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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:石川五右衛門
日時:2009年8月23日16:30-19:55(途中休憩あり)
劇場:新橋演舞場
料金:一等席15000円
座席:1階10列6番(花道右隣)
配役:
  石川五右衛門 : 市川 海老蔵
  茶々:  中村 七之助
  前田利家:  片岡 市 蔵
  百地三太夫:  市川 猿 弥
  霧隠才蔵:  市川 右 近
  豊臣秀吉:  市川 團十郎


ストーリー:(公式Webから)
 新橋演舞場八月歌舞伎公演では、新作歌舞伎『石川五右衛門』をご覧頂きます。天下に
轟く大泥棒として知られる石川五右衛門。釜茹でにされた壮絶な最期と謎の多い人生は、
江戸期に入り、浄瑠璃や歌舞伎の作者たちの創作意欲を掻き立て、今やその活躍は舞台
以外にも映画・小説・漫画など幅広いジャンルで描かれ、日本人の心にいつまでも残り続け
ています。 今回の舞台化では、市川海老蔵の石川五右衛門、中村七之助の茶々、そして、
市川團十郎(特別出演)の豊臣秀吉など豪華な顔合わせが実現しました。市川團十郎家と
石川五右衛門は縁が深く、二百年以上前より、五代目や七代目などの團十郎が五右衛門
を扱った歌舞伎を手掛け、大きな評判を得てきました。海老蔵が現代の感覚にも合った息吹
をいれて『石川五右衛門』に挑むのは誠に意義深いことと申せます。
 原案となるストーリー作りには、人気漫画「金田一少年の事件簿」「神の雫」やドラマの原作
者として活躍する樹林伸を迎えることになりました。従来の五右衛門作品とは違った新たな
視点と構想を、歌舞伎の脚本に直し、こそ泥に始まり、天下の大盗賊となり、やがては時の
権力者である豊臣秀吉に戦いを挑むまでを大胆に描き出します。秀吉が天下を治める時代。
権勢を誇る秀吉が、執拗なまでに寵愛する宝物を盗み取ろうとする五右衛門。果たしてその
宝物とは一体!そして、宝物によってつながる五右衛門と秀吉...。
 宙乗りなどの舞台機構を駆使してのスケールの大きなストーリー展開、自由を追い求める五
右衛門と権力に執着する秀吉との人間同士の対立など、話題満載の『石川五右衛門』。真
夏の八月にふさわしい熱い舞台にどうぞご期待下さい。


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座ったのが花道のすぐ横なので役者が花道を走るときに旋風がおそい臨場感たっぷりでした。
釜茹での刑の場面を人形ぶりで演じるのが最初の場面、オープニングにクライマックスが
ある趣向です。人形ぶりはいつみてもおもしろい。げじげじまゆげがピクピク動くのは作りもの?
聚楽第にはいって逃げて伊賀の里に逃げ込んだところが次の場面、術を学ぶごとに衣装が
豪華に。。最後は霧隠才蔵と一騎打ち、雪の降るなかスローモーション、SFXができるんだっ
たらマトリックスやりたかったでしょうねえ。石川五右衛門は見得を切るとめちゃくちゃかっこい
い。動いたり話したりするとかっこよさが減じてしまうのですが、これから先まだまだかっこよくな
る余地があるということでしょう。
秀吉がでてきた途端に舞台の雰囲気がかわりました。いまさらながらに団十郎の凄さを感じま
した。微妙な顔の表現や心の動きが見えるよう。好々爺という雰囲気と鋭い雰囲気があり。
いやーかっこいい。
南禅寺で五右衛門と秀吉の密会、五右衛門が驚かせるはずが逆に驚いた。このびっくりの
表情はなかなかおもしろい。I am your father.ですからまるでスターウォーズのような筋書きですな。
茶々に渡した母の形見のキセルが、実は秀吉から一夜の契りの明国の将軍の娘に渡したものだった。。
茶々の子は秀吉の血を引く子ということになるのですね。
父親が秀吉だと知ったあとの五右衛門の心の動きが、おまえ様は思春期のお子様ですか?と
いうような、、自らがより悪となり父に討たれることで、悪人である父の評判を良くしようと考えち
ゃいます。そしてより悪になるためにやることが鯱取りって。。。。それってあまりに小さくない?
南禅寺の三門のせり上がりは派手で目にまぶしい。そこで例の絶景かな!というせりふ。
暗闇の中で蝋燭であかりを照らし江戸時代の舞台を彷彿とさせるシーンあり。
滝の中のシャチとの格闘、なんでもありという雰囲気が漂ってきます。
大阪城の屋根では、手妻や忍術が登場、剣に火がつくマジック!そして煙がでたかと思った
らなんと分身の術。五右衛門の顔をもった男が多数!また煙がでたかとおもうと別の場所から
登場。とうとうわざと捕まり、かまゆでに。
オープニングのシーンに辞世の句を残して釜に飛び込むと、、釜が割れて葛籠がひとつ宙へ
と飛び出す。実は釜の中に秀吉が救難カプセルを仕込んでいたのです。葛篭がぱかっと開
いて宙乗り。あがったりさがったりしながら空中遊泳、上から桜の花が散っていました
花道の真横なので宙乗りは真下からみることに、足の裏がクッキリ見えました。
とにかく海老蔵は見得を切ればかっこいい、もうそれ以外はいりませんという雰囲気、これが
時の華というものなのでしょうねえ。


