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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:アジア演劇講座第三回タイ演劇まるごとツアー
日時:2009年11月18日19時-20時半
会場:東京芸術劇場中会議室
料金:500円
主催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団)
講座内容:バンコク・シアター・ネットワーク(BTN)のプロデューサーが最新の
タイ現代演劇事情をご案内します。演劇に関する一般的な情報から、公演
チケットの買い方、劇場への行き方、タイならではの観劇マナーなど、ここ
でしか聞けない情報満載の講座です。(日本語通訳付)

バンコクシアターネットワークプロデューサのインティープさん?による講義
でした。通訳付き。バックグラウンドビデオとしてバンコクシアターフェスティ
バル2006の様子が映し出されていました。ビデオにはダンス、マイム、ジャ
グリング(5バウンズのカップル)などなんでもありの風景が映っていました。

現代演劇はタイでは30年前に誕生した。私は伝統舞踊がすぐ近くにある環
境で育った。自宅の裏に有名な伝統舞踊の団体があり、メンバーたちは夕
方になるときれいないかっこうをして、当時もっとも高い建物だったところで
ダンスをしていた。その頃タイの伝統舞踊団体以外にも歌いながらお芝居を
する団体もあった。それらの舞台が演じられるのは夜の9時以降、働いてい
る大人が見に行っていた。子供や若者たちの娯楽は映画館。
1970年代にはいると海外でロシア人スタニスラフスキー、ドイツ人ベトロプリシ
といった先生たちに海外で習って、タイの大学や教育機関で現代演劇を
教える先生がたくさんでた。ただし、自分で脚本を書いて演劇を上演するこ
とはしなかった。上演するのはマイフェアレディ、ハムレットとか全て翻訳もの。
タイの東北地方の方言を使ったマイフェアレディがあった。
当時劇場がほとんどなく、上演できる場所は語学研修機関など一部に限られ
ていた。1973年頃にはタイでは学生運動が盛んな時期。タイの学生による日
本製品不買運動があった。米国に対する反対もあり、反政府の演劇もあった。

「ラコンジョーラユ」という演劇用語がある。即興のことで、何をするのか、誰が
どの役を演じるのかその場で決め、観客も巻き込むかたちで物語が進む。政
治に対する不満、政治情勢などが演じられた。タイの大衆演劇であるリケイも
ラコンジョーラユのひとつ。
他にもタイ南部地方にある代表的な伝統劇 マノーラ 旅芝居、北部地方 
ジョイントソー たき火を囲んでその場で話をする、等がある。噂話を交えて、
演劇風にいろいろやり、その場はコミュニティとして盛り上げる。
そうすることにより芝居をやる本人と社会との関わりをもつことができるようになる。

タイで行われる演劇の形はいろいろ。現代演劇をとりあげると、伝統舞踊を取り
いれているものや、リケイを盛り込まれているものもあり、自由自在にアレンジし
ている。演劇を通して、観客とのコミュニケーションをはかることができるかどうか
が一番大切、そしてどんなメッセージをこめるかどうか。
演劇することは人とのコミュニケーションをはかることである。

タイの演劇の歴史の中で重要なできごとがあった。
バンコクにあるモンティエンホテルに1980年当時は劇場があった。
この部屋の半分くらいの面積でとても小さい劇場だった。モンティエントン劇場で
お芝居をできる人は才能に優れていた。学生も参加していた。
朝かえりで劇場から出る、夕方になったら劇場、朝には学校へいく、夕方には
劇場で働く、ホテルで寝泊まり。何年間も泊まり込みで仕事していた。
タイの風習ではホテルに女性一人で止まることがないのでとても異例。
モンティエントン劇場は同一作品を最低3ヶ月上演しつづけていた。人気ある
作品だと1年間。チケットの販売もいまとちがう。チケット売るのではなく、ホテルで
ドリンクを買うと券が1枚ついてきた。1987年にこの劇場がなくなった。それはタイ
のTVドラマが普及したため。それまでのTVドラマはつまらないものだった。
大衆の興味は、TVドラマ、歌に移って行った。演劇の場の提供もすくなくなって
いった。場を提供していた、ドイツの語学研修機関も古くなって移転。
英語の研修機関においてももサポートなくなる。

1995年、当時はバブル崩壊のころ、タイ人はTVドラマにあきるようになった。
そして演劇がまた復活。1995-6 に演劇団体誕生、各劇団の交流ができる。
BBB、バンコク・バリ・ベルリン、三カ国の間で代表的な役者を呼んで舞台を
作るという活動があった。

