遅れで会場をかえての開催でした。
キャスト・スタッフの皆様、どうもご苦労様でした。
まっくらな舞台、足が欠けて傾いた机に椅子。真ん中に扉。
全員真っ白な衣装を身に纏い、黒の中を動くのです。
どんよりしたBGMとあいまって悪夢の中の1シーンか
ダリの世界に紛れ込んだみたい。
扉から出てきたりひっこんだり、くるくるまわったり。
机を壁に変化させてそこをたたいたり、椅子を積んでみたり
椅子取りゲーム?バスに皆で乗り込んだかと思ったら
すごい運転でどたばたしたり。
偉い人の前にでるのをためらって皆でおしあっこ?
もっと偉い人にパスポートのようなものを
ためらいながら見せたり。全員で食卓をかこんだり、
会議をしたり、会議は踊ったり走ったり。そしてダンス。
最後はひとりだけ真っ赤な衣装を装着!
テーブルをひっくり返してそこに草が生えている中を歩み去ります。
なんだかマイムの技法を使った不思議な踊りで異世界を描いたようでしたね。

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題名:十二月大歌舞伎第三部傾城反魂香土佐将監閑居の場
劇場:歌舞伎座
日時:2020年12月3日16:00-17:10
料金:8000円
座席:1階 8列 21番(8列目どセンター)
作:近松門左衛門
出演:
浮世又平:勘九郎
女房おとく:猿之助
狩野雅楽之助:團子
土佐修理之助:鶴松
将監北の方:梅花
土佐将監光信:市蔵

後方左右は客がはいっていません。
客席市松模様なうえにこの入りだとかなりつらいでしょうね。
冒頭で修理之助が虎をかき消すところのSFXが凄い!
虎は煙幕に包まれて跡形もなくなりました。修理之助凛々しい。
又平真面目で切ない、おとくは柔らかく優しい女房殿、いい夫婦。
どもりによる意思疎通ができあい切なさがとてもよくつたわってきます。
悲しいパントマイムをみているよう。それがリズムに乗ると語れるとは!
最初からそうしてろよ!と突っ込みたくなりませんか?
おとくによるどもりの代わりの長台詞が聞かせます。
終盤、又平の踊りが見ごたえ満点、おとくの鼓も聞かせてくれます。
夫婦仲の良さ、どん底からの大逆転、見せ場も多いし、再演されるのがわかります。
しかし、なんで付届とか見当違いのほうばかりやっていて本業やらないかね >又平





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題名:あんまと泥棒
劇場:本多劇場
日時:2020年11月28日17:00-18:15
料金:5500円
座席:I列14番
脚本:村上元三
脚色・演出:倉持裕
出演:南原清隆、近藤芳正
<あらすじ>
夜更け、泥棒・権太郎(近藤)は、あんま・秀の市(南原)の家へ泥棒に押し入る。
権太郎は、秀の市が高利貸しの烏金を貯めていると噂を聞きつけ、秀の市に金を出すように迫る。
しかし、秀の市はしらばくれて、利息はもらっているもののほとんど貸し倒ればかりだと言い逃れる。権太郎は金のありかを白状させようとするが、秀の市はとぼけるばかり。
やがて、二人は台所にある焼酎を飲み始め、お互いの身の上話を始める。
そのうち、日が昇り始めるので、権太郎が家の中を物色し始めると、位牌が出てくる。
すると、秀の市は死んだ女房に仏壇を買ってやりたいが、金が貯まらないと言って涙を流す。これを気の毒に思った権太郎は、盗みを諦め、秀の市に金まで与え出ていく。
これに感謝する秀の市だが…。