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題名:桜姫
日時:2009年7月12日12:00-15:05(途中休憩あり)
劇場:シアターコクーン
料金:一等席ベンチシート13500円
座席:Z-68(正面右端ブロック2列目、左側通路から2つめ)
原作:四世 鶴屋南北
演出:串田和美
美術:松井るみ
照明:齋藤茂男
出演:
    清玄阿闍梨:中村勘三郎
    釣鐘の権助 実は信夫の惚太:中村橋之助
    稚児白菊丸/桜姫:中村七之助
    見世物師因果勘六:笹野高史
    入間悪五郎:片岡亀蔵
    残月:坂東彌十郎
    長浦:中村扇雀

筋書き:(BUNKAMURAWebより)
高僧の清玄が出家を望む桜姫のために祈ると、これまで堅く閉じられていた桜姫の左手が
開きます。その左手にあったのは、若き日の清玄が稚児白菊丸に与えた香箱。じつは桜姫
は清玄が衆道(同性愛)の契りを交わした白菊丸の生まれ変わりだったのです。
一方、桜姫の前に現われた権助は、かつて桜姫の操を奪った男。人知れず権助の子を産
み、権助のことを思い続けていた桜姫は権助のために女郎にまで身を落とし...。
清玄、桜姫、そして権助を結びつける不思議な因縁と因果。またこの三人を取り巻くうごめく
人々。
(松竹Webより)
物語は、僧清玄(せいげん)と稚児(ちご)の白菊丸(しらぎくまる)による江の島での心中か
ら始まります。1人命を取り留め、17年後に高僧となった清玄は、出家を望んで寺にやってき
た吉田家の息女桜姫(さくらひめ)が、実は白菊丸の生まれ変わりだと知ります。桜姫は、強
盗に入った釣鐘権助(つりがねごんすけ)の子を生み、今でもその権助を忘れられない罪の
深さを償おうと、出家を思い立ち寺を訪れたのでした。しかし桜姫は、偶然桜谷の草庵で恋
しい権助と再会します。この後、桜姫に白菊丸の面影を追う清玄と、密通がばれて吉田家を
追われた桜姫が、めまぐるしく変転していきます。

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場内飲食可。場内満員立ち見。ロビーには登りや暖簾がかかっていつもと違う雰囲気、いつ
もと違うものもうってます。祝祭的な効果を出そうとしているのでしょう。舞台は四角く、周りを客
席がかこんでいます私は正面2列目右方ベンチシート。ベンチシートでも背もたれがあってか
なり楽です。ちゃんとした席だとは思ってませんでしたよ。舞台までとても近く、そばの通路も
役者が頻繁に出入りしていました。いつもなら舞台になっている向かい正面にも客席がありま
す。向かい正面の座席は一階分高くつくられており、その下に出入り口、奥に演奏者がいま
した。天井照明付近にはダミーの屋根がついています。


