今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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市村さん、若々しい!!若い子といろいろまわっても違和感ないです。 よれよれの声をだしているのですが、それでも声にハリがあるというか。。 (後で加賀さんが市村さんより若いと知ってびっくり。) 初演から二度目ですが、あの映画の「生きる」を見事にミュージカルへと 変換したものだと感心してしまいます。派手なシーンはあるし、主人公が 覚醒する場面もある、そして感情の起伏がはっきり曲にのる。 役所でたらい回しの歌が、いかにもあるある、という感じで楽しいというか もーなんとかしてというか。そして助役があいもかわらずいやらしくてよい! 主人公は60歳目前、ということはすでに私の方が年上なわけでなにやら複雑な 気分。私もこれから一体何ができるんだろう?と考えてしまいましたよ。 でも何もしないのも人生。 1幕最後に覚醒をしてそれからばりばり働く働く!すごくエネルギッシュなので、 親子で少しは話し合えよーと思ったり。渡辺勘治にとっては人生最後の道楽を 阻止されては困るので仕方ないといえばしかたない。 映画では公園ブランコで一人寂しく終わりますが、舞台では葬式のあと場面が かわって、葬式参列者全員が見守る中、雪が舞う公園の真ん中でブランコで終演。 これがとても美しいシーン、客席からかなりすすり泣きが聞こえました。 気持ちのどんよりを軽くして劇場を去らせてくれるこの演出は好きですね。 小説家は渡辺勘治にとって天使か菩薩のような存在だったのかも。。 題名:青年団プロデュース公演/尼崎市第7回「近松賞」受賞作品/座・高円寺 秋の劇場01/日本劇作家協会プログラム『馬留徳三郎の一日』高円寺公演 劇場:座・高円寺1 日時:2020年10月11日14:00-15:50 料金:4000円(こまばアゴラ支援会員) 座席: 劇団:青年座 作:髙山さなえ 演出:平田オリザ 出演: 田村勝彦(文学座) 羽場睦子(フリー) 猪股俊明(フリー) 山内健司 山村崇子 能島瑞穂 海津 忠 折原アキラ 声の出演=永井秀樹 舞台美術:杉山 至 舞台監督:中西隆雄、小川陽子 照明:三嶋聖子 音響:櫻内憧海 衣裳:正金 彩 衣裳補佐:原田つむぎ 演出助手:野宮有姫 フライヤーデザイン:京(central p.p.) 制作:有上麻衣 制作補佐:河野 遥 物語:山深い田舎の集落。馬留徳三郎と妻のミネは二人でここに住んでいた。 近所の認知症の年寄りや、介護施設から逃げて来る老人達が馬留家に集まり、 仲良く助け合いながら生活していた。 ある夏の日、徳三郎の息子、雅文から久しぶりに電話がかかって来た。 仕事でトラブルがあり、部下が間もなく馬留家に訪れると言うーー。 とある小さな集落の、何気ない日常が、人間の心をあぶり出す。 ----------- 市松模様ではない、本当の意味での満員。客席の雰囲気も違います 舞台は、典型的な昭和の日本家屋、八畳間に座卓と座布団、襖に簾、 縁側と、そこから外へ降りる石段あり。屋根っぽいものと庭の木まであります。 最初は爺さんたちの会話、いろいろ話がとんで、ちょっと歳とった人たちが 集まるとこうなるよねーという光景。 そこに電話がかかってきて、いかにもオレオレ詐欺が始まるような雰囲気。 暗転した後はオレオレ詐欺の受け子らしき背広の男が座敷に登場。 そこからいろんな人が入れ代わり立ち代わり出てくるのですが、 その場ではだいたい辻褄があっていて、誰が本当のことを言っているか わからない。舞台から出て行った人を、施設から脱走してきた、 若年性認知症だ、どんどん忘れて行っている、、そしてそれまで話されて いたことを否定されるので、何がほんとで何が現実なのか理解不能。 皆「私だけが正気」と思っているのです。でもそれが絶妙なバランスの 上にたっていて、誰もさほど傷つけることなく、日常が繰り広げられて。。。 その中でオレオレ詐欺師が一番まともに見えるのですが、彼自体が法螺の中に 飲み込まれてしまい、途中からそのうちの息子としてロシアのスパイ修行 をするはめに。。 私はかつて認知症の母に対応していたので、惚けていく人たちの物語は かなり苦手なのですが、今回はかなり楽しめました。