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客がそれなりにはいっているのは私の一つ後ろの列まで、そこから後ろ
はまばらにしかはいっていません。有名なキャストでもこうなのか。。
開演前に黒子の姿で出てくるふたり、単純に演じてしまうととても短い
芝居なのでトークなどで時間を伸ばすのだそうで。。
物語はずる賢いあんまとバカな泥棒の噺。あんまに丸め込まれた泥棒は
金をとるどころか金を置いて帰ってしまいます。
最後は一応あんまの正体がバレて幕。「手ぬぐい奉行」とか世相も
少し追加されていました。
もともとが放送劇だそうで、かなりわかりやすい筋書き。たしかに最初
からきっちりやったらあっというまに終わってしまいますわ。
かならずしもつまらないというわけではないですが、より安価・より
小さい劇場で目の前で見るというのがあっている作品だと思いましたね。
飲みながらがやがやしながら見てみたい。
カーテンコールでは、ふれあいができないから写真撮っていいです!
ちゃんとスマホの電源切っていたので立ち上げるまでに撮影タイムが
終わってしまいましたOrz

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題名:PARCO劇場オープニング・シリーズ『迷子の時間 -語る室2020- 』
劇場:PARCO劇場
日時:2020年11月28日14:00-16:15
料金:12000円
座席:R列21番
作・演出:前川知大
出演:亀梨和也 貫地谷しほり 浅利陽介 松岡広大 古屋隆太 生越千晴 忍成修吾
解説:
主演の失踪した子供の叔父で奇妙な幻覚に悩む警察官を、ストレートプレイ初となる亀梨和也。そして、警察官の姉で、失踪した息子の母親役を、映画、ドラマ、舞台と多くの作品に出演し、18年の現代能楽集Ⅸ『竹取』以来2年ぶりの舞台出演となる実力派女優 貫地谷しほりが務めます。
さらに、父の死を知り実家を目指すヒッチハイカーを、時代劇からコメディーまで幅広いジャンルで活躍する浅利陽介、帰ることのできない未来人を、『恐るべき子供たち』や『ねじまき鳥クロニクル』で好演し、目覚ましい活躍を見せる松岡広大、奇跡を信じて嘘をつき続ける霊媒師を、平田オリザや松井周演出作品に多く出演する古屋隆太、浅利演じるヒッチハイカーの妹で遺品から亡き父の秘密に迫ろうとする娘を、舞台を中心に活躍の幅を広げている劇団モダンスイマーズ所属の生越千晴、そして、幼稚園送迎バスの運転手で失踪した弟の帰りを待ち続ける兄を、様々な作品で印象を残し続ける忍成修吾が演じます。
【あらすじ】
田舎町、ある秋の日の夕方。
人気のない山道で、一人の園児と幼稚園送迎バスの運転手が姿を消した。
バスはエンジンがかかったままで、争った跡はなかった。
手掛かりはほとんどなく、五年経った今も二人の行方は分からないままだ。
消えた子供の母、その弟で最初に現場に駆けつけた警察官、消えたバス運転手の兄。
それぞれが思いを抱えながら向かえた五年目のある日、三人が出会った人たち……
奇跡を信じて嘘をつき続ける霊媒師、
帰ることのできない未来人、
父の死を知り実家を目指すヒッチハイカー、
遺品から亡き父の秘密に迫ろうとする娘。
彼らを通じて、奇妙な事件の全貌が見えてくる。
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舞台後方にはうっそうとした雑草が生えています。
そしてかなり高い金網の柵、左には電柱、丸テーブルに木の机。
右には柵の内側?客席寄りに古ぼけた部屋、待ち合わせ場所?
と思っていたら交番でした。中に木の机。
柵も交番も場面によって移動するのです。

物語は田舎での神隠し。
登場人物が全く関係のないばらばらな人たちにみえて
実はみなつながりがあったというウェルメイドな物語。
出てくる登場人物、いずれも一癖も二癖もあるような連中
ばかり、実際に隠されている背景があり、、、
タイムトラベラーが二組、それさえ納得してしまえば
とても首尾一貫している物語でした。
最後にすべてがつながってカタルシス、という雰囲気。
貫地谷さんひとり芝居感もあり、ダークサイドな役割を
一身に集めていました。そこだけ見たら完全なホラー。
でも全体はウェルメイドでほんわか、うまい作りです。
このシナリオは最初イキウメで演じられたそうで、初演
みてみたいなーと思ってロビーでDVD(とパンフ)買って
帰りました。