着物姿の方々もちらほらみられます。それにしても場内が暑いのは団扇を交わせる陰謀?
オープニングは向かい正面客席奥から僧清玄と白菊丸のカップル登場、客席前の柵をあげ
て白菊丸だけ飛び降りちゃいます。下は海に見立てた幕で覆われていました。清玄は高所
恐怖症なのかw腰が引けて逃げちゃいます。
その後も1幕は舞台上には大道具はほとんどなし。台の上に載った?人が遊園地のティー
カップのようにぐるぐる回ったり、台の上に役者が立ちその状態で黒子が台をずずーーっと
押して登場したり、なんだか見世物を見ている気分。
桜姫初めて見たのですが怪談噺なんですか?生まれ変わりとか、実は弟とか実は息子とか
ぐっちゃぐちゃな人間関係の中で因縁がいろいろ繋がります。今回は桜姫を中心にすえた
桜姫とその周りの男たちの物語という形です。桜姫はとてもきれい。濡れ場は様式的なの
にかなりエロい。釣鐘の権助はいきな悪ぶりがかっこいい。客席で芝居をする権助に対して
客席案内係登場、「お客様困ります」、そしたら権助が案内係に手を出し案内係は「人殺し!」
客席かなり受けてました。残月と長浦のカップルがまた濃くておもしろい。舞台を脇からがっ
ちり支えてます。因果勘六は狂言まわしとしても登場、見世物小屋の社中が場面転換時に
曲芸を披露。ばちの綾取りはかなりきれいに揃っていました。傘回しを模した?いろんなア
イテムがぶら下がった傘も回してました。ばちのスイング、ブラックライトを使った暗闇の中で
の皿回しも。見世物小屋に桜姫がでたわけじゃないのね。
2幕目は釣鐘の権助の家。筋書きだけ考えると凄惨な話ですよねえ。一度だけおそわれた
男が忘れられずに子供を産んだ上に入れ墨までして、押し掛け女房になったと思ったら女
郎に売られて、、で最後はハッピーエンド?
フィナーレはオペラがなって巨大ぼんぼり?登場。まるで野田芝居でした。

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題名:歌舞伎座さよなら公演五月大歌舞伎夜の部
日時:2009年5月10日16:30-21:16(途中休憩2回あり)
劇場:歌舞伎座
料金:1等席16000円
座席:1階1列6番(最前列左より)
番組・出演:
一、恋湊博多諷(こいみなとはかたのひとふし)
  毛剃

          毛剃九右衛門    團十郎
           傾城小女郎    菊之助
           中国弥平次    権十郎
          小倉伝右衛門    市 蔵
          徳島平左衛門    亀 蔵
           加田市五郎    松 江
         じゃがたら三蔵    男女蔵
           浪花屋仁三    亀 鶴
            座頭盛市    彌十郎
           奥田屋お松    秀太郎
           小松屋宗七    藤十郎


二、小猿七之助 御守殿お滝
  夕立(ゆうだち)
           小猿七之助    菊五郎
           御守殿滝川    時 蔵


三、神田ばやし(かんだばやし)
           家主彦兵衛    三津五郎
            桶屋留吉    海老蔵
            娘おみつ    梅 枝
           女房おかね    右之助
           隠居おらく    市 蔵
            行者陽山    亀 蔵
           若い者正太    亀 寿
           若い者新七    巳之助
            店子重吉    亀三郎
            店子源太    男女蔵
           店子清兵衛    権十郎
            店子加蔵    秀 調
            店子惣助    團 蔵


四、鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)
  おしどり

     遊女喜瀬川/雌鴛鴦の精    菊之助
      河津三郎/雄鴛鴦の精    海老蔵
            股野五郎    松 緑

一、恋湊博多諷(こいみなとはかたのひとふし)
  毛剃
 毛剃九右衛門(團十郎)が持ち主である元船に、小松屋宗七(藤十郎)が乗り合わせます。やがて
宗七は毛剃の手下(権十郎・市蔵・亀蔵・松江・男女蔵・亀鶴)の様子から、この船が密貿易をして
いることを知りますが、毛剃は秘密を知った宗七を海へと投げ込ませます。
 ところは変わって博多の廓。ひときわ賑やかな奥田屋では、女将のお松(秀太郎)が傾城と言い争
う座頭の盛市(彌十郎)をなだめています。ここへ九死に一生を得た宗七が現れて、恋仲の傾城小女
郎(菊之助)と再会します。宗七と何としても添い遂げたい小女郎は、自分の馴染みの客に金策を頼
もうと言い、宗七とその馴染みの客を引き合わせますが、その客こそ...。
 異国情緒溢れる作品を華やかな顔ぶれで上演する注目の舞台です。