これから先どうなるか 真実はどうなのか全然みえなくて、落差に笑い展開にドキドキしつづけてましたよ。 脚本も演者も素晴らしい。 題名:PARCO劇場オープニング・シリーズ “ねずみの三銃士”第4回企画公演「獣道一直線!!!」 劇場:パルコ劇場 日時:2020年10月10日14:00-16:30(途中休憩あり) 料金:10000円 座席:R列40番 劇団:ねずみの三銃士 作:宮藤官九郎 演出:河原雅彦 出演:生瀬勝久 池田成志 古田新太 山本美月 池谷のぶえ 宮藤官九郎 ★あらすじ★ 一面識もない独身男性3人が殺害された。 殺害方法も三者三様。無関係と思われた3つの事件。 被害者の共通点は、大金を持っていて、婚活サイトに登録していた。 そして同じメーカーのED治療薬を飲んでいた。 事件に関心を持ったドキュメンタリー作家が取材を続ける中で浮かび上がってきた1人の女性の存在。『苗田松子』 3人の被害者は、苗田松子と名乗る女と、関係を持っていた。 なぜこんな女に騙されるのか。男たちは耄碌していたとしか思えない。 しかし、苗田松子を取材するうちに自身も事件の闇に取り込まれ......。 ーーーーーー 左側に小さな回り舞台、右側は2階建て。 最初は何かのオーディションからはじまります。 パニック障害、小心者、アル中役者に対する行動療法と銘打ってはじまり ました。ビデオ電話による映像がところどころはいります。 オープニング主題歌は池谷のぶえさん。 連続婚活殺人犯へのインタビューと再現舞台、という設定。 モチーフになっているのは木嶋佳苗が起こしたとされる連続保険金殺人事件。 犯人の表の顔を池谷のぶえ、薬を飲まされて美化された裏の顔を山本美月。 婚活サギと殺人事件をめぐるドタバタコメディ。狂言回しが脚本作家のクドカン というのもおもしろい。全員やりたいことをやってる感じ。 池谷のぶよ座長芝居といった趣き、皆が生き生きと動いているのがよかったー。 題名:関内寄席 立川志の輔 独演会 劇場:関内ホール 日時:2020年10月8日18:30-20:55(仲入りあり) 料金:4000円 座席:1階24列8番 番組: 志の麿:桃太郎 志のぽん:二人癖 志の輔:猿後家 【仲入り】 志の輔:へっつい幽霊 満員、当日券なし、市松模様の満員。 志の麿さん、若々しい。志のぽんさんは、ぽんぽんぽんと小気味よい展開。 志の輔師匠はソーシャルディスタンスにマスクの話をひとくさり。 日頃聞いているような内容なのに笑えてしまうのは本当にすごい。 この1席おきの状態に慣れられると満員に戻したときに困る、というのは 本当に聞こえました。前と横に人がいない状態というのはとても楽。 猿後家は初めて聞きました。20年前にもうこの形にしたそうですね。 マクラで、アマビエというところを「アマエビ」それまで甘海老・アマビエ と言い分けていたので、肝のところで、、場内爆笑。 猿後家は、猿にちょっとだけ似ている大店の後家さんが、いつもは鷹揚で 太っ腹なのに、「猿」という言葉を聞くと突然変貌してしまうという筋書き。 周り中でよいしょするのに、時々しくじる者がいて、そのしくじりをどうやって 挽回するかというところが聞かせどころ。親孝行で浅草見物をした、までは 良かったけれどそこでみた猿回しの話を、猿が腕の上をぽんぽんぽんと行って、 頭の上でぐるぐる、とやったのが悪かった。口八丁で「猿回し」ではなく 「皿回し」だと言い張って言いくるめちゃいます。 そこで脳内は「皿が腕の上をポンポンポンと行って、頭の上でぐるぐる」ができる かなーという方向にいっちゃいましたよ。腕の上は皿のボディロールででき ますよね。頭のうえでくるくる、は回した状態でヘッドバランス?できます? うまいぐあいによいしょして金をせしめる庶民と、それで喜んで金を出し 猿が出たとたん出禁にする後家さんがいじらしい。 へっつい幽霊は安定したおもしろさ、まずは「へっつい」の解説から。ありがたい ことです。へっつい買って夜中に怖がって飛び込んでくる客のおびえよう、 クライマックス?の丁半やるふたりの姿がくっきりと見えました。 一番泣けたのは、勘当した息子のために300円すっと出す大旦那の語り口。 突然人情噺になりましたね。 おなかいっぱいの2時間半でした。 |
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