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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:「見えない/見える」ことについての考察
劇場:横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
日時:2020年10月17日14:00-15:25(途中休憩あり)
料金:土日料金7000円
座席:
[演出・振付・出演]森山未來
[キュレーション]長谷川祐子
[テキスト]
ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」(翻訳:雨沢泰、河出書房新社刊)
モーリス・ブランショ「白日の狂気」(翻訳:田中淳一ほか、朝日出版社刊)
[共同振付]【共同振付】大宮大奨
[企画・制作・主催]サンライズプロモーション東京
解説:
《見えない/見えることについての考察》はノーベル文学賞作家ジョセフ・サラマーゴの『白の闇』という小説から着想を得たテキストのリーディングを中心としたパフォーマンスです。ある日人々が突然視力を失う、それはいわゆる「黒い闇」ではなく、ミルクのように圧倒的な白い闇なのです。人々はパニックに陥り、弱者と強者の立場が入れ替わるなどの混乱がおきます。最後は視力を取り戻すものの、この体験を通して彼らは、見えることと見えないことの境界をリセットし、不確かな現代の中で本当に見なければならないものについて再考するのです。
この『白の闇』に、モーリス・ブランショ作の『白日の狂気』がメタテキストとして絡まってきます。これは強い光で視覚を失いそうになること、すべてが見えすぎることによってかえって見えなくなることを比喩的に語っています。明滅する光の残像の中に浮かび上がる森山未來の身体と、透徹した声で読まれる2つのテキストの響き合いは、未知のヴィジョンへと観客を誘っていきます。
ーーー(初演時概要より引用キュレーター・長谷川祐子)

整理番号順入場の自由席でした。
緊急事態宣言以降の初めての密な配席、左右後方は多少空席がありましたが、
9割程度の入り。森山未來さんならチケット瞬殺だと思ったのですが、、、
入場者全員にイヤホンガイド?が配られました。
舞台の真ん中に椅子、書見台、両側にパラソル型反射鏡がついたストロボ
ライト、真前にカメラ。
舞台が暗転されて朗読がスピーカーから流れはじめました。マイクで朗読を
拾ってスピーカーで流していたかと思うと、いつのまにか録音再生に代わって
いたり、そうかとおもうと肉声で話したり、イヤホンの中から声が聞こえて
きたり、いろんなものが多重に聞こえてくるのです。そして読書テキストは
皆が視覚を失った世界、それも漆黒ではなく、真っ白な闇?に包まれる。
目が見えなくなった人たちがあつめられているようです。舞台の後方には映像。
朗読のあいまにストロボを客席に向けてたいたり、時々踊ったり。。
このダンスがとてもとてもシャープ、動き出すと素晴らしく美しい。
なんだか不思議な世界にはいりこんでしまったよう。
インターミッションありでしたが、イヤホンガイド?に番号が張られており、
別にマジックテープ付き番号札があって、それを座席にはって退出という
仕組みで同じ座席に戻るようにしむけていました。
様々な音声で情報が伝わり、見えているものがどのように関係してくるのか
取りとめもなく考えながら、自らが不思議な世界へ入り込んでしまったような
気がしましたよ。ある意味情報過多なので、二度見たら違うものが見えるかも
しれません。

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題名:ミュージカル『生きる』
劇場:日生劇場
日時:2020年10月15日13:30-16:00(途中休憩あり)
料金:13500円
座席:GC階 A列13番
作曲・編曲:ジェイソン・ハウランド
演出:宮本亜門
脚本・歌詞:高橋知伽江
出演:
渡辺勘治:市村正親(ダブルキャスト)
渡辺光男:村井良大
小説家:新納慎也(ダブルキャスト)
小田切とよ:May’n(ダブルキャスト)
渡辺一枝 :唯月ふうか(ダブルキャスト)
助役:山西惇

   川口竜也 佐藤 誓 重田千穂子
   治田敦 林アキラ 松原剛志 上野聖太 鎌田誠樹 砂塚健斗 高木裕和 福山康平 飯野めぐみ あべこ 彩橋みゆ 五十嵐可絵 石井亜早実 河合篤子 中西彩加 竹内真里 高橋勝典 市川喬之
STORY:
役所の市民課長・渡辺勘治(市村正親/鹿賀丈史)。
早くに妻を亡くしてからは男手一つで息子の光男(村井良大)を育てあげ、今は息子夫婦(光男の妻・一枝(May’n/唯月ふうか))と同居している。毎日毎日同じことの繰り返し、いわゆる“お役人”気質な助役(山西惇)を筆頭とする役所で、淡々と仕事をこなす日々である。
ある日、渡辺は自らが胃がんであり、残りの人生が長くないことを知る。自らの生涯を振り返ると、そこにあるのは、意味あることを何ひとつ成し遂げていない人生。愕然とした渡辺は、現実逃避のために大金をおろして夜の街に出る。しかし、30年間真面目一筋を貫いてきた渡辺には、金の使い道すらわからない。
そんなとき、一人出向いた小さな飲み屋で、売れない小説家(新納慎也/小西遼生)に出会う。渡辺の境遇に興味を持った彼は、“人生の楽しみを教えてやろう”と宣言し、2人は盛り場を何軒も渡り歩く。しかし、渡辺の心は一向に晴れず、募るのは虚しさばかり・・。
その翌日、渡辺の元を訪ねてきたのは、役所の若い女性事務員・小田切とよ(May’n/唯月ふうか)。はつらつとしたとよの初々しさに触れるうちに、渡辺は、自分の人生になかったものを見出すようになる。これからでも、自分に何かできることがあるのだろうか・・。渡辺は、第二の人生を歩みだす・・・。