二、小猿七之助 御守殿お滝
  夕立(ゆうだち)
 小猿七之助(菊五郎)は、かねて見初めた御守殿の滝川(時蔵)が、落雷によって気を失ったのを幸
いに我が物にしてしまいます。そして七之助の男ぶりに惚れた滝川は、その身を七之助に任せ、夕立
の降る中、手に手を取って立ち去っていくのでした。退廃的な気分が濃厚な清元の舞踊をご覧下さい。




三、神田ばやし(かんだばやし)
 神田にある長屋の家主彦兵衛(三津五郎)の家に、念仏講の講中が集っています。その面々は彦兵
衛の女房おかね(右之助)や、隠居のおらく(市蔵)、行者の陽山(亀蔵)とその娘のおみつ(梅枝)。そ
して惣助(團蔵)、加蔵(秀調)を始めとする店子(権十郎・男女蔵・亀三郎)の人々と、町内の若い者
(亀寿・巳之助)たち。ここへ桶屋の留吉(海老蔵)が遅れてやって来ます。そして講中の掛け金が無
くなるので騒ぎとなるところ、留吉がそそくさと立ち去って行くので、彦兵衛は留吉が掛け金を盗んだと
思い...。
 宇野信夫の佳品を清新な顔ぶれでお楽しみ頂きます。




四、鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)
  おしどり

 遊女の喜瀬川(菊之助)が行司となって、河津三郎(海老蔵)と股野五郎(松緑)が相撲を始め、この
勝負に負けた股野は、河津に喜瀬川を譲った上、源氏に味方することを約束します。とはいえこれを快
く思わない股野は、河津を陥れるために、雄の鴛鴦の生血を河津に飲ませ、その心を乱そうとします。
やがて雄を股野に殺された雌の鴛鴦の精(菊之助)が現れると、河津の姿で雄の鴛鴦の精(海老蔵)も
出現し、恨み重なる股野を悩ませていきます。
 上の相撲は長唄、下の鴛鴦は常磐津という華麗な舞踊劇を上演します。


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今回の番組はすべて初見です。
一階の最前列、花道の右から2番目という席です。花道のすっぽんが目の前に見えます。
多くの役者さんがほんとに目の前で見得を切ってくれましたよ。
端っこなので前が花道の下を通る階段、そして柵、足下の細い隙間を通ろうとする客たち、かなり無理の
ある構造ですがな。ひょっとして昔は花道下通路なかった?
最初は抜け荷の船に同乗して海に落とされた男が、実は抜け荷の親分と恋敵だったという話。抜け荷
の親分の太っ腹で、手下になるのと引き替えに、命を助けるばかりか恋しい花魁の身請けをしてもらうと
いうハッピーエンド、ほんとにハッピーエンド?
もともとが浄瑠璃で上中下とあるところの上しか歌舞伎では演じられないとのこと。後はどろどろした話
になっていくんでしょうね。
船の大仕掛け(回り舞台を使わず船が回る!)、船の舳先での見得、茶屋での交渉などが見物。しかし
海の中では黒衣も青いのですね。新しい発見でした。

次は短い作品。
ストーカーで強姦魔に女が惚れてしまうというはなし。二人の踊りがきれい。どこかから教育上よくないと
いうつっこみがあってもおかしくないような筋書きです。ところで夕立で供の者全員逃げ出すってなによ。

神田ばやしは昭和に作られた作品。主役の海老蔵の目がずっと泳いでいます。なにをやってもタイミン
グがずれて、妙な間ばかり。そこで笑いがたくさんはいる。主人公は、言い分を聞かないおばかな大家
さんのために濡れ衣を着せられてしまい、1年後にようやく疑いがはれます。いわれなき差別に負けると
いうパターン?なんか新劇あたりがはいってそうな細かな心の動き、地味ですよね。

