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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:コクーン歌舞伎 第十一弾「佐倉義民傳」
日時:2010年6月26日17:00-20:10(途中休憩あり)
劇場:シアターコクーン
料金:13500円
座席:2階A-17(2階席最前列センター)
演出・美術:串田和美
脚本:鈴木哲也
出 演:
  木内宗吾:中村勘三郎  
  駿河弥五右門:中村橋之助
  甚兵衛の姪 おぶん・徳川家綱:中村七之助  
  渡し守 甚兵衛(座長):笹野高史
  幻の長吉:片岡亀蔵  
  家老 池浦主計:坂東彌十郎
  堀田上野介正信・宗吾女房 おさん:中村扇雀

ストーリー:(公式Webより)
すべて政治が悪いのか?それとも俺が悪いのか?
他人(ひと)の難儀が救いたさに、心に誓いをたてる宗吾。
この夏、ゆえあって命賭けの直訴をいたします。

毎日新聞6/16 東京夕刊版【小玉祥子】よりストーリー場面を引用
 佐倉の名主、宗吾(勘三郎)は年貢に苦しみ一揆を起こそうとする農民をなだめ、
領主、堀田上野介(扇雀)に自ら窮状を訴える。だが駿河弥五右衛門(橋之助)の
密告でお尋ね者となり、ついには将軍、徳川家綱(七之助)に直訴して捕縛される。
 発端に宗吾処刑後の上野介の狂乱を付け、宗吾一家の刑死も入れるなど全体の
筋を通した。信念を通そうとする宗吾の姿が、常に懐疑的な弥五右衛門と対比され
て描かれる。
 弥五右衛門は宗吾を試そうとし、彼を陥れ、最後まで見届ける。キリストにおける
ユダ的な存在で、農民たちを扇動するところなどおもしろく、橋之助がうまい。だが、
彼を慕うおぶん(七之助)の命を奪うくだりなど、心情の変化が分かりづらい部分が
ある。
 渡し守の甚兵衛(笹野高史)が、処罰を覚悟のうえで宗吾のために船の鎖を断ち
切る「甚兵衛渡し」では、笹野と勘三郎の間に情感が出た。将軍への直訴を決意し
た宗吾が女房のおさん(扇雀)と子供たちに別れを告げる「子別れ」に家庭人とし
ての宗吾の優しさが表現された。






1階席前方は平場、3時間座り続けるのはつらいだろうなあ。立ち見もたくさん、3時
間たち続けるのは。。。
最初は舞台真ん中に台がおかれその前に、佐倉義民伝という錦絵の幕がかかって
います。その裏にはきらきら屏風。舞台手前の左右には鳴りもの、大太鼓、
左手は和の鳴りもの、太鼓や笛、右はギターやドラム。劇場ロビーでは縁がある仏様
の御開帳がなされていました。もちろんお賽銭をあげて拝みましたよ。
幕が開くと、台は砂場になっておりました。長方形の二つの台に砂があり、道になった
り、田圃になったり。
オープニングは倒れた人形相手の立ち回り。狂ってます?それから百姓のラップ、
うまく脚韻はふんでいて小気味良い。もうちょっと聞き取りやすければなおよしなんで
すが。衣装や大道具に彩度がないので、2階席からみると、水墨画をみているよう。

登場人物はみんなイイ人、でもお人好しかバカかその両方か。。殿様は百姓を苦し
めるなといいつつ、老中になるので費用はよろしくねとかいうし、板挟みにあった手
下は、うそつき升を作って農民からむしりとろうとして失敗するし。。名主はお願いに
いくだけでほかに展望ないし。。百姓はどんどんつらくなっていくばかりです。
このやるせない状況なのに、舞台進行のテンポがよいせいか、気分が沈み込んで
動けないということはありません。

幕間、第二幕で椅子の前を通路として使うので、抱えているかいすの下にいれるよ
うにという指導がありました。私の前を役者が通っていくのね。
江戸から逃げ帰るところでは私の前10cmを勘三郎さんが駆けていきました。
2幕では照明の美しさが心に残りました。川をわたって村に戻るところ、
雪が降る北の竹藪?を抜けて江戸へ戻るところ、そして将軍へ直訴するところ。
川渡しのシーンが一番印象的だったかな。村で子供とわかれる場面はいかにも
お涙頂戴。登場人物が多くいので群集シーンはかなりの迫力。
宗吾が磔にあった後で、実は明治時代の劇だったという階層構造が明らかになり
ました。劇中劇だったのですね。こんなので終わるのおかしい、というところからカ
タルシスへ。登場人物全員でのラップ、かなり政治性が強く、それがかえって未来
への希望となっているような。蜘蛛女のキスのような終わりかたと何か似ている気が
しました。悲劇も最後はカタルシスで中和して劇場をでたいものです。
今までのコクーン歌舞伎の中でいちばんわかりやすく、地味なわりに面白かった。
ただ従来の歌舞伎のパターンからはずれているので、歌舞伎を主に見ている人と
そうでない人で評価がわかれる舞台でしょう。どちらかというと鬘をかぶった現代劇
という風情でした。

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