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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:抜目のない未亡人
劇場:新国立劇場 中劇場
日時:2014年7月19日18:30-20:18
料金:S席9500円
座席:12列39番(3列目中央)
劇団:シス・カンパニー
原作:カルロ・ゴルドーニ
上演台本・演出:三谷幸喜

出演:大竹しのぶ、岡本健一、木村佳乃、中川晃教
高橋克実、段田安則、浅野和之、八嶋智人、
峯村リエ,遠山俊也,春海四方,小野武彦
ストーリー:
18世紀を舞台にした「原作」ストーリーを、まずはご紹介
18世紀の国際都市ヴェネツィア。
金持ちで高齢の夫を看取ったばかりの未亡人ロザーウラは、今でいう
婚活中の美しい妹、フランス出身のメイドと一緒に、亡き夫の弟の世
話になる日々。でも、今度こそ、自分と年相応の再婚相手を見つけ、
何とか女としての人生を取戻し、もうひと花咲かせたいと考えていま
した。 そんな彼女にイタリア、フランス、スペイン、イギリスの高
貴な求婚者たちが現れます。
彼らはある宿屋の食堂に集まり、彼女への賛辞を口に、酒を酌み交わ
していましたが、影ではそれぞれが、お調子者の宿屋の召使を使って、
 あの手この手で、未亡人のハートを射止めようと、恋のかけ引きを
仕掛けていきます。
このヨーロッパ各国から集まった4人の求婚者たちは、それぞれに、
「財産」「血筋」「容姿」「愛情」と、魅力や特徴はあるけれど、ま
あ、結局のところ一長一短……。新たな人生を託すには、今ひとつ決
め手に欠ける求婚者たち。
そこで、未亡人はあるアイデアを思いつきます。街中が“仮面舞踏会”
と化したかのような“ヴェネツィアの謝肉祭”のにぎわいの中、彼女
は、どんな方法で4人の男たちの本心を探るのでしょう?

この物語が、三谷幸喜の手でどのような舞台に!?
原作の簡単なあらすじをご紹介しましたが、これが266年も前に書かれ
た芝居? と思うくらい、未亡人の婚活モチベーションや求婚者との
駆け引きは現代的。身近にいそうなキャラクターも多く、今回のキャス
ト陣を当てはめて想像するだけでも楽しくなってしまいます。「海外の
古典」には歴史的背景や当時の風習など、多少なりとも距離感はつき
ものですが、今回の三谷幸喜による上演台本にはそんな心配はなさそ
うです。
現在の彼の構想では、舞台は国際映画祭でにぎわう現代のヴェネツィア。
未亡人ロザーウラ(大竹しのぶ)は、高齢の夫を見送ったばかりの元
女優で、再婚はもちろんですが、どうやら女優復帰も狙って、映画界
のセレブが集う国際映画祭に乗り込んでくる、というもの。原作の4人
の求婚者たちは、イタリア(段田安則)、フランス(岡本健一)、イ
ギリス(中川晃教)、スペイン(高橋克実)の映画監督たちに姿を変
え、水の都を見渡す高級ホテルを舞台に、ホテル支配人(八嶋智人)
をメッセンジャーに、あの手この手のアプローチを仕掛け、彼女を巡っ
ての駆け引きが繰り広げるという設定とのこと。その上、相手は「元
女優」ですから「演技」はお手の物!果たして、どんな方法で望みを
叶えるやら・・・。
また、美しい妹(木村佳乃)の幸せの行方は?
稀代の喜劇作家ゴルドーニの原作の展開はそのままに、そこに加味さ
れた現代的なモチーフとキャスト陣の個性の融合で、スピード感もパ
ワーアップが期待できそうです。

ーーーーーーーーーーーーー

座席をつぶしてかなり広い舞台をつくってありました。
石畳の広場で、左側にいすと日除け、右にアーチ。
私の座席は「12列目」でしたが実質3列目。
開演前にミュージシャン登場、生音楽でした。
原作を換骨奪胎して求婚者→映画監督になっているのですが、
これが一癖も二癖もある連中ばかり、スペインの監督はなんと
フィンをつけて泳いできた!
再起を狙う往年の名女優に対して、アプローチをかける各国の
一流とはいえない映画監督たち、というのがこの物語の骨格。
まさに恋の鞘当が、映画出演交渉で行われるのです。
フランス人は懇ろになろうとしイタリア人は朴訥、スペイン人は
ハリウッドだけどメインは別におり、イギリス人は金目当て。。
後半では今度はヒロインがいろんな姿に身をやつして監督の本音を
聞きだそうとします。占い師、スパニッシュダンサー、洗濯女、
これがまた見事で大竹しのぶ独り舞台といったかんじ。
そこでおばかな妹がいて、嫁がせてスターウォーズの役を得ようと。
結婚相手の浅野さんは怪演といってもいいくらいの印象に残る動き。
いやーほんとうに芸達者な皆さんをそろえた豪華な舞台でした。
みんなが自由自在に演技してとても面白くしかも何も残らない、
劇場を出たとたんに全てを忘れてしまうという三谷作品の真髄を
見た気がします。名作です。

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