鴛鴦襖恋睦は相撲を織り込んだ踊り。蹲踞とか踊りに相撲の一通りの所作がはいっていておもしろい。
河津が河津掛けで勝ちって、足かけてましたか?かがってある糸が気になるかなーりおおざっぱ。
男女で糸の入り方が違います。振り袖などすごくおおきなかがり方で遠くからでも隙間が見えるような感じ。
黒衣が糸を抜いて、変身!海老蔵凛々しいですよねえ。

ところで黒衣で疑問、相撲の時は顔出しの黒衣、鳥の演技になると顔隠しの黒衣、海の中は青衣。青は
ともかく、顔を隠すのと見せるのはどうちがうんでしょうか?


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題名:歌舞伎座さよなら公演五月大歌舞伎昼の部
日時:2009年5月6日11:00-16:02(途中休憩あり)
劇場:歌舞伎座
料金:3階席4200円
座席:3階1列15番(左より通路側)

歌舞伎十八番の内 暫
上演時間 11:00-11:54 800円 10:30-
幕間    30分
寿猩々 手習子
上演時間 12:24-1:03 1,100円 12:00-
幕間   15分
盲長屋梅加賀鳶 序幕
上演時間 1:18-1:33
幕間    5分
盲長屋梅加賀鳶 二幕目 三幕目 大詰
上演時間 1:38-3:03
幕間   15分
戻駕色相肩
上演時間 3:18-4:02 600円 2:50-


昼の部
一、歌舞伎十八番の内 暫(しばらく)
 鶴ヶ岡八幡宮に、清原武衡(左團次)が鹿島入道震斎(翫雀)、那須九郎妹照葉(扇雀)
を始め、大勢の家臣(市蔵・亀蔵・男女蔵・亀三郎)たちを引き連れて現れます。そこへ
加茂次郎(友右衛門)が、桂の前(門之助)や宝木蔵人(家橘)、局常盤木(右之助)の
ほか、自らの兄弟(亀寿・萬太郎)たちと参詣にやって来ます。すると武衡は加茂次郎の
咎を責め、成田五郎(権十郎)に首を刎ねるよう命じます。
 その時「しばらく」と声がかかり、鎌倉権五郎(海老蔵)が駆け付けます。やがて武衡
の悪事を暴いた権五郎は、紛失していた宝物も小金丸(巳之助)の働きによって取り戻し、
意気揚々と引き上げていくのでした。荒事の魅力溢れる舞台をお楽しみ下さい。


二、寿猩々(ことぶきしょうじょう)
 酒を好物とする猩々(富十郎)が、親孝行な酒売り(魁春)のもとに現れ、今日も酒を
所望します。そして酒に酔う猩々は、嬉しそうに舞い始めます。能をもとにした作品で、
重厚な色合いの義太夫舞踊です。
  手習子(てならいこ)
 春の野辺に、手習いから戻って来たお駒(芝翫)が通りかかり、いろは歌に合わせて可
憐に踊っていきます。長唄ならではの華やかさ溢れる舞踊です。
 対照的な舞踊を続いて上演します。


三、盲長屋梅加賀鳶
  加賀鳶(かがとび)
 加賀鳶と定火消しの間で喧嘩が起り、日蔭町の松蔵(梅玉)を始め、雷五郎次(左團次)、
春木町巳之助(三津五郎)、御神輿弥太郎(團蔵)、魁勇次(松緑)、昼ッ子尾之吉(菊
之助)、虎屋竹五郎(海老蔵)が勢揃いしますが、天神町の梅吉(菊五郎)がこれを止め
て事なきを得ます。
 一方、悪党の竹垣道玄(菊五郎)は、女房のおせつ(東蔵)とその連れ子のお朝(梅枝)
を、按摩仲間のお兼(時蔵)と共に虐げていますが、お朝が伊勢屋の主人から小遣いを貰っ
たことを聞き、ある悪巧みを考え付きます。そして道玄はお兼と一緒に伊勢屋与兵衛(彦
三郎)を強請りに出かけますが…。
 河竹黙阿弥が五世尾上菊五郎のために書き下ろした世話物の名作をお楽しみ下さい。


