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今までに見た舞台の感想をつづってあります。
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題名:焼肉ドラゴン
日時:2011年2月20日18:30-21:40(18:10開場時から舞台では演技がなされていました)
劇場:新国立劇場小劇場
料金:S席4250円
座席:D4列4番(1階席後方左側)
脚本・演出:鄭義信
翻訳:川原賢柱
美術:島次郎
照明:勝柴次朗
音楽:久米大作
音響:福澤裕之
衣裳デザイン:出川淳子
ヘアメイク:川端富生
方言指導:大原穰子
擬闘:栗原直樹
振付:吉野記代子
演出助手:趙徳安
舞台監督:北条孝
出演:   
  金龍吉・「焼肉ドラゴン」店主: 申哲振
  高英順・竜吉の妻:       高秀喜
  金静花・長女:         栗田麗
  金梨花・次女:         占部房子
  金美花・三女:         朱仁英
  金時生・長男:         若松力
  千葉哲也 / 笑福亭銀瓶 / 水野あや /
  佐藤誓 / 朴勝哲 / 山田貴之 / 朴帥泳 / 金文植
ストーリー:
焼肉店「焼肉ドラゴン」は、空港そばの下水すらない朝鮮人集落にある。

1969年・春。「焼肉ドラゴン」では、次女・梨花と哲男の結婚パーティーの準備が
行われている。そこに二人が言い争いながら帰ってくる。哲男が市役所の職員と喧
嘩し、婚姻届が出せなかったことを梨花はなじる。そのかたわらで、歌手志望の三
女・美花とクラブ支配人の長谷川とはわけありの雰囲気だ。屋根に登った長男・時
生と店主の父・龍吉(片腕である)は散る桜を眺め、それなりに未来は明るく見え
た。

同年夏。母・英順は機嫌が悪い。店の立ち退き話や、有名私立に入れた時生がイジ
メにあい不登校になっているのだ。一方、結婚はしたものの哲男はなにやかやと理
由をつけて働かず、焼肉屋で親と同居しながら梨花が働いて家計を支えている。仕
事から帰ってきた梨花は哲男と激しく揉め、まだ長女・静花のことが好きなのね、
と責める。哲男と静花はかつてわけありだったが、静香は妹の気持ちを察し、店に
やってきた韓国人の大樹とともに出かける。追いかける哲男。泣き崩れる梨花は、
ふらっとやってきた常連の日白と関係してしまう。

同年秋、夜。時生へのイジメは加熱し、とうとうしゃべれなくなる。そこへ長谷川
の妻・美根子が現れ、美花との浮気をなじり、慌てる長谷川に絶対に離婚しないと
言い捨てて去る。日白の自転車で帰ってきた梨花は、哲男を無視して寝てしまう。
自分の結婚は破綻していること、君とやり直したいと静花に話す哲男。そこに大樹
が現れ、恋敵同士はマッコリの呑み合戦を始める。

同年、冬。静花と大樹の婚約パーティーでにぎやかな一同。招かれていない哲男が
現れ、「これから北朝鮮に行く、ついてきてほしい」と懇願された静花は彼につい
て行くことを決断する。そこへ、学校に呼び出されていた龍吉と時生が戻り、時生
の留年を告げる。それでも学校に行けという龍吉に、時生は屋根の上から飛び降り
て自殺する。

1970年、夏。正式に離婚した長谷川は、美花の妊娠を伝えて龍吉に結婚の許可を求
めるためにやってくる。万国博開催に誰もが浮き足立つ中、哲男は、一時停止して
いる北への帰国事業の再開を複雑な思いで待っている。立ち退き要請に現れた市役
所の職員に龍吉は、土地を奪うなら戦争でなくした腕を帰せ、息子を帰せと叫び、
嗚咽するのだった。

1971年、春。立ち退きのため瓦礫と化した店の前で、別れを惜しむ人々。静花と哲
男は北朝鮮へ、梨花と日白は韓国へ、美花は長谷川と開業したスナックへ出かけて
行くのだ。バラバラになっても家族はつながっていると英順。屋根の上に時生が現
れ、去っていく家族を懐かしめば、桜が散りはじめ、龍吉は英順を乗せたリヤカー
をゆっくりと引いて坂道を上ってゆく。
これは、死者が想起した物語だったのか。




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開場すると舞台の上ではキャストが焼き肉を食っていました。ああ、私も食べたい。
時代は昭和、ピンキーとキラーズの恋の季節が歌われました。太鼓、鉦、アコーディ
オンで合奏、歌って宴会!
舞台の上方には「焼肉ホルモン」の看板、右側は板の間で座卓、真ん中にはテーブル
左側はのれん、その外が道路、それに面してトタン板屋根の家が並んでいます。
開演前のアナウンスは「ご町内の皆さんにお知らせします。開演中の。。。」
私らは町内の衆だったのですね。
ジェット機の轟音とともに物語のはじまり。ここは飛行場のすぐ近く、国有地の上
に何十ん年も住んでいる人達。時生は時々屋根の上に登って観客に
向かって語りかけるのですが、その他はいかにも等身大なリアリティあふれる
雰囲気です。東京オリンピックから大阪万博までの、日本が生き急いでいた時代
にかかわるくすぐりがいくつもはいっており、ぎりぎりその世代に生きていた
私はちょっとノスタルジー。でも物語はかなり重いのです。
娘3人に息子1人、全員が問題を抱え、最後には全員が夫婦の元を去っていきます。
そして必死で働いて保っていた焼肉屋も国の強制執行によって失ってしまいます。
「働いて働いて働いて。働いて働いて働いて。故郷は近い。でも遠い。それが自分
の人生。自分の運命。」おとうちゃんの言葉にほろり。
在日の課題はすごく重いのですが、私にはこの作品は在日朝鮮人を題材とした家族
の別離の物語と感じました。
屋根の上で語っていることや、姉妹がじゅんぐりに色々な試練を経て夫婦となる
ところなど「屋根の上のバイオリン弾き」を彷彿とさせる構成でしたね。
どちらの作品でも親はつらいよ。。。





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