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題名:女の一生
劇場:新橋演舞場
日時:2020年11月26日12:00-14:55(途中休憩あり)
料金:一等席13000円
座席:1階2列31番(1列目はすべて空席、上手より)
作:森本 薫
補綴:戌井市郎
演出:段田安則
出演:
布引けい:大竹しのぶ
堤 栄二:高橋克実
堤 伸太郎:段田安則
堤 ふみ:宮澤エマ
職人井上:森本健介
堤 総子:服部容子
堤 知栄:多岐川華子
野村 精三: 林翔太
堤 しず:銀粉蝶
堤 章介:風間杜夫
<物語>
明治38年(1905年)日露戦争の後―日本がようやく近代的な資本主義国の姿を整え、同時にその動向が世界の国々と絶ちがたく結び合い、影響し始めた時代。戦災孤児の境涯にあった布引けい(大竹しのぶ)が、不思議な縁から拾われて堤家の人となったのは、そんな頃である。
清国との貿易で一家を成した堤家は、その当主はすでに亡く、後を継ぐべき息子たちは まだ若く、妻のしず(銀粉蝶)が義弟・章介(風間杜夫)に助けられながら、困難な時代の一日一日を処していた。甲斐甲斐しい働きぶりを見せるけいは、しずに大変重宝がられた。同時にけいと同様に闊達な気性の次男・栄二(高橋克実)とも気性が合い、お互いに ほのかな恋心を抱くようになった。
そのけいの思慕とは裏腹に、しずは跡取りであるべき長男・伸太郎(段田安則)の気弱な性格を気がかりに思い、気丈なけいを嫁に迎えて、堤家を支えてもらう事を望んだ。しずの恩義に抗しきれなかったけいは、伸太郎の妻となった。
けいは正真正銘堤家の人となり、しずに代わって家の柱となっていく。担い切れぬほどの重みに耐えながら、けいはその「女の一生」を生きるのである。
時は流れて昭和20年・・・。二つの大戦を経る激動の時代を生きて、今、焼け跡の廃墟に佇むけいの前に、栄二が再び戻ってきた。
過ぎ去った月日の、激しさと華やかさを秘めて、二人はしみじみと語り合うのであっ た・・・。
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たぶん45年ぶりの「女の一生」鑑賞。前回は学校からの団体鑑賞。感想文書かされた。
最初の場面ではばあさん、そしてその後の場面では小娘、このギャップが凄い。
ほんとに小娘に見える大竹しのぶさんは偉大なり。(前回見たときは、小娘というには
無理がある、、と感想に書いたのを覚えてる。きっとそれは小娘のような歳だった
ためでしょう。今思い返すとかなり化けていたのではないかと。。)
段田さんは学生服が全く似合わない、若さがない?高橋さんはそれなりに見えるのに。
結婚後のけいの力強さは異様、無敵な女主人といった風情。前回見たときは
元気でチャキチャキなけいでしたが、今回のほうが貫禄あるよう。
力強いキャストばかりで、ぐいぐい突き進む物語。あっという間に一幕が終わりました。
ダレ場がないのですね。
2幕にはいるとまた一段とふけるけい、良かれと思うことをやっても家族がどんどん
離散。腕力だけでは求心力にかけるという悲しみを見事にしょっています。
夫が帰ってきたときに倒れて手を握りしめあう、という場面はほんとに老夫婦。
そして最初の場面に戻り、いろんな意味で振出しに戻る。
あっというまの3時間でした。力強い脚本に力強い役者たち。
カーテンコールはキャスト総出、いままでは大竹さん高橋さんの二人だけだったそうです。
「本当に千秋楽までできてよかった、舞台は客と共に作るのだということがよく分かった」
という大竹さんの言葉に泣きました。キャスト皆さんも目を赤く腫らしていましたね。
大竹さんの段田さんを前に突き出して喋らせました。
「本当は客席に降りて一人ずつ握手したいぐらいなんですけどね。この状況なんで、高いところから失礼します」
本当に千秋楽までできて、見られてよかった。

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