四、戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)
 都の外れの紫野に、駕舁きの浪花の次郎作(松緑)と、吾妻の与四郎(菊之助)がやっ
て来て、禿のたより(尾上右近)と共に、廓自慢を始め…。闊達とした常磐津舞踊をご覧
下さい。





暫、かっこいいです。ヒーローがでました、悪役をやっつけました、以上!。
長口上の中には「歌舞伎座もあと1年」、
舞台での見得は三白眼、もう派手派手。こりゃー時代が変わっても受けるわけです。
猩々はおもしろい、乱れがいいです。のんべの夢なわけですね。
加賀鳶は、二つの作品を見ている気分。序幕は筋書きなしのレビューといったかんじ。、
キップがよくイケメン揃いの加賀鳶が勢ぞろいで見得を切ります。花道で切るのですが、
人数が多すぎて3階席からは三分の一くらいしかみえません。
やられたのがお茶の水、泊まるところが明神下ってうちからどれだけ近いんですかw
道玄のちょっと剽軽な悪者が面白い。道玄と親分の論争はかなりの迫力でした。

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題名:歌舞伎座12月大歌舞伎夜の部
日時:2008年12月14日16:30-(2回休憩あり)
劇場:歌舞伎座
料金:招待券で見せていただきました
座席:2階2列4番(2階2列目左端ちかく花道の左側)
番組・配役:
一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり)
  鶴ヶ岡八幡社頭の場
          梶原平三景時  富十郎
              娘梢  魁 春
          俣野五郎景久  染五郎
          大名山口政信  松 江
          同 川島近重  男女蔵
          同 岡崎頼国  巳之助
             奴鷹平  鷹之資
            囚人呑助  家 橘
         青貝師六郎太夫  段四郎
          大庭三郎景親  梅 玉
二、高坏(たかつき)
            次郎冠者  染五郎
             高足売  彌十郎
            太郎冠者  高麗蔵
             大名某  友右衛門
三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
  序 幕 吉原仲之町見染の場
  二幕目 立花屋見世先の場
      大音寺前浪宅の場
  三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場
      同  廻し部屋の場
      同  八ツ橋部屋縁切りの場
  大 詰 立花屋二階の場
         佐野次郎左衛門  幸四郎
             八ツ橋  福 助
           繁山栄之丞  染五郎
              七越  高麗蔵
           兵庫屋初菊  児太郎
          絹商人丹兵衛  錦 吾
            遣手お辰  鐵之助
            釣鐘権八  市 蔵
            下男治六  段四郎
              九重  東 蔵
        立花屋女房おきつ  魁 春
          立花屋長兵衛  彦三郎

ストーリー:(公式Webより)
一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり)
 鶴ヶ岡八幡宮に参詣した梶原平三(富十郎)は、大庭三郎(梅玉)、俣野五郎(染五郎)兄弟から、
ある刀の目利きを求められ、これが大変な名刀であることをふたりに告げます。
 一方、娘の梢(魁春)のために、刀を金にしたい六郎太夫(段四郎)は、この刀でふたりの人間を
重ねて斬ることができると言上します。そこで囚人を使って試し斬りをしようとしますが、奴の鷹平
(鷹之資)が手紙を持って駆け付けてきます。その手紙には、源頼朝が挙兵した旨が記されていたの
で、あたりは騒然としますが、梶原方の大名(松江・男女蔵・巳之助)たちがこれを宥め、試し斬り
を続けさせます。
 しかし獄屋にいる囚人は呑助(家橘)ばかりで、人数が足りません。すると六郎太夫は、梢をわざ
と家に帰らせて、自らがその役をかって出ます。こうして梶原が試し斬りをしますが、斬れたのは呑
助だけで、六郎太夫まで斬ることは叶いませんでした。これを見た大庭兄弟は、刀が鈍だと馬鹿にし
て立ち去って行きますが、梶原は意外な事実を口にします。  名刀の奇瑞を描いた華やかな義太夫
狂言をご覧下さい。

二、高坏(たかつき)
 次郎冠者(染五郎)は、主人の大名某(友右衛門)と太郎冠者(高麗蔵)と共に花見に出かけ、高
坏を買ってくるように命じられます。ところが、高足売り(彌十郎)の口車に乗せられ、次郎冠者は
高足を高坏と思い込んで買ってしまい…。
 高足を履いて賑やかに踊る名作舞踊をお楽しみ頂きます。