1998年にはバンコクにある国際交流基金主催のプロジェクトで野田秀樹さん
がタイにきた。グループで赤鬼を手がける予定で、タイ人を2ー3人選ぶために
きた。結局、野田さんは14人選んで日本につれてきた。
オーディションをやるのが通常なのだけれど、各演劇団体に平等にチャンスを
与えるということで、ワークショップをやって各劇団から代表者がきて、野田さん
が選んだ。赤鬼という作品についてはバンコクで何度も上演されている。
1998年には野田さんら日本側との交流がふかまり、関係者が集まって、皆で
ネットワークを作りコミュニケーションをもっとはかりましょうよということで、バンコク
シアターネットワークが確立した。タイ演劇に関する関心を寄せてもらう、映画
スポーツコンサートに負けないくらい寄せてもらう、というのが設立の目的。

現在はタイでは主な演劇は3つのカテゴリに分けられる。
主流の演劇は1000ー1200収容の劇場で、人気の高い俳優や歌手を使う、
スポンサーもつく、チケットが高い。1枚2500バーツ。
主流の演劇は芸術性にすぐれたものではない。一般の人にうけるため、俳優に
金をかけている。
次がバンコクシアターを代表とするような500-700名の劇場における演劇。
芸術性にすぐれたものが多い。芸術性を売りにする俳優がよく出演している。
1枚1500バーツ程度。
最後がBTN(バンコクシアターネットワーク)に属する劇団、規模的に一番小さい。
ひとりで運営する劇団もいる。基準としては各劇団には少なくとも10-20名の
メンバー、毎年少なくとも一つの作品を上演。上演しない場合でも、1年演劇を
教えている、とか条件がある。本業を別に持っていて興味を持っているから通
常の仕事以外にもお芝居をやりたい、というときにお芝居をやるということも可能。
50くらいの劇団がある。赤鬼、農業少女は1枚500バーツ。それでも今までで
一番高かった。市場の中で劇場を作ってしまった例がある。芝居はやるたび赤字。
2階建てで、2階は劇場、1階はワッフルや、時々タイマッサージ。
小さな劇場なのだけれど、自分たちで自立できるように運営していこうという劇団
がいまのところ、4ー5つある。コミュニティにすんでいる近隣住民と交流できるの
がよいこと。それぞれの劇団が持っている劇場をレンタルする事もやっている。

バンコクシアターフェスティバルは毎年行われており、通常は11月。今年は早めで
10月にあった。一挙に60作品程度が上演。料金は見た後の寄付。フェスティバル
は発表の場、情報交換、相手の作品をみてがんばらなければならない、自分に
対する向上心を高める、など色々な効果がある。


☆質疑応答

2007年にBTFへ行って、30-40名で一杯になるような小さな劇場で演劇をみた
とき、必ず英語の字幕がついていた。中には日本語字幕までついていたものも
あった。BTFは常に字幕つきなのか?


タイで上演されるものはタイ語のみ。
外国人に見にきてほしいというものは英語字幕つけることがある。あるいは日本
語字幕。タイ人の観客の中には字幕に集中してしまうという声もある。
赤鬼は字幕がでる。農業少女はイヤホンガイド。
イヤホンガイドなしでも何か感じられるのか、試みてほしい。


500バーツは日本円でいくら?タイの方々の生活レベルからすると適正?
補填をしながらの500Bなのか?


1200円くらい。映画料金は120ー150バーツ。それに比べると500バーツは高い
印象があった。ただしなぜ500にしたかというと、話の内容は原作は日本人が書
いたものだからバンコクにすんでいる日本人に見に来てほしかった。いなくはな
かったが、かなり少なかった。一般のタイ人から受け入れられないだろうなあとい
うことがあった。
演劇に関する関心が薄いのか、タイ人の芸術鑑賞文化。映画館に行ったら何か
食べながら見る。夜上演するお芝居は、劇場内飲食禁止なのでおもしろくない。
リケイ、通常は切符うらない。おもしろいなあと感じられるとおひねりを出す。
10万バーツまでお捻りを出す。ベンツを買ってくれた人もいた。
前売り買ってもらうより、最後に帽子を回す方が効果的だった。
場合によってはお芝居の中に2万バーツくれた観客もいた。


前売り買ってきてみてくれる客層は?売り切れは?


前売り券ははっきりとはいえないが、まず売り切れの心配はない。
ちけっとぴあとか切符を買うよりも直接販売する人と電話をして電話予約。
毎回BTFを行うために、バンコク以外の劇団も参加、チェンマイとか、BTN
の運営に携わっているのがバンコクにいる人間に限られる。
タイ全国から参加してほしいと願っている。時々チェンマイでもフェスティバル
がある。


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