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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:Bloody Bloody Andrew Jackson
日時:2010年6月12日17:00-18:30
劇場:Public Theater/Newman Theater
料金:General Rush 20USD
座席:O列4番(客席後方)
出演:
  Lyncoya:River Aguirre
  Male Soloist:James Barry
  Clay:Michael Crane
  Calhoun:Michael Dunn
  Red Eagle:Greg Hildreth
  Adams:Jeff Hiller
  Van Buren:Lucas Near-Verbrugghe
  Rachel:Maria Elena Ramirez
  Elizabeth:Kate Cullen Roberts
  Monroe:Ben Steinfeld
  Andrew Jackson:Benjamin Walker
  The Storyteller:Colleen Werthmann
  Female Soloist:Emily Young
Written and directed by Alex Timbers
Music and lyrics by Michael Friedman
sets by Donyale Werle
costumes by Emily Rebholz
lighting by Justin Townsend
sound by Bart Fasbender
music director, Justin Levine
choreography by Danny Mefford


評価:チャンスがあれば見にいくべし

当初は5月に終了のはずが上演延長されたので見にいくことができました。
パブリックシアターに来たのは初めて。ここははブルーマンの劇場をちょうど挟んで
向かいにあります。Astor Place 駅から歩いてすぐです。劇場は改築中らしく、周り
に足場がくんであり、入り口はこちらの看板がいたるところに。。




ボックスオフィスも奥まったところに移動しておりました。
開演55分前くらいに行って開演1時間前から販売開始のGeneral Rush を無事ゲット。
後ろとはいえ20USDはありがたいです。定価はたしか70-80USDあたりだったはず。
Rush の行列はまったくありませんでした。30分前になると客が集まってきました。



さすがに昼のRedより客層がずっと若い。客席は階段状になっており、どこに座っても
見づらいということはありません。後方3列をのぞいて客でうまっていました。
客席の両端には大統領らしき肖像ががたくさん掲げられています。
頭上はむき出しのコンクリートに照明設備、赤い蛍光灯に、チープっぽいシャンデリ
アです。舞台の両側にドラムスとピアノ。舞台の背面も一見古そうな絵画と肖像画、
それにいろいろな武器とか記念品?がかかっています。ドラムも赤い電飾、舞台の上
も赤いシャンデリア、幕ももちろん真っ赤。赤だらけです。

オープニングはキャスト全員(たぶん)でPopulism の歌、いやーいいかんじ。
これは第7代アメリカ合衆国大統領のAndrew Jacksonの歴史物語ミュージカルです。
Jackson はインディアンを殺しまくって戦争に勝ち、土地をぶんどって米国
領土を広げ、初の職業政治家で民主化も推進したと言う、功罪ががっぷり四つとなって
人によって評価がまるでわかれてしまう政治家のようです。
「OK」の発案者はこのAndrew Jackson だといわれているそうですね。
ロックにベタなギャグとブラックユーモアをつっこんで物語が進みます。
台詞はPAなしで、歌もアコースティックな伴奏ではPAなし、ロックになるとマイクを
使ってがんがんがなり立てると緩急をつけておりました。

物語はインディアンの襲撃でジャクソン家がやられるところから始まります。
ジーンズのちょっと顔立ちが整ったお馬鹿系のお兄さんが主人公のAndrew Jackson。
冒頭は悪魔の毒毒モンスターを期待してしまったのですが、別の意味で桁違いに
突き抜けた話でしたよ。10人インディアンの減数数え歌はかなりブラックでした。
がんがん領土を広げる際にインディアンを殺す課程が描かれているのですが、あまり
直接的な描かれ方はしてません。奥さんが重婚だったというのはほんとう?
言葉がわからなくてもベタなシーンは笑えます。それ以上にここまで大統領こけにして
大丈夫?かなり風刺?(大半が史実なので風刺と言っていいのか)が利いています。
前半はべたなギャグが多く、後半はベタが減って風刺が増えてある意味より頭が痛く
なるような話。"reservation" という単語が出てきて、いったい何を予約するのか?
と悩んで利いていたのですが、「インディアン居留地」という意味があったのですね。

大統領になったのちも大衆をとても大切にしていたふりをしていたようで、日本でもお
手本した政治家がいたりしませんか?Jackson大統領が民衆の声に従うと言って
人々に聞くと「何故私たちに聞くの?何かに決めたら賛成しますから」と言われて
頭を抱えてしまうシーンは印象的でした。
ナレーターは電動車椅子に乗ったおねえさん、大きなめがねでいけてない服装。
ゆっくり登場して大げさなナレーションで進行。でも途中でAndrew Jacksonに撃ち殺さ
れてしまうのです。Andrew Jackson 曰く、自分で物語をすすめなきゃいけないこともある、
ナレーターは再度這ってでてきますが、また撃たれます。最後は天使姿でAndrewの
死に水をとりにきちゃいます。
天使になったナレーター曰く「偉大な大統領だったのか、虐殺者だったのか、
歴史の評価は定まっていない」(ヒットラーだったのか?と言ってかも)
こういうものをしれっとミュージカルにしてしまえるのが米国の懐の深さなのでしょう。
日本だったら各方面からの圧力で簡単に企画中止になるでしょうね。
Andrew Jackson 役のBenjamin Walkerさんはおばかだけどひとなつっこくてどことなく
人を曳き付ける魅力があり、ポピュリスト政治家の役にぴったり、この人がいたから
この舞台が成功しているのかもしれません。本当に政治の世界に出てもいけるかも。
政治的な意見、ブラックなギャグ、ベタなギャグととミュージカルのバランスをうまくとって
いた感じですね。

カーテンコールで皆が歌っている途中、矢が飛んでくる音がして、女優ひとりだけがば
たっと倒れてそのまま。他のキャストは歌をつづけて、倒れた女優さんは客だしをして
いる間も舞台の上で微動だにせず。お疲れさまでした。


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