三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)
 上州の絹商人である佐野次郎左衛門(幸四郎)は、吉原で安く遊ばせるからと騙されて、下男の治
六(段四郎)と共に仲之町へやって来ます。この危難を立花屋長兵衛(彦三郎)に救われ、次郎左衛
門は帰ろうとしますが、兵庫屋八ツ橋(福助)の花魁道中を見て魂を奪われます。
 こうして次郎左衛門は、八ツ橋のもとへ通い詰めますが、八ツ橋の親代わりである釣鐘の権八(市
蔵)は良い金蔓が出来たと、立花屋のおきつ(魁春)を通じて、たびたび金策を願い出ます。しかし
ついにおきつはこれを断るので、権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞(染五郎)を焚き付けます。そし
て栄之丞は八ツ橋に次郎左衛門との縁切りを迫るのでした。
 一方、何も知らない次郎左衛門は、八ツ橋を身請けするつもりで、同業の丹兵衛(錦吾)と共に吉
原へやって来て、遣手のお辰(鐵之助)の手配で、九重(東蔵)や七越(高麗蔵)、初菊(児太郎)
を座敷に呼んで騒ぎますが、突然、八ツ橋に縁切りをされて恥をかかされます。次郎左衛門はうちひ
しがれて宿へと帰って行きますが…。
 廓の風情を巧みに描いた世話物の名作を豪華配役で上演します。

------ここから感想-----
私が座ったのは花道の外側、七三は見えるけれど、もちろん出入りは見えません。染五郎でずっぱ
りでしたね。3幕目の間夫が一番かっこよかった。
名鷹誉石切における刀の目利きのシーンは錦絵にでてきそう。父親が試し切りにあってしまいそうと
いう重苦しいシーンで、一緒に試し切りにあう死刑囚が語る日本酒の名前尽くしの嘆き口上がかなり
おもしろい。雰囲気をうまく緩和させてくれます。駆け戻ってきた娘が六尺棒で押さえられて泣き崩
れる姿もうつくしい。試し切りは故意に失敗させて、父親を助け、刀が本物であることを後で手水罰
をたたき割ってみせるという。堪え忍ぶ源氏に救いの神が現れるという分かりやすい構図。
もうちょい悪の方がしっかり悪であればもっとスカッとしたのでしょう。

次の狂言は現代の作品で、作者は宝塚歌劇の脚本家だとのこと。当時はやっていたタップダンスを
狂言に取り入れた趣向がおもしろい。背景は桜、普通狂言には松を背景とするそうですが、この作
品は歌舞伎オリジナルなのであえて桜を背景にしたのだそう(イヤホンガイドから)。場面はもちろん
花見、高杯を買いに行かされた次郎冠者が、高足(下駄)売りにだまされて、下駄を買ってしまうとい
う話。前半はそのコント、後半は買ってしまった下駄をはいての酔っぱらい踊りがみもの。酔っぱら
いが下駄を履くので、これ見よがしではなく自然に下駄でタップを踏む感じがでています。下駄タッ
プってビートたけし氏発明じゃなかったのね。下駄タップまたみてみたい。
最後は世話物。吉原百人切りという講釈を元にした物語です。幕が開くと吉原の店が立ち並び、真ん
中に桜がさいていました。舞台の派手さに、幕が開いたとたん、客席からおーという声。その中を花
魁道中が行くのです。八橋は、八つの橋とカキツバタ模様の絢爛豪華な衣装。お大尽を誘いかける
営業スマイルはいまひとつ微妙。外八文字の歩き方はセクシー。間夫の染五郎はたしかによい男で
花魁が言いなりになるのもわかるような気がします。とはいうものの、身請けする寸前になっていまま
で尽くしてくれたお客様の面子をつぶす形で袖にするのはいまひとつ説得力が。。。
もっともそれほど理不尽な振られ方ゆえにその後の100人切りが説得力を持ってきたりもしています。籠釣瓶とは水もたまらぬ切れ味の妖刀村正を表現したものだそうですね。
鬼気迫る次郎左衛門の狂い方で、悲しみがぐぐんと伝わってきましたよ。
今回はどれもおもしろい番組でした。







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