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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:水府流大神楽流派の会公演 「燈々代々」
日時:2009年10月17日18:30-20:50(途中休憩あり)
劇場:国立演場
料金:当日3000円
座席:8列21番(劇場まんなか付近で右端近く)
演出:北川央
番組:
  寿獅子舞頭:翁家小楽、後:翁家和助
  和洋ジャグリングショー:
    ザ・ラッキー 幸治・舞・優
    豊来家社中 玉之助・一輝  
  古典曲芸
    柳貴家社中 正楽・雪之介・遊雪・正弥
  漫才 あした順子・ひろし
    お仲入り
  口上
    翁家和楽・ザ・ラッキー幸治・柳貴家正楽
  茶番と曲芸
   翁家社中  和楽・小楽・和助・小花
  鍾馗舞
    鍾馗大神:柳貴家正楽
    鬼:翁家和助



情ないほぼ満員。客層の大半がお年寄り、若い人はあまり見えません。
客席では私がかなり若いほうになるでしょう。劇場ロビーには獅子頭と曲
芸の道具、それに色々な写真がかざってありました。



オープニングは寿獅子舞。私が知っている獅子舞とは逆回りなのが興味深い。
最初に御幣2本を使い、次に1本鈴に交換しました。演者が2人→1人→2人、
後半では袴をぬぐなど、筋書きや振付も江戸太神楽と似ているところもあり、
いとこくらいの間柄かなあとなんとなく感じました。眠りのところが客に
とても受けていました。

次が和洋ジャグリングショー。
まずは玉之助さんの皿回し、朱塗りの大皿を額に乗せて初日の出。
5枚まわしてホルダがついたスタンドにたて、それを持ち上げ!
舞さんはかわいい。幸治師匠と親子による組体操、咥え撥によるパッシング
をみせてくれました。
なかでも素晴らしかったのは一輝さんの咥え撥土瓶の曲!
咥え撥の上に土瓶を置いた状態ですたすた歩き回るところから始まりました。
絶頂止めで落として額から流血してしまったのですが、そこで気合いがは
いったようでものすごい技の連続。
空中で一回転を連続、そして2回転!
半回転して持ち手と土瓶の間に撥をいれて土瓶の口でさかさまに立ったと
思いきや、撥へと戻りました。ネックキャッチから元へ戻し、今度はヘッド
キャッチでストール、そこから側頭へ転がし、そこから撥へと戻りました。
何度か失敗した後に空中で一回転する間に1回転ピルエットが決まりました。
最後は土瓶が半回転して持ち手で撥の上に立ってました。
重心さえあえばバランスするというのは頭でわかっていても、目の当たりに
すると大きな驚きを感じます。良く見たアイテムにおいても、まだまだ知ら
ない世界が広がっているのだということを思い知らされました。本当に見て
いうて鳥肌たちましたよ。この土瓶だけに今回の入場料払っても全然惜しく
ありませんでしたね。
古典曲芸の冒頭は客席後方から、一行が提灯などを持って入ってきました。
五階茶碗では、江戸だと「月見の団子」と言っている技が「相生比翼の鞠」
傘の立てわけでは決めポーズは腕組、骨で立てた後は傘をはね上げて空中で
1/4回転。親指試しを「指紋試し」、月にさざ波を「朝顔の咲き分け」、
えーと茶碗は回さない?
曲芸の中に卵落としもあり、これは昭和30年ごろに導入されたのだそうです。

そして一番の見どころは出刃皿。出刃の上で皿を回しての曲芸です。
湯呑み茶碗の中に皿回しを立てて、その茶碗を下から出刃で支えると茶碗が
回り始めるのはなかなかおもしろい絵になりました。出刃2本が柄の部分に
互いにはまり込むような細工がしてあり、事実上両端に刃がついた棒として
扱っていました。組み合わせた出刃の上で皿を回しておいて、いろいろな
パターンを行います。刃先にとめる芸、刃の峰にとめる芸が一瞬で終わった
ところをみると相当に難しいのでしょう。
万燈もあり。相当に大きなこしらえものを組み立てていってバランスした
状態で手を一振りするといくつもの扇のようなものがぱっと開きました。
上に乗ってつながっていないものとしては茶碗4個が識別できましたが、
他にも?すごく大きな物で持つだけでも大変そう、派手さがかっこいい。

ゲストはあした順子ひろしの漫才。ひろし師匠は87歳、まだまだ声がでて
動けるのは素晴らしい。100歳を超えても高座で拝見したいものです。

仲入り後は番組では口上となっていましたが、和楽師匠芸歴65周年と
いうことで和楽師匠を囲んだトークショー。
順子師匠曰く「師匠がかわいくて泣かしたことある。曲芸うまいが、踊りが
下手。口説かれたこともある。私が踊り子で5人で進駐軍に営業に行ったときに
フラダンス踊ったら警官に捕まった」場内大受け。
最後に大神楽の未来について皆さんから一言。
ラッキー師匠
  弟子ががんばってくれている
正楽師匠
  大神楽だけに目を向けるのではなく全体の演芸のどこにいるのか目を向けてほしい
和楽師匠
  親から言われていたのは稽古100回舞台1回、稽古が第一番
  曲芸だけではなく、獅子舞、茶番ひとつひとつをしっかり学んでいってほしい


口上後は曲芸と茶番。和楽師匠が後期高齢者向けトーク?と共に投げ物の曲芸。
次に茶番、忠臣蔵三段目人情松の廊下、どつきコントでした。
花籠鞠は小花さん、軽々と籠を振っている姿が美しい。
鞠をあげている間に籠を半回転させてキャッチさせる技を「ひねり籠」
「弁慶はななもどり」という名前が耳に残っているのですが、いったいどんな技
だったのか思い出せません。
それから一つ鞠、ナイフのパッシングがありました。

トリは鍾馗舞。正楽師匠が、仮面と髭をつけて鍾馗さまを演じ、御幣、刀、鈴を
用いてお祓いをおこなっているかのようでした。
最後に鬼が出てきて、豆をまいて退治して御開き。

素晴らしい曲芸あり、重厚な舞あり、なかなか楽しめる舞台でありました。
とくに土瓶はまた見たいなあ。万燈欲しいです。

ところでパンフレット内北川先生の「演出にあたって」の中に、、
--ここから引用--
しかし、近年の研究の進展により、水戸大神楽は伊勢・尾張双方の
大神楽とはその流れを全く異にし、摂津・西宮神社の戎信仰の普及
に携わる大神楽であったことが明らかとなった。
--ここまで
これはびっくりです!きっと論文を読みたい!!

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