今までに見た舞台の感想をつづってあります。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 題名:歌舞伎座12月大歌舞伎夜の部 日時:2008年12月14日16:30-(2回休憩あり) 劇場:歌舞伎座 料金:招待券で見せていただきました 座席:2階2列4番(2階2列目左端ちかく花道の左側) 番組・配役: 一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり) 鶴ヶ岡八幡社頭の場 梶原平三景時 富十郎 娘梢 魁 春 俣野五郎景久 染五郎 大名山口政信 松 江 同 川島近重 男女蔵 同 岡崎頼国 巳之助 奴鷹平 鷹之資 囚人呑助 家 橘 青貝師六郎太夫 段四郎 大庭三郎景親 梅 玉 二、高坏(たかつき) 次郎冠者 染五郎 高足売 彌十郎 太郎冠者 高麗蔵 大名某 友右衛門 三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ) 序 幕 吉原仲之町見染の場 二幕目 立花屋見世先の場 大音寺前浪宅の場 三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場 同 廻し部屋の場 同 八ツ橋部屋縁切りの場 大 詰 立花屋二階の場 佐野次郎左衛門 幸四郎 八ツ橋 福 助 繁山栄之丞 染五郎 七越 高麗蔵 兵庫屋初菊 児太郎 絹商人丹兵衛 錦 吾 遣手お辰 鐵之助 釣鐘権八 市 蔵 下男治六 段四郎 九重 東 蔵 立花屋女房おきつ 魁 春 立花屋長兵衛 彦三郎 ストーリー:(公式Webより) 一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり) 鶴ヶ岡八幡宮に参詣した梶原平三(富十郎)は、大庭三郎(梅玉)、俣野五郎(染五郎)兄弟から、 ある刀の目利きを求められ、これが大変な名刀であることをふたりに告げます。 一方、娘の梢(魁春)のために、刀を金にしたい六郎太夫(段四郎)は、この刀でふたりの人間を 重ねて斬ることができると言上します。そこで囚人を使って試し斬りをしようとしますが、奴の鷹平 (鷹之資)が手紙を持って駆け付けてきます。その手紙には、源頼朝が挙兵した旨が記されていたの で、あたりは騒然としますが、梶原方の大名(松江・男女蔵・巳之助)たちがこれを宥め、試し斬り を続けさせます。 しかし獄屋にいる囚人は呑助(家橘)ばかりで、人数が足りません。すると六郎太夫は、梢をわざ と家に帰らせて、自らがその役をかって出ます。こうして梶原が試し斬りをしますが、斬れたのは呑 助だけで、六郎太夫まで斬ることは叶いませんでした。これを見た大庭兄弟は、刀が鈍だと馬鹿にし て立ち去って行きますが、梶原は意外な事実を口にします。 名刀の奇瑞を描いた華やかな義太夫 狂言をご覧下さい。 二、高坏(たかつき) 次郎冠者(染五郎)は、主人の大名某(友右衛門)と太郎冠者(高麗蔵)と共に花見に出かけ、高 坏を買ってくるように命じられます。ところが、高足売り(彌十郎)の口車に乗せられ、次郎冠者は 高足を高坏と思い込んで買ってしまい…。 高足を履いて賑やかに踊る名作舞踊をお楽しみ頂きます。 三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ) 上州の絹商人である佐野次郎左衛門(幸四郎)は、吉原で安く遊ばせるからと騙されて、下男の治 六(段四郎)と共に仲之町へやって来ます。この危難を立花屋長兵衛(彦三郎)に救われ、次郎左衛 門は帰ろうとしますが、兵庫屋八ツ橋(福助)の花魁道中を見て魂を奪われます。 こうして次郎左衛門は、八ツ橋のもとへ通い詰めますが、八ツ橋の親代わりである釣鐘の権八(市 蔵)は良い金蔓が出来たと、立花屋のおきつ(魁春)を通じて、たびたび金策を願い出ます。しかし ついにおきつはこれを断るので、権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞(染五郎)を焚き付けます。そし て栄之丞は八ツ橋に次郎左衛門との縁切りを迫るのでした。 一方、何も知らない次郎左衛門は、八ツ橋を身請けするつもりで、同業の丹兵衛(錦吾)と共に吉 原へやって来て、遣手のお辰(鐵之助)の手配で、九重(東蔵)や七越(高麗蔵)、初菊(児太郎) を座敷に呼んで騒ぎますが、突然、八ツ橋に縁切りをされて恥をかかされます。次郎左衛門はうちひ しがれて宿へと帰って行きますが…。 廓の風情を巧みに描いた世話物の名作を豪華配役で上演します。 ------ここから感想----- 私が座ったのは花道の外側、七三は見えるけれど、もちろん出入りは見えません。染五郎でずっぱ りでしたね。3幕目の間夫が一番かっこよかった。 名鷹誉石切における刀の目利きのシーンは錦絵にでてきそう。父親が試し切りにあってしまいそうと いう重苦しいシーンで、一緒に試し切りにあう死刑囚が語る日本酒の名前尽くしの嘆き口上がかなり おもしろい。雰囲気をうまく緩和させてくれます。駆け戻ってきた娘が六尺棒で押さえられて泣き崩 れる姿もうつくしい。試し切りは故意に失敗させて、父親を助け、刀が本物であることを後で手水罰 をたたき割ってみせるという。堪え忍ぶ源氏に救いの神が現れるという分かりやすい構図。 もうちょい悪の方がしっかり悪であればもっとスカッとしたのでしょう。 次の狂言は現代の作品で、作者は宝塚歌劇の脚本家だとのこと。当時はやっていたタップダンスを 狂言に取り入れた趣向がおもしろい。背景は桜、普通狂言には松を背景とするそうですが、この作 品は歌舞伎オリジナルなのであえて桜を背景にしたのだそう(イヤホンガイドから)。場面はもちろん 花見、高杯を買いに行かされた次郎冠者が、高足(下駄)売りにだまされて、下駄を買ってしまうとい う話。前半はそのコント、後半は買ってしまった下駄をはいての酔っぱらい踊りがみもの。酔っぱら いが下駄を履くので、これ見よがしではなく自然に下駄でタップを踏む感じがでています。下駄タッ プってビートたけし氏発明じゃなかったのね。下駄タップまたみてみたい。 最後は世話物。吉原百人切りという講釈を元にした物語です。幕が開くと吉原の店が立ち並び、真ん 中に桜がさいていました。舞台の派手さに、幕が開いたとたん、客席からおーという声。その中を花 魁道中が行くのです。八橋は、八つの橋とカキツバタ模様の絢爛豪華な衣装。お大尽を誘いかける 営業スマイルはいまひとつ微妙。外八文字の歩き方はセクシー。間夫の染五郎はたしかによい男で 花魁が言いなりになるのもわかるような気がします。とはいうものの、身請けする寸前になっていまま で尽くしてくれたお客様の面子をつぶす形で袖にするのはいまひとつ説得力が。。。 もっともそれほど理不尽な振られ方ゆえにその後の100人切りが説得力を持ってきたりもしています。籠釣瓶とは水もたまらぬ切れ味の妖刀村正を表現したものだそうですね。 鬼気迫る次郎左衛門の狂い方で、悲しみがぐぐんと伝わってきましたよ。 今回はどれもおもしろい番組でした。 PR |
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