---------------

市松模様客席ですが、センターブロック近辺のみ間の席を販売しているようです。
GC列はB列にあまりひとがいませんでしたが。
初演の際には加賀さんでみてとても良かったので、今度は市村さん!
市村さん、若々しい!!若い子といろいろまわっても違和感ないです。
よれよれの声をだしているのですが、それでも声にハリがあるというか。。
(後で加賀さんが市村さんより若いと知ってびっくり。)

初演から二度目ですが、あの映画の「生きる」を見事にミュージカルへと
変換したものだと感心してしまいます。派手なシーンはあるし、主人公が
覚醒する場面もある、そして感情の起伏がはっきり曲にのる。
役所でたらい回しの歌が、いかにもあるある、という感じで楽しいというか
もーなんとかしてというか。そして助役があいもかわらずいやらしくてよい!
主人公は60歳目前、ということはすでに私の方が年上なわけでなにやら複雑な
気分。私もこれから一体何ができるんだろう?と考えてしまいましたよ。
でも何もしないのも人生。
1幕最後に覚醒をしてそれからばりばり働く働く!すごくエネルギッシュなので、
親子で少しは話し合えよーと思ったり。渡辺勘治にとっては人生最後の道楽を
阻止されては困るので仕方ないといえばしかたない。
映画では公園ブランコで一人寂しく終わりますが、舞台では葬式のあと場面が
かわって、葬式参列者全員が見守る中、雪が舞う公園の真ん中でブランコで終演。
これがとても美しいシーン、客席からかなりすすり泣きが聞こえました。
気持ちのどんよりを軽くして劇場を去らせてくれるこの演出は好きですね。
小説家は渡辺勘治にとって天使か菩薩のような存在だったのかも。。

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題名:青年団プロデュース公演/尼崎市第7回「近松賞」受賞作品/座・高円寺 秋の劇場01/日本劇作家協会プログラム『馬留徳三郎の一日』高円寺公演
劇場:座・高円寺1
日時:2020年10月11日14:00-15:50
料金:4000円(こまばアゴラ支援会員)
座席:
劇団:青年座
作:髙山さなえ
演出:平田オリザ
出演: 田村勝彦(文学座) 羽場睦子(フリー) 猪股俊明(フリー)
  山内健司 山村崇子 能島瑞穂 海津 忠 折原アキラ
声の出演=永井秀樹
舞台美術:杉山 至
舞台監督:中西隆雄、小川陽子
照明:三嶋聖子
音響:櫻内憧海
衣裳:正金 彩
衣裳補佐:原田つむぎ
演出助手:野宮有姫
フライヤーデザイン:京(central p.p.)
制作:有上麻衣
制作補佐:河野 遥
物語:山深い田舎の集落。馬留徳三郎と妻のミネは二人でここに住んでいた。
近所の認知症の年寄りや、介護施設から逃げて来る老人達が馬留家に集まり、
仲良く助け合いながら生活していた。
ある夏の日、徳三郎の息子、雅文から久しぶりに電話がかかって来た。
仕事でトラブルがあり、部下が間もなく馬留家に訪れると言うーー。
とある小さな集落の、何気ない日常が、人間の心をあぶり出す。


-----------

市松模様ではない、本当の意味での満員。客席の雰囲気も違います
舞台は、典型的な昭和の日本家屋、八畳間に座卓と座布団、襖に簾、
縁側と、そこから外へ降りる石段あり。屋根っぽいものと庭の木まであります。
最初は爺さんたちの会話、いろいろ話がとんで、ちょっと歳とった人たちが
集まるとこうなるよねーという光景。
そこに電話がかかってきて、いかにもオレオレ詐欺が始まるような雰囲気。
暗転した後はオレオレ詐欺の受け子らしき背広の男が座敷に登場。
そこからいろんな人が入れ代わり立ち代わり出てくるのですが、
その場ではだいたい辻褄があっていて、誰が本当のことを言っているか
わからない。舞台から出て行った人を、施設から脱走してきた、
若年性認知症だ、どんどん忘れて行っている、、そしてそれまで話されて
いたことを否定されるので、何がほんとで何が現実なのか理解不能。
皆「私だけが正気」と思っているのです。でもそれが絶妙なバランスの
上にたっていて、誰もさほど傷つけることなく、日常が繰り広げられて。。。
その中でオレオレ詐欺師が一番まともに見えるのですが、彼自体が法螺の中に
飲み込まれてしまい、途中からそのうちの息子としてロシアのスパイ修行
をするはめに。。
私はかつて認知症の母に対応していたので、惚けていく人たちの物語は
かなり苦手なのですが、今回はかなり楽しめました。これから先どうなるか
真実はどうなのか全然みえなくて、落差に笑い展開にドキドキしつづけてましたよ。
脚本も演者も素晴らしい。

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題名:PARCO劇場オープニング・シリーズ “ねずみの三銃士”第4回企画公演「獣道一直線!!!」
劇場:パルコ劇場
日時:2020年10月10日14:00-16:30(途中休憩あり)
料金:10000円
座席:R列40番
劇団:ねずみの三銃士
作:宮藤官九郎
演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久 池田成志 古田新太
   山本美月 池谷のぶえ 宮藤官九郎
★あらすじ★
一面識もない独身男性3人が殺害された。
殺害方法も三者三様。無関係と思われた3つの事件。
被害者の共通点は、大金を持っていて、婚活サイトに登録していた。
そして同じメーカーのED治療薬を飲んでいた。
事件に関心を持ったドキュメンタリー作家が取材を続ける中で浮かび上がってきた1人の女性の存在。『苗田松子』
3人の被害者は、苗田松子と名乗る女と、関係を持っていた。
なぜこんな女に騙されるのか。男たちは耄碌していたとしか思えない。
しかし、苗田松子を取材するうちに自身も事件の闇に取り込まれ......。
ーーーーーー

左側に小さな回り舞台、右側は2階建て。
最初は何かのオーディションからはじまります。
パニック障害、小心者、アル中役者に対する行動療法と銘打ってはじまり
ました。ビデオ電話による映像がところどころはいります。
オープニング主題歌は池谷のぶえさん。
連続婚活殺人犯へのインタビューと再現舞台、という設定。
モチーフになっているのは木嶋佳苗が起こしたとされる連続保険金殺人事件。
犯人の表の顔を池谷のぶえ、薬を飲まされて美化された裏の顔を山本美月。
婚活サギと殺人事件をめぐるドタバタコメディ。狂言回しが脚本作家のクドカン
というのもおもしろい。全員やりたいことをやってる感じ。
池谷のぶよ座長芝居といった趣き、皆が生き生きと動いているのがよかったー。

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題名:関内寄席 立川志の輔 独演会
劇場:関内ホール
日時:2020年10月8日18:30-20:55(仲入りあり)
料金:4000円
座席:1階24列8番
番組:
 志の麿:桃太郎
 志のぽん:二人癖
 志の輔:猿後家
【仲入り】
 志の輔:へっつい幽霊

満員、当日券なし、市松模様の満員。
志の麿さん、若々しい。志のぽんさんは、ぽんぽんぽんと小気味よい展開。
志の輔師匠はソーシャルディスタンスにマスクの話をひとくさり。
日頃聞いているような内容なのに笑えてしまうのは本当にすごい。
この1席おきの状態に慣れられると満員に戻したときに困る、というのは
本当に聞こえました。前と横に人がいない状態というのはとても楽。
猿後家は初めて聞きました。20年前にもうこの形にしたそうですね。
マクラで、アマビエというところを「アマエビ」それまで甘海老・アマビエ
と言い分けていたので、肝のところで、、場内爆笑。
猿後家は、猿にちょっとだけ似ている大店の後家さんが、いつもは鷹揚で
太っ腹なのに、「猿」という言葉を聞くと突然変貌してしまうという筋書き。
周り中でよいしょするのに、時々しくじる者がいて、そのしくじりをどうやって
挽回するかというところが聞かせどころ。親孝行で浅草見物をした、までは
良かったけれどそこでみた猿回しの話を、猿が腕の上をぽんぽんぽんと行って、
頭の上でぐるぐる、とやったのが悪かった。口八丁で「猿回し」ではなく
「皿回し」だと言い張って言いくるめちゃいます。
そこで脳内は「皿が腕の上をポンポンポンと行って、頭の上でぐるぐる」ができる
かなーという方向にいっちゃいましたよ。腕の上は皿のボディロールででき
ますよね。頭のうえでくるくる、は回した状態でヘッドバランス?できます?
うまいぐあいによいしょして金をせしめる庶民と、それで喜んで金を出し
猿が出たとたん出禁にする後家さんがいじらしい。 
へっつい幽霊は安定したおもしろさ、まずは「へっつい」の解説から。ありがたい
ことです。へっつい買って夜中に怖がって飛び込んでくる客のおびえよう、
クライマックス?の丁半やるふたりの姿がくっきりと見えました。
一番泣けたのは、勘当した息子のために300円すっと出す大旦那の語り口。
突然人情噺になりましたね。
おなかいっぱいの2時間半でした。



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